膝蓋骨脱臼(しつがいこつ だっきゅう)とは?
膝蓋骨脱臼とは、膝蓋骨(膝のお皿)が膝の正面の本来の位置からずれることで、膝の構造・形態的特徴からほとんどは外側にはずれます。膝蓋骨は膝の横断面(輪切りの図)では、大腿骨正面の溝にはまるような位置にあります。膝蓋骨がこの溝を乗り越えてはずれることを脱臼と言い、乗り越えはしないがずれることを亜脱臼と言います。
膝蓋骨は大腿(太もも)側では大腿四頭筋(だいたいしとうきん)という強い筋肉につながり、脛骨(すね)側では膝蓋腱(しつがいけん)という線維につながり脛骨に連結します。膝蓋骨は曲がった膝を伸ばす時に、滑車のような役割をして大腿四頭筋の筋力を脛骨側に伝えるのを助けています。
膝蓋骨脱臼は若い女性に多く発症し、スポーツ活動中などに起こります。膝蓋骨脱臼は、ジャンプの着地などで筋肉が強く収縮した時や膝が伸びた状態で急に脛骨をねじるような力が加わった時、膝蓋骨を打撲した場合などに起こりますが、元々膝蓋骨が脱臼しやすい身体的条件(膝蓋骨に向かい合う大腿骨の溝が浅い、膝蓋骨の形成不全、膝蓋腱の付着部が外側に偏位しているなど)を持っている人に起こりやすいと言われています。
膝蓋骨反復性脱臼(しつがいこつ はんぷくせい だっきゅう)とは?
膝蓋骨脱臼が起こった後に、小さなきっかけや外力で脱臼をくり返すことを膝蓋骨反復性脱臼と言います。