ヘナ

 髪きり屋のヘナ

植物の力で、髪を染めるということ

「ヘナって何ですか?」

初めてヘナをされる方から、よくいただく質問です。

ヘナとは、インドや中東などに自生する植物「ヘンナ」の葉を乾燥させ、粉末にしたもの。

葉に含まれる天然の色素「ローソン」が髪に付着・結びつくことで、白髪などに色が入ります。

一般的なヘナは、オレンジ〜赤褐色系。
髪を脱色する力はないため、黒髪を明るくすることはできません。

白髪には植物の色が見え、繰り返すことで少しずつ色に深みが生まれていきます。

一度で均一な色を作るというより、髪の状態や白髪の量、重ねる回数によって、その人だけの色が育っていく。

それが、植物で染めるヘナの面白さのひとつです。

 

ヘナをすると、髪はどう変わる?

ヘナを続ける中で、

「ハリが出た気がする」
「まとまりやすくなった」
「手触りが変わった」
「ツヤが出た」

と感じる方がいます。

ヘナの植物色素が髪に付着・結びつくことで、髪の質感に変化を感じることがあります。

一方、一般的に「トリートメント」と呼ばれるものも、傷んだ髪そのものを元の状態に修復するというより、髪の表面に成分が付着することで、手触りや見た目が整ったように感じるものがあります。

ヘナも「傷んだ髪を治すもの」と考えるのではなく、植物の色素で染めながら、今ある髪の質感を楽しんでいくもの。

その中で、ハリやツヤ、まとまりを感じることがある。

そんな捉え方が近いと思います。

 

化学染毛剤とヘナ

どちらが良い、悪いということではありません。

化学染毛剤には、髪を明るくしたり、色を細かく選んだりできる良さがあります。

ヘナには、髪を明るくすることはできなくても、植物の色素で白髪を染めながら、髪の変化を楽しめる良さがあります。

大切なのは、

「どちらが優れているか」ではなく、
「自分は何を大切にして髪を染めたいのか」

ということ。

髪を染めることも、自分の暮らしやこれからの髪を考えて選んでいい。

そんな選択肢のひとつとして、ヘナを知っていただけたらと思っています。

 

ヘナを選ぶときに知っておきたいこと

「天然だから安全」ではありません

ここは、とても大切なことです。

天然の植物でも、人によっては合わないことがあります。

また、「ヘナ」と呼ばれていても、すべてが同じ中身とは限りません。

ヘナだけのもの。
複数の植物を組み合わせたもの。
化学染料などを含むもの。

商品によって違います。

だからこそ、

「天然だから大丈夫」ではなく、
「何が入っているのかを知る」こと。

そして、使用前には商品の説明に従って皮膚試験(パッチテスト)を行うこと。

それが、ヘナを安心して続けるための大切な一歩です。

厚生労働省も、ヘンナを含む頭髪用化粧品について、使用前のパッチテストを行うよう注意を示しています。

 

パッチテストは、しないとダメ?

「パッチテストはしないとダメですか?」

そう聞かれることがあります。

二度来店することを負担に感じる方もいらっしゃると思います。

もちろん、ヘナを始めるかどうかは、ご自身で決めること。

だからこそ、髪きり屋では「しなくてはいけません」と一方的に決めるのではなく、

なぜパッチテストをするのかを知っていただいた上で、選んでほしい。

と考えています。

植物にもアレルギーはあります。

ヘナが大丈夫でも、インディゴなど別の植物が必ず大丈夫とは限りません。

また、過去に染毛剤などで強い反応があった方は、自己判断で試さず、医師に相談することも大切です。

パッチテストは「怖いからするもの」ではなく、

自分の肌に合うかを確かめ、安心してヘナを始めるための時間。

そう考えていただけたら嬉しいです。

※実際の方法は、使用する商品の説明書を必ず優先してください。厚生労働省は、染毛剤のパッチテストについて、塗布直後から30分程度と48時間後の観察、テスト部位を絆創膏などで覆わないことなどを案内しています。

→ パッチテストについて詳しく知りたい方はこちら

厚生労働省|毛染めによる皮膚障害

 

ヘナとジアミンアレルギー

ヘナと、一般的な酸化染毛剤に使われるジアミン系の酸化染料は、同じものではありません。

そのため、「ジアミンアレルギーだからヘナも使えない」と一括りにはできません。

一方で、

「ジアミンアレルギーなら、ヘナなら絶対大丈夫」

という意味でもありません。

ヘナにはヘナの、インディゴにはインディゴの、それぞれの成分があります。

過去に染毛剤で強いかぶれなどを起こしたことがある方は、自己判断で試さず、医師に相談することをおすすめします。

 

ヘナ製品は、中身を確認して選ぶ

「ヘナなら、どれを選んでも同じ?」

そうではありません。

商品を選ぶときは、名前や「天然」という言葉だけでなく、

何が入っているのか。
どうやって染まるのか。
どこで、どのように作られているのか。

を見てみてください。

また、2026年には、酸化染料を含む「かつら用」として販売されたヘナ製品を頭髪に使用したことによるアナフィラキシー事例について、国民生活センターから注意喚起がありました。

大切なのは、「ヘナ」と書いてあるかだけではなく、用途と成分を確認し、頭髪用として販売されている製品を正しく使用することです。

分からないことを質問したとき、きちんと説明してくれる商品やお店を選ぶことも大切です。

 

髪きり屋がエコヴェーダを選んでいる理由

髪きり屋では、eco・veda(エコヴェーダ)を扱っています。

エコヴェーダは、インドCNP社とラクシュミーの理念から生まれたハーバルヘアカラーとして案内されています。

公式情報では、CNP社の自社農園・契約農場で育てたオーガニック原料や、フェアトレード認証などについても紹介されています。

例えば「オレンジ」はヘンナを基本とし、ブラウン系には複数の植物が使われています。

植物そのものが持つ色を利用し、白髪に色を重ねていく。

髪を明るくすることではなく、

今ある髪を大切にしながら、色を重ねていく。

その考え方に共感し、髪きり屋ではエコヴェーダを選んでいます。

→ エコヴェーダについて詳しく知りたい方はこちら

 

エコヴェーダの公式サイトでは、商品の原料や使用方法、パッチテストについても確認できます。

 

ヘナを自宅でする方へ

自宅でヘナをするときに大切なのは、特別な道具よりも、

髪を分ける。
必要なところに、しっかりペーストを置く。
薄く伸ばしすぎない。
最後に塗り残しを確認する。

この4つです。

ブロッキング

髪を4〜6ブロック程度に分け、白髪が気になる分け目・顔まわり・こめかみ・生え際などから塗っていきます。

髪が多い方は、さらに細かく。

「自分が一度に見て、確実に塗れる幅」に分けることがポイントです。

ペーストは「塗る」より「置く」

ヘナは薄く伸ばすより、髪一本一本にペーストが触れるように、しっかり置いて包み込むイメージ。

特に白髪が多いところは、ペーストを薄くしすぎないことが仕上がりにつながります。

顔まわり・白髪をしっかり染めたいところ

塗布した部分をキッチンペーパーなどで軽く押さえ、その上からタオルを巻くと、ペーストが髪に密着しやすく、うまくいく方が多いです。

※商品によって使用方法が異なるため、まずは商品の説明を優先してください。

最後に塗り残しチェック

顔まわり、分け目、耳まわり、襟足、後頭部の内側などを確認します。

セルフヘナは、塗る時間だけでなく、最後の確認に少し時間を取ることも大切です。

 

乾いた髪?濡れた髪?

「必ず乾いた髪」「必ず濡れた髪」と決めつける必要はありません。

まずは使用する商品の説明書を優先してください。

乾いた髪はペーストが薄まりにくく、しっかり付着させやすい。

一方、適度に湿らせた髪はペーストを伸ばしやすく、毛量の多い髪や長い髪では扱いやすいことがあります。

ただし、水が滴るほど濡れているとペーストが薄まりやすくなります。

髪の状態や自分の塗りやすさに合わせて、無理なく続けられる方法を見つけていくのがおすすめです。

 

ヘナは、染めるたびに少しずつ変わっていく

ヘナは、一度で完成するものとは限りません。

白髪に入った植物の色に、さらに色を重ねる。

その繰り返しによって、少しずつ色に深みが生まれていきます。

最初は明るく感じた色が、回数を重ねることで落ち着いて見えてくる。

髪一本一本に違う色味が重なり、光によって表情が変わる。

それは、植物染めならではの美しさです。

また、ヘナや植物染めでは、染めた直後と時間が経った後で色の見え方が変化することがあります。

特にインディゴを含む場合は、染め上がりだけで判断せず、翌日、その数日後の色も見てみてください。

 

ヘナを続けるということ

ヘナは、すぐに劇的な変化を作るものではありません。

一回目。
二回目。
三回目。

少しずつ重ねていく。

そのたびに、髪の手触りや色、まとまり方を感じながら、自分の髪の変化を知っていく。

「染めるたびに、少しずつ自分の色になっていく。」

そんな感覚も、ヘナの魅力のひとつです。

今ある髪をできるだけ大切にしながら、これからの髪と長く付き合っていく。

そのための選択肢として、ヘナがあります。

 

髪きり屋が考える「ヘナ」

ヘナは、ただ白髪を隠すためのものではないと思っています。

植物の色素で染める。

時間を置く。

洗い流す。

そして、少しずつ色が育っていく。

その過程も含めて、自分の髪と付き合っていく。

「白髪があるから染めなきゃ」ではなく、

白髪も含めて、今の自分の髪をどう楽しんでいくか。

そんな選択肢のひとつとして、ヘナを知っていただけたら嬉しいです。

できること。
できないこと。
向いていること。
注意すること。

それらを知った上で、ご自身で選ぶ。

そのお手伝いが、髪きり屋にできればと思っています。

ヘナは、ただ染めるだけではありません。

知れば知るほど、

「自分の髪って、こんなに面白いんだ」

と思えるものだと思っています。

 

 

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