♪ 近況&インフォメーション ♪ 

2011 / 06 / 24  

ケニアのこと。某コーヒーメーカーのH氏のこと。

当店のケニアはABのカロゴトです。
ローストはミディアムローストとフレンチローストの2種類。
豆の大きさはABですが香味は絶妙で、ケニアコーヒーの「スペシャルルティコーヒーとは何ぞや?」という問いに対するひとつの模範解答ではないかと考えているコーヒーです。

 

 

 

 

 

お店に同業の(コーヒー業界)人が来店することがあります。


ちゃんとしたところの人ほど、きちんと名乗ってこられます。

自分達もお店を訪ねる機会には店主さんやオーナーさんがお忙しそうでなければ極力挨拶するようにしています。


ただ、哀しいことに、自分達と同じ個人店で焙煎をやっているかたや大きな会社となっているところの営業レベルの人のなかには、何度きても知らんふりという人たちもいます。(なんでわかるのか?とお思いになる方もいるかもしれませんが、けっこうわかるものです。人を見る、人に会う、人を見極める仕事をずっとやっていたこともありますので)

 

そのひとのレベルといったらそれまでですが、コーヒー屋さんの常識が世間一般の常識とかけ離れている人たちが多いのは事実です。

 

 

そんななか、近県のコーヒーメーカーのHさんは、昨年くらいから時々お店に遊びに来てもらっています。
「Cー」という社名を一般の消費者の皆さんはご存じないと思いますが、最大級の大手総合商社の関連会社でコーヒーメーカーです。
主に飲料メーカーさんに納品があるため、一般にその名を知る機会は限られます。

 

品質管理に携わっているHさんがお店に来るようになる前にも、「C-」のものですが…というお客様が何名かいらっしゃっていたのですが、自分も不勉強のため的を得ない反応をしてしまっていました。

 

そのHさん。

先日買ったケニアカロゴトのミディアムローストを「完璧」とお店で賞してくれました。

社内のカッピングジャッジやQグレーダーの資格を有する同僚のかたにも試飲してもらって、
ケニアコーヒーのイメージを100%現している、とコメントしていたと教えていただきました。

こちらが恥ずかしくなるような褒め言葉で、御世辞とは思ってもそれがケニアなだけに、嬉しいものでした。

「200g2000円でもいい」「安い」
という言葉で、この価値観を共有できる人たちが近くにいたということは、心底心強かったです。

 

 

Hさんとは、カッピングの話、ローストの話、豆の話にいつもなります。

当店のコーヒーの特徴を、
「トップがやや弱く、ミドルから急速に香りと味の伸びを感じるコーヒー」
と評しています。
この鋭い指摘には自分達のコーヒーに対する考え方の結果があらわれたものです。

自分達が首をひねるのは、
超高温のときに、香りが強く酸味もよく感じられるが、2・3分後には酸味は強すぎ、雑味が現れ、なんだかいろんな味が出てくるコーヒーです。そして、3日や一週間で風味が変わってしまうコーヒー豆。
そしてそういうコーヒーは多いです。

高温ゆえに強い酸味が程よく感じられ、様々な雑味が隠されているが、
中温以降になると、雑味は現れるは酸味はとがってくるはで、だらしない、しまりのない、垂れ流しの味になります。

 

多くの消費者は、エスプレッソを除けば、一気飲みをすることなく、ゆっくり、じっくりと冷たくなるまで、味わうことになります。

したがって、冷めていって美味しくなければ、仕方ないと、自分達は考えます。

どちらを選ぶことも、消費者の自由です。

 

自分達はゴージャスに飾り立てるより、幽玄を感じるコーヒーのほうが好きだということです。

 

そのHさんが珍しく、ケニアはトップから際立っていたと感想を言っていただいて、改めて、
「カロゴト恐るべし」
と見直すことになりました。
そのカロゴトはたぶんあと2ヶ月持たない在庫です。

今年のニュークロップは手に入りませんでした。

そして、残念なことにいよいよその後は高騰ケニアになってしまいます。
味は大丈夫ですが、価格はかなり上がります。

いまの業界の専門家も認めるケニア・カロゴトは7月いっぱいか8月中くらいです。
ぜひ、お買い得な今のうちにお買い求めいただければと思います。

いつもケニアのフレンチをお買い求めの皆様も、この機会にミディアムローストのケニアを試していただくのはいかがでしょうか?