建設業の許可の中に板金工事業と呼ばれる業種があります。
金属建材の工事を担う業種です。
「板金工事業」は「屋根工事業」や「内装業」「塗装業」など29種類ある独立した建設業の許可の一つです。
板金工事業を営むには知事や国土交通大臣から許可が必要になり、専任技術者の設置や財産要件などの条件があります。
世間一般では板金屋さんとして慣れ親しまれています。
実はその昔(昭和20年代頃)、板金屋さんといえば雨樋工事屋さんでした。
昔の雨樋はブリキ製であり、板金屋さんの専売特許でした。
トタン屋根も板金工職人さんが請け負う工事のひとつです。
どちらかと言えば、板金工事の会社や職人さんは裏方に近い存在でした。
しかし、ガルバリウム鋼板など耐久性に優れた建材が評価され、今では板金工職人さんの仕事の幅が大きく広がっています。
金属製の屋根材を葺く工事です。
昔は金属屋根といえばトタン屋根でしたが、現在では成型ガルバリウム鋼板やガルバリウム瓦棒などが普及し、リフォーム工事において金属屋根は主流の屋根工事のひとつとして評価されています。
もちろん、「陶器瓦を金属屋根に葺き替える工事」や「コロニアルの上に金属屋根を重ね葺きする工事」は板金工事会社の仕事です。
金属サイディングとは金属の外壁材を張る工事です。
昔は金属の外壁材といえばブリキやトタンなどでした。
現在では屋根同様、ガルバリム鋼板が使われるようになっています。
金属サイディングは外張り工法が容易に行うことができるメリットがあり、リフォームや新築にも積極的に取り入れられています。
昔の雨樋はブリキ製であり、板金工事といえば雨樋工事を示すほどでした。
現在では雨樋は樹脂製品を使うのが主流です。
しかし、金属製の雨樋が完全になくなったわけではありません。
寺社仏閣や純和風住宅では金属製の雨樋が使われます。
また、樹脂製より金属製の雨樋の方が耐久性に優れていることもあり、数は多くないですが一般住宅でも金属製の雨樋の取り付けは行なわれています。
庇(ひさし)やポーチの屋根部分には板金が用いられていることが多いです。
最近では簡単に取り付けられる後付け庇などが主流になりつつあるので、板金工事の専門性が薄れつつあります。
素材もガラス製など多様化が進んでいます。
屋根と屋根が取り合う部分には谷どい板金、屋根と外壁の取り合い部には雨押さえ板金が取り付けられます。
この2つの板金は金属屋根だけではなく、陶器の瓦屋根にも取り付けられます。
つまり、全ての屋根に水切り板金は使われています。
その他、棟には棟板金や天窓周りには天窓板金、外壁と土台には土台水切り板金などが取り付けられています。
残念ながら水切り板金は作業の都合上、瓦職人さんや大工さんが取り付けることが多いです。
本来は板金職人さんが行う工事です。
水切金物、破風包・笠木等の取替え工事など、細かい部分からでも工事いたします。