第 Ⅴ部 意識を開く

4 困難は成長の糧

 

では、意識体がそんな面倒なこと、回りになるようなことをなぜ筋書きに書き加えるのか、と不思議に思うかもしれません。

 

実感している人も多いと思いますが、人間 意識 は何の摩擦もなければ成長しないのです。

 

 

見マイナスの出会い障害 にあってこそ初めて、それを克服しようと努力する気になるわけです。

 

「自分」というよろいを捨てるため、人間が本来持っている創造性を発揮するために、意識体は必要に応じて、困難な環境をあえて選ぶのです。

 

意識体の筋書き、という点から見れば、今、医者として多くの患者の命を救っている人が、過去世で人の命を粗末にするような行為をさんざん重ねてきた可能性は十分あり得ることです。

 

これは、宗教的には、「カルマの清算 「過去の罪の償い などと説明されますが、もともと、善悪観念に基づいた「カルマ」など、現実には存在しません。

 

意識体が人生設計をする際、殺人行為も織り込み済みだとしたら、自らを罰することなどするでしうか?

 

 

 

人の命を粗末にすることで、心底、命の尊さを知ることもできるからです。

 

それができなかった場合、バランスとして、違う立場から学習しなおす、というだけのことです。

気付いてしまえば、もはやその学びのプロセスは終了です。

 

想念観察を続けて次々に気付いていけば、「カルマ」の影響などとは無縁です。

 

今日まで、多くの人々がこの仕組みを知りませんでした。

 

もともと自分が引き付けたトラブルや不都合を、外から降りかかった災いとして嘆き、排除しようとしてきました。

「神が与えた試練」と説明をする宗教もありますが、実際には自分で引き付けたものです。

 

 

 

ここで 21世紀人の視点を養い、今の不満な現実の原因を他者に求めず、自分が引き付けたものとして冷静に観察する目を養うならば、たちまちトラプルは解消し、あなたの意嫌は急速に成長することになります。

 

自分を守ろうとして分厚いよろいを着つづけることはできます。

 

しかし内外の圧力から、次第に亀裂が生じ、いずれは爆発、崩壞の道をたどります。

 

つまり、アクシデントの多い人生であり、痛い目にあってやっと懲リる、というコースです。

 

意識の成長は非常にゆっくりとしており、生まれ変わりを何度も経験する必要があります。

 

 

 

しかし、想念観察は、爆発する前に、エゴの山よろいを風化させてしまです。

 

効率よく進めば、何回もの生まれ変わりを、たった一回で済ますことができます。

 

 

意識の成長をぐんと早めることができるのです。

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