「虔脩感應丸」に含まれる成分のうち、「牛黄[ごおう]」と「麝香[じゃこう]」は、芳香開竅[かいきょう]薬とよばれ、「気」「血」の通り道となる経絡[けいらく]や、神経などの循環を良くし、意識を覚醒させるはたらきがあるといわれています。 「牛黄」は牛の胆石のことで、鎮静作用、利胆作用、解熱作用などが知られており、古くから「高貴薬」として用いられてきました。 「麝香」は、高級な香料の原料として有名ですが、貴重な生薬でもあります。麝香とは、高地に生息する「ジャコウジカ」のオスの分泌物を乾燥したもので、含まれる胆汁質やタンパク質などの成分が、興奮、強心などの作用を示すと考えられています。漢方的には、経絡の疎通を図り、気血の阻害を改善して疼痛などを緩和するといわれています。 「牛黄」と「麝香」は、どちらも経絡に対する刺激が強く、気血を巡らせる効果が高いとされます。