♪ 近況&インフォメーション ♪
ギフトとギブ。
先日、水戸のフェリチタさんを訪ねる前に、牛久の駅前に寄っていました。
当店でもラテ指導いただいたバリスタ榎本あきさんをはじめとする、バリスタのかたがた、その他おおぜいのみなさんが、港区芝浦のcafe+伝差衛門さんのもとで東日本大震災のチャリティを震災後一ヶ月もたたないうちに行っておりました。
そのとき、茨城から参加されていたのが牛久駅前で移動カフェでよく出店している「サンシャインステイトエスプレッソ」さんです。グルメエスプレッソ移動カフェ・サンシャインステイトエスプレッソさんというのが正式名称です。
コーヒーファクトリーさんのカケンジ農園のブラジルも販売していました。(もちろん、エスプレッソ抽出の豆も古橋さんのものです)
カプチーノでチューリップ、ラテにクマさんを描いていただきまして、美味しくいただきました。
(写真は撮れませんでした。今度伺ったときにアップします)
次回は時間があるときにオーナーさんと話ができるようゆっくり訪ねたいと思います。
その後、前回の記事のように水戸のフェリチタさんを訪ねたのですが、二軒のお店にふれて本当によい刺激をいただけました。
二つのお店からギブいただきました。
このところ、自分の珈琲豆のすっきり感が100%ではないことが気になっていて、
本来はあまりクリーニングしない煙突ダクトの立ち上がった部分から上を清掃。
上の方はあまりチャフがたまらない筈でしたが、何故か結構上までついていたようです。かなりの量のチャフが出てきました。
煙突と排気換気扇の2種類の排気を温度・湿度・風の強さで使い分けて焙煎していたので、普通の煙突ダクトよりは使用頻度が低いはずでしたが、やはり焙煎回数が増えすぎているのかもしれません。
それからさらに排気ファンのモーターを取り出してプロペラを外します。
前回時間がなくてプロペラのチャフをざっとしか取らなかったためか、ついているチャフが色が変わって焦げているところが…
スクレーパーとドライバーで鋳物のプロペラをこそげ落として再び設置。この、プロペラのチャフを削り取るだけで1時間以上かかります。
しかし、暖気をはじめたところ(実際に火力をいれて)、焙煎機の振動が気になり、中止。
再び、冷めるのを待ってファンを焙煎機から外し、プロペラを外します。
取ったチャフが完璧にクリーニングされていないと、バランスが悪くなり振動や音が大きくなります。
チャフ取りのやり直しです。
30分後大汗をかいて終了。またまたファンを焙煎機に戻して、暖気作業をはじめます。
だいたい、実際の焙煎まで1時間暖気して釜を暖めます。
しかし、なかなか釜があたたまりません。
排気ファンのプロペラについていたチャフがとれて軽くなり、さらにダクト内にこびりついていたチャフがなくなったことで排気能力が戻ったようです。これで、100%のときの味にコントロールできます。
焙煎機周りのダクトの掃除は頻繁にできるのですが、外部の煙突と排気ファンのプロペラとその周辺はフルに掃除をすると3時間近くかかるため、なかなか通常の営業中にはできません。
ついつい2ヶ月くらい、煙突とファンまわりをやらないでいたら…
しかし、本当に掃除をすると味が変わります。
味が気になってくるということは、「早くオレを掃除しろ!」という焙煎機の合図なのかもしれません。それと、焙煎しているときの振動も、微妙に違います。
コーヒー屋はついつい豆の抽出した液体のティスティングにばかり神経をつかいますが、焙煎機への愛情が薄いと(薄れてくると)、コーヒーの味が変わってしまいます。
時間や温度やタイミングなどの物理的な数値ばかりが重要なわけではありません。
焙煎機への愛情やおいしい生豆を生かそうという愛情もそろって、おいしい焙煎豆が焼きあがるわけです。
それもこれも、どれだけまわりの囲まれているものに愛情を持っているか、です。
そういうわけで、当店のコーヒーは、産地で愛情をもって育てられた生豆を、自信を持って商社のみなさんが届けてくれて、焙煎機や生豆に愛情を持って焙煎し、飲んでいただくお客さまに思いを込めて抽出した、ハートフルコーヒーです。
どこかの愛情が足りないだけでバランスがくずれて、味が壊れます。
まっさきに気づくのは自分なんですが、どこの愛情が不足なのか、該当する部分を見つけるのは難しいものです。複合のケースも多いので。
愛情が足りなくてコーヒーが美味しくない、なんて言っているのは当店の基準くらいかもしれません(笑)。
二軒のお店にいただいたエネルギーで、
今度は自分が焙煎機にギブしたことで、おいしいコーヒー豆を与えてもらえました。
世界はギフトで溢れている
そして世界はギブで成り立っている
実感しました。
自分が生まれた茨城県と、下館→筑西市に、「欲しい欲しい」と求め続けても仕方ない、
何がギブできるのだろうかと、
震災後の「いま」だから思案しています。