【5】 いてもたってもいられない氣持ちになってしまった、きもの攸まるささん の魅力とは。

もうね、商売っ氣がなさすぎるのです。

 

 

着付け教室10回無料って、正直最初は逆に怖かったですよ。

 

10回過ぎたら、一日500円でどんどんスキルアップ。

 

お金払わせてもらった方が氣が楽だけど、

これでお茶とお菓子が出てきたら、えーっと。。

 

 

 

勿論商売されてますけど、伝わってくるのは「知って欲しい」という想いと

伝えなきゃの使命感。

 

 

柔らかい口調で、

 

 

「寝かすと子供っぽくなるから、こうやって立てるの」

 

「こんなところにまで氣を遣う。昔の人の知恵って凄いのね。」

 

「ね? ほんと、どうやってこんなことを思いついたのかしら」

 

「こういう所にも無駄にしない工夫があるの、ほら」

 

「こういうのを着て、薬としても使ってたのよ」

 

「赤い下着っていうでしょ?あれは本当は・・」

 

「別々に作っているのに、ちゃんと合うのよ」

 

「昔の絹と今の絹は違うのよ」

 

「あの世界では、羽織の裏がステータスなんですって。」

 

「昔の色町ではね・・・」

 

「後を継いでる方がいらっしゃらないみたいだから、この技術も・・」

 

 

きものの綺麗な着方、仕草、おばあちゃんの知恵に、職人技や裏話。

つ、尽きない。

 

 

 

売りつける訳で無く、押しつける訳で無く

目の前にあるものから関連するお話を穏やかに語って下さる。

 

 

聞いていれば居るほど、着物を知れてどんどん好きになる。

 

 

 

上品だけど堅苦しさはなく、むしろ時々くだけちゃう。

 

 

世間話と文化の話が入り乱れる空間で、うっかり寛ぎすぎて

長居してしまう人が続出。

 

 

 

そりゃ少人数で遊んでると楽しいし貴重な空間だけど、

語られる内容が外に伝わらないのが、あまりにももったいない。

 

 

 

ただ、まるささんがお店を閉められた後は

在庫となっている反物や帯のかなりのものを

業者間で譲られることになります。

 

 

 

いや、別にそれが悪いのではなく、むしろ普通のことなのです。

 

 

 

けど、これだけ着物を着て欲しくて語ってこられたのですし、

職人さんとの約束も果たしておられる訳ですし、

このお話と一緒に反物が着たい人の所へ渡るのが、

みんなが幸せだと私は思うのです。

 

 

 

反物を見ただけでは分からない本当の価値を

具体的に分かる形で教えてもらうと手にした時の感動が違う。

 

 

見るべきところが分かる、思いをはせるところが出来る

 

日本人としての誇りが持てるし、力が湧いてくる。

 

 

 

お店をされている時と同じ頻度では無理でも、

まるささんが、これからも同じ形で作品達を紹介してくれたら

私が嬉しいのです。



 

 



『【1】 老舗・きもの攸まるささんの何がすごいのか。』に戻る

『【番外】 出会いのタイミング』に行く





 

【着物のまるささんです】

 


着物のまるささん ご主人