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まつもと木工所
【つくり手ヒストリー】
18回目の木工団地フェスティバルに初めて出店する松本育さん(まつもと木工所・32)は、大阪府枚方市の出身です。
編み物が好きで、幼少期から「漠然と、手に職をつけたいな」と考えていた松本さん。作り手と対面して作品を購入できる「手づくり市」などによく足を運んでいたそうです。
「ゼロから作るより、素材と触れ合い、格闘したい」と、高校卒業後に京都伝統工芸大学校で木工を専攻。卒業と同時に小田原の土屋木工所に就職し、移住しました。
生まれ育った土地を離れての生活と初めて飛び込む職人の世界は、驚きや苦労の連続だったと言います。祖父ほども年の離れた親方をはじめ、先輩方からも技術を学ぶ毎日。使ったことのない機械の操作に奮闘し、さまざまな木に触れながら経験を積みました。
2021年、6年務めた会社の閉業を経て独立開業した松本さん。現在は、土屋木工所に勤めていた時の先輩と共同の工房で、オリジナル商品の製作や外注の仕事に励んでいます。
工房に流れるのはFMヨコハマ、家での内職のお供は「オールナイトニッポン」が定番
【作るものへのこだわり】
寄木を取り入れたアクセサリーや小物を得意とする松本さんが扱う木は、およそ15種類。
産地によって異なる木の特徴や一つひとつ違う木目など、個性ゆたかな木と向き合う毎日の中で、浮かんでくるアイディアやデザインをノートに書き溜めています。「〝手にとってもらえるもの〟と〝自分が作りたいもの〟をどこまで近づけられるか、探りながら進んでいます」と松本さんは話します。
丁寧で質の良い仕事は、ものづくりの大前提。それを当たり前のこととしてやっている人が周りにたくさんいるからこそ、「自分が美しいと思ったものを妥協せずに作りたい」。いま目の前にある商品がベストなのか、自分に問うこともしばしばです。面の中の模様の配置を5ミリ変えるだけで表情ががらっと変わるおもしろさを知るがゆえ、貪欲に「ベスト」を探し続ける姿勢に、静かな情熱を感じました。
木工団地フェスの直前には、地元・関西で初のギャラリー展示が控えています。「専門学校時代からの既知の二人との展示がうれしい。開催地の京都の方は寄木に馴染みがないと思うので反応が少し不安ですが、楽しみです」と語ってくれました。
晴れた日には江の島や三浦半島がくっきりと見える工房からの眺めは、疲れた時の癒し
【手にとってもらいたいもの】
木工団地フェスでは、ピアスやイヤリングといったアクセサリーにヘアゴム、ペン立てやコースターなどの小物がたくさん並びます。
手のひらにちょこんと乗るアクセサリーはなんとも言葉に表しがたいかわいらしさに溢れていて、例えば下の写真の上部中央のピアス(商品名/ながしかくピアス)は、6つのキューブを接着したもの。一つが4ミリのキューブはどれも面取り(角を削った状態のこと)が施され、細やかな手しごとが随所に見てとれます。
またヘアゴムは、伸びてしまった時にゴムを簡単に取り替えられるよう、寄木に固定した金具に通してあります。こうした、使う人の目線に立った心配りも、松本さんの商品の魅力です。
コースター(左下)は、中央の正三角形の空間が、濡れた器の張り付きを軽減する機能性を持つ



