第4章 「しつこい想念を何とかしたい 」 人へ
2 せき止めたエネルギーはいずれ噴出する
結局のところ、想念が流れないのは、気に入らない想念にブレーキを掛けたリ、つつき回したり、テニスボ — ルのように打ち返したリしているからなのです。
しかし、そのことにはまったく気付いていません。
勝手にやってきては消えていく想念の流れにあなたはダムを造り、せき止めています。
その結果、水力発電所のように、想念のエネルギーがどんどん蓄積されていきます。
たとえば、日頃折り合いの悪い舅を「殺してやりたい」という想念が流れてきたとします。
相当残虐なシーンも出できます。これは勝手に流れてきたもの(ホームドラマの1シーン)ですから、抵抗しようがありません。
しかしあなたは、殺人想念を「悪」と判断し、それを押さえようともがきます。
押さえようとすると流れが止まるので、次々にエネルギーが溜まって膨らんでいきます。
次第にその「悪」想念に囚われている自分を「悪人」として許さず、責め続けます。
このままエネルギーを貯め続けた場合、あなたの今後の展開としては、
①想念エネルギーが内側に噴出する(病気になる)
②ダ厶が決壊し、外側に噴出する(衝動的な暴挙に及ぶ/逆に相手から手ひどいダメ — ジを受ける)
という具合に、 いずれにせよアクシデントを引き付けることになります。
社会問題となっている衝動的な殺人事件の背景とは、およそこのようなものです。
これを避けるためには、想念観察が一番安全な解決方法です。どんな想念であれ、リズムを付けて、どんどんさよならしていくことが肝心です。
つまり「乗ってしまう」こと。
池の水を排水しているとします。池に波を立てれば、いつまでも濁った水が流れますが、流れるに任せていると、次第に澄んできます。つまり続けていると、想念の質が変わってくるのです。