お知らせ
耐震墓石(外柵・玉垣)の施工には、ステンレス製開き防止金具を使用し、アンカーにて固定しておりますが、規格通りの強度が出ていないのが実状です。
耐震墓石をアピールする理由でアンカーによる固定を行っても、施工方法によっては、数倍から10倍程度の差が発生いたします。固定する材質(コンクリート・軟質石材・硬質石材等)や使用環境により、アンカーの種類を選定する必要があります。
一般的に、ケミカルアンカー(樹脂)にて固定する方法が最善とされておりますが、石材に於いては、夏場の直射日光にて表面温度が、80℃を超える場合があり、固着剤の劣化が懸念されます。
樹脂系ケミカル固着剤は、60℃を境に急激に劣化が進み引張強度が下がってしまいます。また、ケミカルアンカー以外の金属系アンカーでも、使用するアンカーの太さや材質、更には穴を開けるドリルの形状によっても、強度は極端に左右されます。アンカーの種類は、接着系のケミカルアンカーと金属系アンカー・その他のアンカー類に分類され、金属系アンカーの中でも8種類に区分されます。
東日本大震災の際も手軽に使える打込み式アンカーが多用されましたが、家庭で普及したエコキュート等の施工に於いても、倒壊が多数見受けられました。原因は、打込み不足や規定の太さを使用しない、また、施工方法に誤りがあり、強度が不完全だったと考えられます。
地震後、アンカーテスターを用い、引張強度試験を実施致しましたが、アンカーが抜けて倒壊した物の引張強度は、規格に満たない物が多数をしめていました。
アンカーを施工する者は、資格が必要となり、手順通りの作業を行わないと必要強度が見込めません。さまざまな材質でテストを行った様子を後ほどブログにUPいたしますので、興味がある方はごらんください。
添付ファイル
- 引張強度テスト (104KB)
- ケミカルアンカーと金属系アンカー各種 (422KB)
- アンカー 大きさ比較 (340KB)