お知らせ 学長の本棚
2025/10/12
暗やみの中で一人枕をぬらす夜は
若くして乳癌を患い、同意の上で闘病中にドイツの青年と結婚。
命を終えるおよそ5ヶ月間に綴った詩のことば。
"みなさん
もしもあなた達が
今失っていくものの価値を
知ったならば
とり返しのつかないことの
あることを知ったならば
そんなにのんきに笑ってはいないだろうに"
"あやまちは誰でもする
つよい人も弱い人も
えらい人も愚かな人も
あやまちは人間をきめない
あやまちのあとが人間をきめる
あやまちの重さを自分の肩に背負うか
あやまちから逃れて次のあやまちをおかすか"
"私には愛について語ることなどはできない
それでも時々
私をみつめるひとみの中に
これこそ愛というものをみることがある
あなたの力強い手の力に
これこそ愛なのだと心さわぐことがある"
「かなしみ」は悲しみと書くが、愛しみとも書く。愛があるところにしか愛しみは生まれない。見ることも触ることもできないが、たしかに在るもの。悲しみは悲嘆だけが残るのではない。そこに愛が在ることを実感する。
愛するものとの別れ。死にゆく側になろうと、見送る側になろうと必ず訪れる別れ。
「生きていること」は日常では決してない。