第4章 「しつこい想念を何とかしたい 」 人へ
4 怖がらずに どんどん楽しむ
「パートナーの浮気現場」のイメージがやってくると、あなたはいても立ってもいられなくなるか、必死でそれを振り払おうとします。しかしますます強力になって襲ってきます。
しかし、同じ想念を受信しても、何ともない人もいます。
電車の中で友達とおしゃべりに花を咲かせているところを、誰かに一言注意されたとします。あなたの友人の中には、「ちょっとマズカツタ」と反省モードに入る人もいれば、カーっときて猛烈に言い返そうとする人もいます。
この違いは、外からやってきたものに由来すると言えるでしょうか?
浮気想念や殺人想念 ・レイプ想念が現実化していい、と言っているのではありません。
想念に冷静に対処する方法を身につけて欲しい、と言っているのです。
これまでのいくつかのエクササイズのポイントは、
・想念は勝手にやってくるもの
・想念に、必ずしも同意する必要はない
ということです。
たとえどんなに不安な想念が流れてきたとしても、現実とは何の関係もないのですが、
一言注意されて勝手に興奮している人と同じくらい混乱し、うろたえてしまいます。
想念という波に対するバランス感覚が悪いので、あなたは溺れているのです。
まず、流れてきた想念はコントロールできません。浜辺に打ち寄せる波をどうにもできないのと同じです。
船出するには、まず波を良く見極めなければできません。
その時、必ず反対の想念とペアになっている、ということを思い出して下さい。
浮気が現実化したイメージ(谷) を必死に避け、そうでない安心の想念(山) ばかりにしがみついていることに気付くことが、解決の早道です。
どっちか片方を追求することを止めれば、波も自然に収まります。
あなたがやっていることは、風が吹いて水面にさざ波のたっているたらいを、一所懸命揺さぶっているようなものです。
やめなければ、たとえこの想念が沈静化したとしても、「地震」 「破産」 「通り魔に刺される」といった、あなたの不安感に基づいた 「その他の想念」が、手を変え品を変えやってきます。元はと言えば、あなたの根本にある不安感が「浮気」という色付けをされただけのことですから。
どんなにリアルな想念であっても、想念が想念として見えているうちは、「 そこから距離を置いている」 「想念から難れている」ということです。
繰り返しやってきても、エネルギーをせき止めたり、行動に移したりしない限り、現実化しません。
さっさと退散願いたいなら、逃げずに真っ向から想念を受け止め、思いきり味わうことです。
つまり、現実化する前に、想念でシミュレーションしてしまうのです。前に説明しましたように、「テレビ番組」なのですから怖がる必要ありません。
夫が女と蒸発し、置き去りにされて悶絶しようが、舅をめった刺しにしようが、しょせんは頭の中でのお芝居です。どんどん想念に味付けして遊んで下さい。
どれだけリアルに味わったかに比例して、想念のエネルギ — も失われていきます。
ただし、他人事のように見ている、という点をくれぐれもお忘れなく。