ブログ

2025-07-07 15:59:00

島根大学法文学部 教授 小林准士様

旧堀氏庭園の名勝指定を振り返って

旧堀氏庭園を文化財として指定しようとする動きは21世紀に入ったころから出てきて、その頃から島根県の方に連れられて私も堀家に文書調査のために訪れるようになりました。当初は主屋の損壊が進み、どうなることやらと危ぶんでおりましたが、名勝指定となったことで見違えるように建物が修復されたことは感慨深かったです。

旧畑迫病院も同様に損壊が進んだ状況でしたが、こちらも保存修復がなり活用されることになりました。

 

堀家文書の調査に関わったことから津和野町との関係ができ、旧堀氏庭園保存管理計画策定委員会をはじめ、文化庁による文化財の総合的把握モデル事業や、鷲原八幡宮の調査、永明寺と亀井家墓所の委員会にも参加することになりました。そして文化庁の補助金を得て本格的に堀家文書の調査を進めることになり、津和野町の職員の方はもちろん、津和野町古文書の会の方々などのご尽力により、膨大な史料の目録を完成にまで漕ぎ着けられたことは、本当によかったと思っています。

 

というわけで堀家との関わりはすでに四半世紀に及んでいますが、史料目録の作成は同家文書の利用、活用という点ではスタートラインに立ったにすぎません。同家文書は近世後期の畑迫や笹ヶ谷銅山周辺地域の歴史を明らかにできるというだけでなく、近世から近代にかけての津和野町域の政治・経済・文化、中国地方の鉱山経営など、様々なことを解明できる重要な史料として利用できるはずです。

 

わたしも一部の史料については解読して紹介し研究にも利用していますが、まだまだごく限られています。こんご多くの研究者や地域住民の方々にも利用してもらうには、重要な史料を収めた史料集を編纂するなどのことが必要となるでしょう。堀家の人々の事蹟を明らかにすることを通じ、旧堀氏庭園や旧畑迫病院の価値について理解を深められるようにすることも課題です。

 

堀家文書が広く利用されるようになるよう、わたし自身も尽力していきたいと思っています