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有限会社戸谷木工所
【つくり手ヒストリー】
昨年2023年に創業100年を迎えた有限会社戸谷木工所。3代目で社長の光成さん(65)と息子の洋俊さん(33)が揃ってお話を聞かせてくださいました。
木工職人ひと筋、幼い頃から工場で仕事に打ち込む父の背中を見て育った洋俊さん。木との触れ合いの思い出に、「子どもが作るにしては完成度の高い、仕掛け付きの貯金箱」を作った夏休みの工作を挙げてくれました。光成さんがこそっと手伝ってくれたゆえの高度な仕上がりだったと、懐かしそうに笑います。
経済学部に進学後、野球(と少々のお酒)に打ち込んだ洋俊さん。「継がなくてもいいよ」という父の言葉を受け、旅行会社に就職します。社会に出て6年後、家業と転職を天秤にかけ、「連綿と続いてきた伝統を途絶えさせるのはもったいない」と自らも木工の道を歩むことを決めました。
デジタルに強い洋俊さんは現在、知識を活かしてレーザーを使った商品づくりに力を入れています。またホームページの更新も、自身でまめに行っているとか。親子で互いの言葉を補い合いながら和やかに進んだ取材中、「しょっちゅう喧嘩します!」という申告でお二人の声が揃いました。仕事の進め方や効率など、意見の違いははっきりと口に出して議論を交わすといいます。「翌日にはケロッとした感じ」だそうで、趣味の登山やお酒を一緒に楽しむという仲の良さがうかがえました。
車いじりと電気工事が趣味の父・光成さん(右)と、自然や温泉が好きな洋俊さん
【つくるものへのこだわり】
木工の道に入り4年目の洋俊さん。「手を抜かないでいいものを作る。インチキをしたって、見れば分かってしまうから」と話す父のもと、毎日木と向き合っています。
座右の銘は「至誠無息」。例えばレーザーのデザイン一つとっても、外注に出せばより複雑な作図が叶う可能性もあるところ、自らの手で望むようなデザインに到達するための研究を惜しみません。
また日々使う道具の手入れも大事にしているこだわり。工場の横に据えた研磨機で機械の刃をひんぱんに研いで切れ味を保つのは、0.1ミリまで及ぶ正確性を求めるからこそ。
出来ることが日々増えていく楽しさを噛みしめつつ、「来る仕事はなんでもやってみたい。オールラウンダーな職人になりたいです」と、洋俊さんは今後の抱負を語ります。
185㎝の長身を少し屈めるように行う、サンダーでのペーパーあて作業。腰痛が悩みの種
【手にとってもらいたいもの】
木工団地フェスティバルには初めての出店となる戸谷木工所。得意とするレーザー加工を施したスマホスタンドは、さまざまな柄の中からお気に入りを見つけるのが楽しい商品です。
普段はOEM商品(自社の名前を出さずに作った、他社ブランドの商品)として流通している判子ケース(写真中央下)やライトカバーも並ぶほか、いくつもの模様がひしめきあう、正統派寄木細工のごみ箱も出品します。こちらは洋俊さんの祖父が何十年も前に作った貴重品。
若手木工家が集まる販売会に出た時の経験から、洋俊さんは「お客さまと対面できる機会と、そういった場で商品が売れるうれしさは格別です」とフェスへの期待を話します。
掘り出し物さがしとともに、ぜひ作り手との会話も楽しんでください。
和柄から愛らしく動物がデザインされたものまで、種類豊富なスマホスタンド(中央上)は人気の商品
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