第 5章  流れない想念にはワケがある

5 バランスの修正はあなたにしかできない

 

突き詰めていえば、あなたが今の不満な状況から抜け出すためには、自分のアンバランス・・・つまりご都合主義的な善悪判断にいかに効率よく気付き、修正できるかにかかっています。

 

 

もともとつであったものを善と悪に分け、バランスを崩したのはあなたですから、そのアンバランスなエネルギ — を元の中立の状態に統合し、宇宙に返すのもあなたにしかできません。

 

この善悪が統合された状態とは、山でも谷でもない穏やかな状態、心の中が波立たなくなる静かな状態、身軽になり、淡々と輝いている状態、乱暴に言えばどうでも良くなる状態ともいえるでょうか。

 

相手のせいにしたり、我慢したりしているうちは、決して到達できません。

 

そもそも到達しようと思って出来るものでもありません。想念観察の継続により、その状態になることです。

 

想念観察をしていると、自分の人生が善悪判断の連続であることに気付きます。

 

気付くと、次々に新しい想念がやってきます。

 

同じ想念が繰リ返しやって来る時は、何かに気付いていない、というサインです。

 

こうやって想念をひたすら客観視し、判断を保留し続けていくことの繰り返しによって、あなたは身に付けていた数々の鎧(フィルタ —)を 一つずつ脱ぎ捨てていき、身軽になっていくのです。

 

 

さまざまな分野での「善悪分け を止めていくことにより、少しずつ囚われから解放され、自由になっていきます。本来持っているあなたのすばらしい資質が開花します。

 

 

ですから、「あなたが変わる」というよリは本来のあなたを発現する と言う方が正確かもしれません。

 

 

そこに至るプロセスとしては、次のものがあります。

 

1 痛い目にあって懲りる

 

ジェットコースタ人生で説明したように、想念を増幅しつづけていることに気付かず、アクシデントを体験してみてようやく気付くという、ごく一般的なパタンです。

 

恋人に都合のいいことばかり期待し、結婚してみて泣きを見る、というのも、交際中、 相手から感じる良い印象山の想念)ばかり増幅し、マイナスイメージ(谷の想念)を無視したツケです。

 

ストレスから病気になるパタンもそうです。

 

 

これはダメージの大きい、一番効率の悪い方法ですその代わり得るものも大きいですが。一 生痛い目に遭い続けて何も学ばない人もたくさんいます。

 

2 想念に逆らって行動する

 

エクササイズ 34 で紹介した、想念とは反対のことをやってこだわりを捨てていく方法で、1とは逆に、最も効率よくあなたを変えていくことができます。

 

たとえば、ある人に謝らなければならないが、非常に仲の悪い相手なので、なかなか行動できなかったとします。

 

 

あなたのプライドが障害なのですから、これを捨てるためには、あえて苦痛の想念に逆らい、素直に謝ってしまうのが早道です。

 

やってしまえば何でもないことです。

 

 

3 っくり味わい続ける

 

「ただ見て流す」を続けるもので、これが一番無難で確実な方法です。アクシデントに至らずにすみます。

 

このように、あなたのバランスを修正する方法として想念観察は画期的なものといえるでしう。

 

実際のところ、想念にそうそう気付けるようなら、何も苦労は要らないのであり、よろいを脱ぎ捨てる旅は普通、長い道のりとなります。散々想念に振り回され、葛藤に苦しむこともあるでしう。

 

 

想念の中には見たくないもの、到底受け入れがたいものもありますから、味わうといってもそう簡単にはいかないようです。それでも想念に気付いているなら、1のような大きな回り道をせずに済みます。

 

 

 

 

これまでのエクササイズに加え、想念の味わい方、気付きを促進する工夫についても後の章で取り上げますので、徹底的に実践して、あなたのよろいをどんどん軽くしていって下さい。

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