第 3章 「習慣的行為から抜けられない」人へ
3 想念には山もあれば谷もある
あなたが「仕返ししてやる」想念に同意し、さらに「この際たたみ掛けてやれ」想念にも同意したとします。あなたは言葉の限りつくして相手に罵詈雑言を浴びせます。
相手は完全に打ちのめされ、再起不能です。
そこで「しまった。 ここまでやるんじゃなかった」という反省の想念が流れます。
さらに、「なんて自分は嫌な奴なんだろう」という自己嫌悪想念も流れ、しばらくの間、この想念に同意しながら悶々と日々を過ごします。
やがてほとぼりが冷めると、また「あいつムカツク」想念に同意し、同じことを繰り返していきます。(これを繰り返すのは、夫婦・恋人同士に多いようです。)
このように、想念の流れを追っていると、山になったり谷になったりしていることが判ります。
想念は波 ( 電波) なのですから、当然です。
もう少し詳しく説明すると、「むかつく」想念があれば「気にならない」‘想念もあり、
「仕返ししてやる」想念があれば、「 そんなこと止めよう」 想念もあり、必ず山と谷の想念がペアになっています。
「想念に同意しない 」というのは、言い換えれば「反対の想念に同意する」 ということです。
☘エクササイズ3 反対の想念に気付く
今流れてくる想念にまず気付いて、書き出してみて下さい。
そしてそれと反対の想念を、瞬時に書いて下さい。
「面倒くさい」想念 → 「面倒さくない」想念
「書くのが疲れた」想念 → 「疲れていない」想念
「お腹空いた」想念 → 「空いてない」想念
「こんなことやって何になるの」想念 → 「なんか役に立つかもしれない」想念
「私って天才!」想念 → 「私って馬鹿かも」想念
「俺は何やらせてもできないんだ」想念 → 「俺は何でもできる」想念
無理矢理ひねり出す感じがあるかもしれませんが、今までワンパターンの行動をとっていたところに、実は選択肢が他にもあるんだ、ということを知る練習なのです。
あなたは他の選択肢に気付いていなかっただけです。
たとえば、ある本を読んでいる時、「テレビ見たい」想念をキャッチしたとします。その本が面白いなら、「別に見たくない」想念にスイッチして、本を読み続けます。
この場合、想念に対し、ニュートラルな態度です。
しかし、自他共に認める怠け者のあなたは、「仕事するのかったるい」想念の反対があることに気付こうともしません。
ヘビースモーカーのあなたは「煙草吸いたくない」想念があるなど、夢にも思っていません。
特定の想念にばかり同意するパターンが出来上がっているのです。
これと同様に、「私なんか嫌われ者なんだ」「しょせん馬鹿なんだ」という、どこからか流れてきた想念にいつのまにか同意・選択し、そのままをロに出したり行動に移したりするパターンが出来上がっていることに、まったく気付いていない人はたくさんいます。
その反対の想念がある(同意しない、という選択肢がある)というパターンが、あなたの中になかっただけのことです。
想念は、必ず反対のものとペアになっていることに気付いて下さい。