コラム・豆知識
動物さんは日にちも、時間の感覚も持ち合わせています。
出かけるときにはぜひ、「○○時に帰ってくるからね、
お留守番よろしくね」と伝えましょう。
トレーニングなどで、黙って悟られずに家を出ましょう、
とアドバイスされる方もいらっしゃいます。
この方法が合う子もいるので、一概に否定するものではありません。
ただ、それでもダメな場合は、
時間を伝える & 必ずその時間までには帰る、
という方法も試してみてください。
この時のポイントは“帰ってくる”というイメージをプラスすること。
イメージというと、とたんに難しく感じてしまうかもしれませんが、
何も映像でなくても良いのです。
私が玄関に現れたら、この子は嬉しくってちぎれんばかりに
尻尾を振って迎えてくれるだろうな、と想像してみてください。
そうすると、私までとってもうれしくなりませんか?
その気持ちを思い浮かべながら、言葉を付け加える感じです。
すると、お留守番をする動物さんに残る印象は、
“大好きなお家の人の去ってゆく背中と不在”ではなくなり、
“○時になったらまた会える!”という希望に変るのです。
これって大きな違いですよね。
ぜひ試してみてください。
時間に加えて、出かける理由・誰と、などもお知らせできると、
より安心感が高まります。
お仕事、お買い物、お友達とお出かけ、お勉強、
ランチ、映画、ドライブなど、ぜひ伝えてあげてください。
動物さんは情報を欲しがっています。話せば理解するのです。
詳しいことまで分からなくても、大好きな保護者さんにとって
大事な用事なんだな、と分かるだけでも大きな違いです。
ご自身が子供だったときを思い出してみてください。
“待つ”という行為には何ら変わりはありませんが、
何時に帰ってくるのかも何をしに行っているのかも分からない
お家の人をただ待つより、どこに、誰と、何のために行っていて、
何時に帰ってくるのかが分かって待っていたほうが、
不安や寂しさを力に変えてがんばれたのではないでしょうか?
お隣さんにヘンな人に思われたっていいじゃないですか!
どんどん話しかけて、情報を共有しましょう!
さてみなさん、ちゃんと伝えてあった時間通り、帰って来ましたか?
○○時に帰る、といったら、よっぽどのことがない限り、
ちゃんと約束を守ってくださいね。
こういう日々の積み重ねは信頼関係において、とっても大事です。
でも、何時に帰れるかなんて、残業も発生するかも知れないし、
確約できないよ、、、
ええ、確かにそうですね。そういう時のために、応用編です。
余裕を持たせた、少し遅めの時間を伝えておいてあげましょう。
バスに乗り遅れたとしても、途中でお買い物してきたとしても、
この時間にはほぼ帰ってるはず、というそんな余裕を含めた時刻を
お知らせしておいてくださいね。
早めに帰ってこれたら、動物さんにとってそれは望外の喜び!
に変るでしょう。
それでも思わぬ突発で遅くなってしまう場合は…
お家に留守電があれば1本電話を入れて、メッセージを
残してあげてくださいね。動物さん、ちゃんと聞いてます。
留守電がない場合は、伝わる!と信じて心の中で電話をかけて、
「ゴメンナサイ、アリガトウ、○時頃になりそう、待っててね」と
改めてお知らせし、伝わった!と思いましょう。
出かけるときは
1)情報
どこに、誰と、何のために 行ってきます。帰りは○時です。
(余裕を持った帰宅時刻・感動の再会のイメージをプラス)
2)ねぎらい
お留守番いつも助かっているよ、ありがとうね。
3)自分も気を付けることを伝える
私も気をつけていってくるからね。
4)お仕事・役割があれば尚可!
○○ちゃんも楽しんでいてね/ゆっくりしていてね/
お家はきれいなままにしておいてね/
虫が出たら取っておいてね/仲良くしていていね/などなど
何かその子に合った役割をしていてもらうこともとても大事です。
ただ、ぼーーーっと、あるいは、ずーーーっと"待つ”だけでは
やっぱり心もとないですから。
5)お留守番をお願いしたら、後は任せる!
これ、とても大事です。
大丈夫かな、かわいそうに、申し訳ない、また〇〇しちゃうんじゃ…
などなど、こちら側がいつまでも不安な気持ちを引きずっていると、
それは伝わってしまいます。
お留守番ができない、というご相談を受ける場合、
実は保護者さんがお留守番"させられない”、"任せ切れていない”
ということがあったりするのです。
親離れ、子離れではないですが、ひとりの独立した存在として、
信じて任せる、というこちら側の心の強さも大切な要因です。
皆さんのお帰りを、何年ぶりの再会?!というくらいに熱烈に
歓迎してくれる子もいれば、
あ、帰ったの、とクールな子も、いろいろいますね。
どんな子であっても、まずはごあいさつ。
○ちゃんただいま。お留守番して待っていてくれてありがとう!
お迎えにきてくれてありがとうね。会いたかったよ。
などなど、盛大に労をねぎらってあげてください。
そして、頼んでおいたお仕事がちゃんとできていたら、
さらに褒めてあげてくださいね。
大げさにでも、褒めちぎってありがたがっていると、
なんだかこちらも本当に楽しくなってきますよ!
そんなうれしそうな飼い主さんを見たら、動物さんも
“そんなの簡単だもん!いつでも言って!任せて!”と
良い循環が生まれることでしょう。
でも…
もし散らかしてしまっていたり、上手にお留守番ができてない
痕跡を見つけてしまっても、
うりゃーーー!何で言うこと聞けんのじゃー!とエキサイトせず、
ここはひとつぐっとこらえて平然と、坦々とお片づけしましょう。
思ったように大騒ぎの反応が返ってこないと、
なんだぁつまんないの、とやりがいを感じなくなる子もいますし、
そもそも、ちゃんとしたお留守番合意(少なくとも、
きちんとしたご依頼)ができていれば、
不安な気持ちから来る散らかしが激減することもあるのです。