運動療法(リハビリ) : 筋力強化を主体とした運動療法には、関節障害の諸症状を改善させる効果があることが科学的根拠をもって証明されています。病院に通院して治療を受ける患者さんは、医師の処方のもとで、各自の状態にふさわしい内容の運動療法の指導をリハビリテーション部で受けることができます。運動療法が確実に行えるようになれば、以後自宅で継続して行うことで関節症状の緩和が期待できます。
運動療法の効果は主に次のようなものがあります。
・膝関節周囲の筋肉を強化することで関節の安定性が向上して歩行に良い影響がある
・関節液のヒアルロン酸の分子量が増加して疼痛が改善する
・膝関節周囲で筋肉が収縮することで、歩行・体重負荷に伴って関節に加わる衝撃が吸収される
・股関節周囲筋を強化すると、立った時の骨盤の傾斜が少なくなり、膝関節の内側に加わる負荷が軽減する
減量 : 肥満は症状発生や症状悪化の大きな因子なので、食事療法や減量のための運動療法なども有効です。
薬物による治療 : 炎症によって強い痛みがある場合は、炎症を抑える目的で湿布や塗り薬、飲み薬(消炎鎮痛剤)を使います。ただし、これらの治療で原因の根本的な解決は困難です。また、ヒアルロン酸の関節内注入(関節注射)は、炎症を鎮静化し関節の潤滑性を高めることで、痛みの改善に効果が期待できます。