「糖衣(とうい)」 2016
ろうけつ染め 絹・酸性染料
抹茶の緑を主役とし、背中にはあんみつを上から覗き込んだようにアイスクリームと白玉が並んでいます。これは出身地熊本県の細川家の家紋である“九曜紋”を模した模様にしました。着物地にはちりめん模様が入り、さらっとしたさらし餡の舌ざわりを意識しています。袖の鹿の子模様はつぶ餡をイメージして染めました。
羽織という形にしたのは、私の中で和菓子は「包む」印象があったからです。中の餡を包み込むように、着る人を優しくくるむ羽織を作りたいと思いました。また羽裏には、人肌で溶けたアイスクリームと抹茶が混ざり合った様子を迷彩柄で表現しています。