第 2章 「やってみたけどうまくいかない」人へ
1 想念を想念として把握できたら大きな前進
想念観察を始めて「何だかうまくいかない」と感じている人には「場数を踏んで慣れて下さい」というアドバイスしかありません。
「うまくいかない」と感じる理由としては
1 人それぞれ 「想念とはこういうもの」という固定観念があるため、そこから外れたものは想念として気付けない
2 観察が浅い
などが挙げられます。
1については、 「頭の中に浮かぶ(流れる)ありとあらゆるものが想念だ」 として、対象を広げて下さい。
たとえば
「何だかうまくいかない」
「観察できているのかどうか判らない」
「こんなやり方続けて何になるのか」
といったイライラも想念ですから、それに気付けばOKです。
「想念がまったく流れてこない」
これも想念。想念を想念として気付いていないだけのことです。
2については場数を踏むしかありません
「眠たい」「かったるい」「煙草を吸おう」「クッキー食べよう」
といった想念は、実際にはすぐ同意して行動してしまうので、なかなか想念として認識できません。気付いていない想念に気付くことができたら、大きな一歩を踏み出したことになります。
「怒りに飲まれていたことに気付くのは、いつも後になってからだ」
とやるせなくなることがあります (それも想念ですが) 。
初めのうちは、後になって振り返るケースがほとんどです。気付かなかった頃に比べたら大きな進歩ですから、責めないで下さい。
根気良く続けるうちに、気付くまでの時間が次第に縮まっていきます。
一方、観察の要領が判ったら判ったで、雑多な想念が目まぐるしく頭の中を通り過ぎていくのが気になり、「付いていくのが苦しい」「やめたい」と感じるかもしれません。
「想念を一つ残らず見逃さないようにしなきゃ」
「観察が追い付かない」
というのも想念ですから、それを見ながら焦らず気楽に続けて下さい。
根気良くやれば、次第に落ち着いてきます。
「想念が整理されてきた」という実感が、第一段階クリアの目安と考えていいでしょう。