Q&A
川平法
Q なぜ川平法では麻痺した手足が動くようになるのですか。
A 脳には可塑性(かそせい)と呼ばれる性質があります。脳卒中で損傷を受けてしまった脳神経細胞は元には戻りませんが、損傷を受けなかった細胞が損傷部位の役割を代わりに果たすことができます。
しかし損傷を受けなかった脳神経細胞は新たに学習が必要です。
その脳への学習を行うのが川平法の運動療法です。
Q 川平法の運動療法とはどういったものですか。
A 麻痺した手足が動くように、脳に覚えてもらう手足の動作を何回も反復し脳と筋肉の間の神経回路を強化するものです。
脳が学習する時間は長ければ長いほど効果は高まります。
1セットにつき50回行い、2セットから4セット(ようは100回~200回)を1つの運動に行います。
これを一週間に最低2~3日行います。これが川平法が促通反復療法と呼ばれる理由です。
Q 川平法は週に何回行ったらよいでしょうか。
A 川平法は学習して脳に運動の動きを刷り込んでいく学習です。
研究では毎日もしくは週5回の場合が効果的であったという報告が多いようです。
ただし川平法は患者様がセラピストとともに行う運動療法のため患者様のモチベーション(目的意識)が大事になってきます。
患者様のやる気が継続できる頻度で行っていくことが好ましいです。
ただし脳の学習ですので定着する前にあまり間隔があくと忘れてしまいます。
神経回路を強化して定着させ持続させ続けるためには毎日(週5日)行うことが望ましく、最低でも週2~3回は行ったほうが効果的です。
Q どのくらいの期間のリハビリが必要になりますか。
A 川平法の効果の出方には患者様の脳の損傷度や損傷部位により個人差があります。
1回のリハビリで効果が出る場合もありますが、2週間~4週間で効果がみられるケースが多いです。
効果の定着には長期間続けたほうが好ましいです。
しかし半年以上のリハビリでも効果が出てこない方もおり、患者様の脳の損傷度により改善の程度に個人差があることは否めません。
川平法では軽・中度の麻痺に効果が大きいと言われており、前述した脳の可塑性を利用しての神経回路強化のため、脳の損傷度の大きい重度麻痺には効果が上がりにくいと言われております。
Q 発症してからの期間が数年以上経過している場合でも川平法で改善は見込めますか。
A 従来6ヶ月以降の脳梗塞による身体麻痺は、機能回復が困難とされてきましたが川平法ではその6ヶ月の壁を越えることができます。
発症してから何年も経過された方でも、よくなっております。
もちろん早い時期に始められたほうがさらに高い効果が見込めます。