片江の環境活動
片江の海の磯焼けと藻場再生

片江地域を含めた島根県松江市美保関町は日本海と中海に囲まれ、古くから漁業を生業としている。しかし、近年の地球温暖化による気候変動や周辺地域の生態系の変化により、漁獲量や藻場の減少要因となる「磯焼け」が進行し、水産資源・藻場の回復が課題となっており、行政と漁業関係者が一体となり、藻場再生・造成や資源管理の取り組みを行っている。
磯焼けの原因はウニや貝類、魚類による食害、海藻のタネ不足、基質不足、栄養塩不足、浮泥や波浪の影響などがあるが、片江地区では、特にウニの増加による食害が多く、現在、ウニの駆除と有効利用が進められている。
藻場を食べつくすウニをただ駆除するだけでなく、そのウニを商品にならないワカメを餌として育て、ワカメの廃棄処分を減らしながら、育ったウニを商品として売り出す一石二鳥の取り組みである。
片江の海とブルーカーボン事業

近年の大きな環境課題である地球温暖化に対し、様々な環境対策が打ち出されている。日本では2050年までに温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させ、全体の排出量をゼロにする「カーボンニュートラル」の実現を目指した取り組みが進められている。温室効果ガスのうち、CO2の吸収として陸上の生態系が吸収する炭素を「グリーンカーボン」 と呼び、海藻などの海洋生態系が二酸化炭素を吸収・貯留する炭素を「ブルーカーボン」と呼ばれている。片江の養殖わかめは、このブルーカーボンの取り組みの一大拠点となりうる。

これらの流れの中で、2025年、美保関地域にて「豊かな海を育む美保関協議会」が立ち上がり、漁業、民間企業、団体、学校、行政関係者で多様な連携を開始し、豊かな海を再生・守り抜くための気候変動対策の取り組みを開始した。
<事業内容>
(1)気候変動対策を目的としたワカメ養殖活動
(2)藻場(漁場)の再生
(3)地域の小学生等を対象とした環境学習
(4)観光資源の活用
(5)J-ブルークレジットⓇの取得と活用に向けた活動
(6)その他、協議会の目的を達成するための必要な事項
片江の海を守り、再生させると同時に、片江の海の資源を活用した地球の環境問題への貢献も目指している。
片江の海と廃棄ワカメの有効活用

養殖わかめは、長いロープにわかめのタネ糸(わかめの胞子がついている)を巻き付け海面近くに張って養殖する。秋から春にかけて海の中でスクスクと育った若布を収穫するが、3kmのロープのうち約1km分のわかめは一般的な商品の規格にあわず、廃棄処分となる。1/3ものロスは経営的にも環境的にも悪影響である。また、わかめはナマモノのため足が速く、旬の時期が限られており、作業が集中し、生産にも限界があり、ロスが発生する。
これらの課題を解決するために、廃棄処分となる生のワカメは、磯焼け対策で採取したウニの餌に利用し、ウニを駆除せずに育て、ウニの商品化に利用する。

また、生のわかめを乾燥や粉末化し、様々な加工品として活用する。乾燥したわかめで商品開発を行うことは、わかめの可能性を広げるだけでなく、一時期に集中して安定しない漁業収入を年中の収入に変革し、安定的な収入源とすることが可能となり、今後の担い手の確保へとつながる。





さらに、わかめの商品開発によって地域の新たなブランドを生み出し、地域のブランディングやわかめの町として観光(食・体験)にも寄与することを目指している。
片江の海の清掃活動とリサイクル

時を超え、国境を越えて海岸には様々なものが漂着する。
私たちは地域の美しい海や砂浜を守るために海岸清掃を行い、漂着物やゴミを定期的に処分している。
漂着するプラスチックの量はすさまじく、拾っても拾っても無くなる兆しはない。
海が手の届くところに吐き出してくれたゴミを微力ながら回収する。
ここに流れ着いたプラスチックも誰かを幸せにするために生産されたもの。
感謝の気持ちとともに循環させたい。
海岸で拾ったプラスチックからアクセサリーを作り、 「earth+STORE」で販売している。
「earth+」は地球にプラスになるといいな、地球のお手当て+になるといいなという思いが込められている。
60年後、ひ孫とその子どもにキレイな海を見て欲しい。
みんなの少しずつのプラスが地球環境の逆転劇を作るように!