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「闇に光を編む」 夢のような三日間
11/29~12/1、展示「闇に光を編む」が無事に終わった・・・あの三日間は夢だったのか、今はすっかり
日常に戻っている。
今朝、ワンコの散歩に出かけた。家を出て30m、眼鏡のレンズにピシャッと何かが落ちてきた。
白濁の液体。鳥の落としものだ。なんてこった、と、これから匂いを嗅ぎまくるぞーと意気揚々と歩き出していた
愛犬を抱きかかえ、自宅に舞い戻った。全くの日常、現実。
気を取り直して、4日前の素晴らしい時間に想いを馳せよう。
この展示を開催するきっかけは、昨年の湯河原美術館カフェでの個展のフライヤーのための撮影を、この石蔵で
行ったことがはじまり。石蔵に浮かぶヒンメリは、それはそれは美しく黄金に光り、この景色をカメラマン
さんと私しか見ていないことがもったいなさ過ぎて、その時、ここで個展をやるぞ!と心に決めたのだった。
誰かと一緒に何かをやることが苦手だから、一人でしっぽりとやるつもりでいた。自己満足、それでいいと
思っていた。けれど、この話を麦畑でしてみたら、一緒に畑をやっているパン屋さんのポロンさんが、パンの
販売で参加してくれると言ってくれた。また、真鶴町のジュンコさんも、展示に参加したいと言ってくれた。
でも、私の中に確固たるイメージがあったので、ポロンさんにはヒンメリと同じ麦で作ったライ麦パンを、
ジュンコさんには石に描いた絵の作品を、とお願い?というか、確認をして臨んでもらった。
フライヤーも自分では作れないくせに、パソコンができるポロンさんに、あーだこーだと注文をして
作っていただいた。
誰かに自分の気持ちを正直に伝えるのって、すごくストレスを感じるのだけど、初めて自分の意思で企画した
展示だもの。言わなくちゃ、とだいぶ勇気を振り絞った。でも、それでよかった。結果、思った通りの
大満足の展示内容になったのだから。(まぁ、これも、お二人の大きな心の広さがあってこそだけど)
とにかくゆっくりと見てもらいたくて、雰囲気を壊さない程度に椅子を置いて、無料のお茶もふるまって、
寝転んで作品を見上げてもらうアイデアは、蔵を管理している杉山さんにヒントをもらい、実行した。
照明の当て方も、杉山さんにアドバイスしてもらい、夜のライトショーを楽しんでもらった。
日が沈んで、暗がりに浮かび上がるライ麦は、息を呑む美しさだった。
お客様が帰ったあとに、寝転んでヒンメリを見上げたら、心の底から温かい泉が湧いてくるような充足感を
味わえた。
昼間来て、夜に再び来てくれたお客様もいたね。見てもらえて、嬉しい言葉をたくさんもらえて、
とても嬉しかった。
想像以上にお客様がきてくれて、とにかくビックリしたけど、こんなに素晴らしい展示を見ないなんて
もったいないよー!って、実は心の中で思っていたから「うんうん、みんな来てくれて正解だよ」なーんて
偉そうに思っていたりして。それくらい許してね。
一人ではきっと出来なかったなって、今は素直に思える。一緒にって言ってくれたポロンさんとジュンコさん
には、心から感謝だ。
またいつか、第二弾ができたらいいな。
最後、この石蔵を出るとき、声に出して「ありがとうございました」と一礼した。涙が出てきた。
展示を見に来てくれた皆々様の姿が頭に浮かんで。そしてパンや作品をより引き立ててくれた石蔵の、長い
長い歴史を感じて。
ありがとう ありがとう。
夢を実現させた54歳。よく頑張ったよ、自分。
