1982年7~12月 上演の軌跡
1982(昭和57年)7~12月 1~6月はコチラ
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7/1~11 ♦演劇集団ACT 『朝 きみは汽車にのる』
7/17~21 ♦ホンダスタジオ 『夜明けに消えた』
7/23~25 ♦演戯団顕身舎 『漂泊のホームベース』
7/26~31 ♦東京乾電池 『Drunker』
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概説 (以下敬称略)
7月1日~11日、演劇集団ACT『朝 きみは汽車にのる』(作:小松幹生 演出:吉田悟)。小松幹生作品連続公演№5 新作オリジナル。
7月17日~21日、ホンダスタジオ『夜明けに消えた』(作:矢代静一 演出:長崎紀昭)
7月23日~25日、演戯団顕身舎『漂泊のホームベース』(作・演出:桑原二郎)
7月26日~31日、劇団東京乾電池『Drunker』。<笑ってる場合ですよ!>(フジテレビ系)ですでに人気を博していた東京乾電池のザ・スズナリ初登場。作・演出・出演の綾田俊樹、出演者には、柳原ハルヲ(のちのベンガル)、高田純次、角替和枝、田岡美也子(のちに松金よね子、岡本麗と演劇ユニット"グループる・ばる"を結成)、岩松了など、スズナリと長くかかわる人々が名をつらね、2017年6月現在、東京乾電池は35年以上に渡りスズナリで公演を打ちつづけている。柄本明はこの11月、本多劇場こけら落とし公演「秘密の花園」(作:唐十郎 演出:小林勝也)に出演した。
8月、ザ・スズナリ初のプロデュースによる"旗揚げ劇団連続競演"。文字通り、この公演が旗揚げとなる4つの劇団、陽炎座、蜉蝣屋、"Bee"企画、舞夢ミニ・シアターが参加。
8月5日~10日、"旗揚げ劇団連続競演"第1弾、陽炎座『象』。(作:別役 実 演出:伊藤 博)
8月13日~15日、東京ヴォードヴィルショー若手場外乱闘興行 PART1『月がとっても青いから・・・』。 東京ヴォードヴィルショーに在籍し、ラジオやテレビの構成作家でもあった村松利史が作・演出・出演を兼ねた。前年に『欽ドン!良い子悪い子普通の子』でブレイクしていた山口良一をはじめ、高橋等(たかはし等)、のちにWAHAHA本舗に加わる渡辺信子らが出演。山口と高橋は、この7年後(平成元年)、東京ヴォードヴィルショー内の座組<花組エキスプレス>を立上げ、「あほんだらすけ」シリーズで約30年間、ザ・スズナリの舞台に立ち続けることになる。 村松はこの2年後、同じく東京ヴォードヴィルショーの仲間であった喰始、佐藤正宏、柴田理恵、久本雅美、渡辺信子らとWAHAHA本舗を結成する。
8月19日~22日、"旗揚げ劇団連続競演"第2弾、蜉蝣屋『鉄の扉』-影喰らいたちの百鬼夜行-。(作・演出:木内 暢)
8月24日~28日、"旗揚げ劇団連続競演"第3弾、"Bee"企画『ビリー・ザ・キッド』-狼篇'82-(作:松本ひろし 演出:中島恒夫)
8月30日~9月2日、"旗揚げ劇団連続競演"第4弾、舞夢ミニ・シアター『花嫁』。(原案:佐藤恵子、森田元子 脚色・構成・演出:濱部允映)
9月4日~5日、劇団眼(アイ) 残暑お見舞い公演『アメリカン・イエロー』(作:堀場栄 演出:山下二郎)
9月7日~9日、ホンダスタジオ『星への切符』(作:斉藤憐 演出:岡村春彦)
9月11日~12日、善人会議 -Baby Face Theater-『優しいと言えば、僕らはいつもわかりあえた。』(作・演出:横内謙介) 厚木高校演劇部で作・演出をしていた横内謙介は1979年、同級の岡本宣也(のちの岡森諦)、一年後輩の山地克明(のちの六角精児)らと全国大会に出場し優秀賞と創作脚本賞を受賞していた。その後"模様劇場"の名で旗揚げしたが、ふたたび劇団を改名。今公演は、"善人会議 -Baby Face Theater-"の名での旗揚げ公演であった。善人会議はこの後、年1~2回、ザ・スズナリを拠点に活動することになる。
9月15日~10月3日、第二次 演劇団『碧い彗星の一夜』『ザ・レビュウ 月夜とオルガン』の2本立て。(作:北村想 演出:流山児祥) 状況劇場、早稲田小劇場研究生を経て1970年に"演劇団"を結成していた流山児祥。1981年8月、"第二次 演劇団"の旗揚げ公演「碧い彗星の一夜 -ザ・ナイト・オブ・ハレーズ・カメット-」の再演である。「月並みの決意」と題した文章の中で今公演に向けた決意を語っている。 「(前略)昨年秋、絶賛の嵐をあびた私らの財産の一つとなった『碧い彗星の一夜』の再演と新作『ザ・レビュウ月夜とオルガン』の連続上演です。初秋のエンターティメントと呼ぶべきこの二作品はいま無残に腐敗して「在」るド・新劇(アングラ)業界から遠く離れた私=私らの<アングラ10年>のソーカツの彼方に私らが手に入れた『現認報告書』であります。(後略)」
10月8日~19日、テアトロ<海>『金魚の口にコルクの栓』。(作:里吉しげみ 演出:福田恒雄)
10月20日~26日、レ・モリエーリスト『寝取られ妄想』『間抜け才女』『心ならずも医者に化け』の三本立て。(作:モリエール 潤色・演出:日高仁) オールナイトニッポンのDJや怪談でお馴染みの稲川淳二が出演した。
10月30日~11月23日、秘法零番館 連続番外公演『戸惑いの午后の惨事』『少年巨人』。(作・演出:竹内銃一郎)
11月26日~12月1日、劇団青い鳥『シンデレラ』(作・演出:市堂令) 女性ばかり6人で結成された劇団は当時としては珍しかった。この時の出演は上村柚梨子、葛西佐紀、木野花、芹川藍、南部夜貴子(のちの天衣織女)。市堂令とは、作、演出、出演など創作に参加した劇団員たちの総称である。各自がアイデアを持ち寄り、話しあいと即興を重ねて舞台をつくりあげる独特のスタイルをとっていた。「シンデレラ」は第30回岸田戯曲賞の候補作となる。
12月3日~7日、地人会『化粧 二幕』(作:井上ひさし 演出:木村光一 主演:渡辺美佐子) 「化粧」の初演はこの年7月だが一幕ものであった。作者の井上ひさしがその後書き加え、「化粧 二幕」としてはこのザ・スズナリ公演が初演。「化粧 二幕」は評判を呼び、国内各地をはじめフランスやアメリカ、東南アジアなどをまわり以後28年間、600回以上の公演を重ねる。 ”取り壊し直前の寂れた芝居小屋の楽屋”、という設定がザ・スズナリの雰囲気によくあった。メイクを短時間で落とすために、ザ・スズナリの楽屋に一時的に瞬間湯沸かし器が取り付けられたという逸話が残る。
12月10日~14日、演劇集団ACT『スラブ・ディフェンス』(作・演出:小松幹生)
12月20日~26日、ブリキの自発団『電気果実物語』(作・演出:生田萬)。劇団の主要な俳優となってゆく片桐はいり、沖田乱がこの公演から出演した。
1~6月はコチラ
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'82年旗揚げ劇団連続競演
'82年旗揚げ劇団連続競演 第1弾 8/5~10 ♦陽炎座 『象』
8/13~15 ♦東京ヴォードヴィルショー 若手場外乱闘興行 PART1 『月がとっても青いから・・・』
'82年旗揚げ劇団連続競演 第2弾 8/19~22 ♦蜉蝣屋 『鉄の扉』 - 影喰らいたちの百鬼夜行 -
'82年旗揚げ劇団連続競演 第3弾 8/24~28 ♦"Bee"企画 『ビリー・ザ・キッド』 - 狼篇'82 -
'82年旗揚げ劇団連続競演 第4弾 8/30~9/2 ♦舞夢ミニ・シアター 『花嫁』
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9/4~5 ♦劇団眼(アイ) 残暑お見舞公演 『アメリカン・イエロー』
9/7~9 ♦ホンダスタジオ 『星への切符』
9/11~12 ♦善人会議 『優しいと言えば、僕らはいつもわかりあえた。』
9/15~10/3 ♦第二次 演劇団 『碧い彗星の一夜』 『ザ・レビュウ 月夜とオルガン』
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10/8~19 ♦テアトロ<海> 『金魚の口にコルクの栓』
10/20~26 ♦レ・モリエーリスト 『寝取られ妄想』 『間抜け才女』 『心ならずも医者に化け』
10/30~11/23 ♦秘法零番館 連続番外公演 『戸惑いの午后の惨事』 『少年巨人』
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11/26~12/1 ♦青い鳥 『シンデレラ』
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12/3~7 ♦地人会 『化粧 二幕』
12/10~14 ♦演劇集団ACT 『スラブ・ディフェンス』
12/20~26 ♦ブリキの自発団 『電気果実物語』
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