施術例(右片麻痺)
Positive approach !!
PNF、5つの基本的な考え方の中の1つ。
考え方としては、クライアントを今より上の目標に導く重要な思考と捉えています。
脳卒中右片麻痺のお客様。
歩行のバランス改善に、麻痺側股関節が伸びた形でのバランス運動が必要となります。また、右肩の運動範囲にも制限があり、右手足を使う意識が苦手です。
まずは、PNFなので「可能な活動から開始します。」
手首に痛みもあるため、肘をついた四つ這いを選び、セラピストが触れることで感覚による筋肉の収縮を引き出しながら、お客様の力で肩関節と体幹をコントロールしていただきます。
自力での肩関節の挙上運動が可能となります。
次いで、高さは低いものの股関節が伸びた姿勢を選び、コントロールの良い左の肩甲骨の部分への抵抗運動で、右股関節の伸ばそうとする力を強めます。
この時、お客様は無意識の中で、股関節が伸びた姿勢でバランスをとることになります。
さらに、運動範囲を手に入れた右の肩の運動を利用して、苦手な側の運動に直接セラピストの手で触覚や抵抗などの感覚を入れながら、麻痺側の運動に力を出してゆきます。
より範囲の広い動きの中で、麻痺側を使ったバランス運動へと展開してゆきます。
麻痺側で体重を支えること、麻痺側を知らず知らずのうちに使ってゆくこと、可能な形でバランスを取ることなどから、立っている姿勢、歩行に改善的変化が現れます。
このように、PNFは、クライアントの可能な活動から始め、また、クライアントの持つ得意な部分の運動からの影響を利用し、不可能と認識していた動き、機能を引き出し、動作に良い影響をもたらすものとなります。
単に運動量という70分との違いはそこにあります!