管理人よりご挨拶

自己紹介させていただきます

館林第九合唱団広報の木村亮治と申します。

弊団は、群馬県館林市にある市民合唱団です。1986年に設立され、これまで33回、年末の第九演奏会を開催してきました。

 

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▲第1回演奏会ポスター(1986年12月)

 

私は館林生まれ、館林育ちで、高校生の時、初めて館林第九合唱団で第九演奏会に参加させていただきました。「第九」を歌い上げる感動と、その夢のような興奮に心を奪われ、高校卒業後に地元を離れた後も、大学の混声合唱団や公募で入団した様々な合唱団で第九を歌い続けてきました。そして現在、私の第九人生のスタートとなった館林第九合唱団に籍を置かせて頂くことになりました。気がつけば30年以上、「第九」と向き合い続けています。

私は、様々な市民合唱団で「第九」に取り組んできた事で「市民合唱団による第九」が、地元地域を元気にする姿を自分の目で何度も何度も見続けてきました。弊団の事務局広報となった事で、故郷である館林のひとりでも多くの皆様に、地域の結束に必ず寄与する「市民合唱団」の重要性や、日本独自の文化となった「年末の第九」の素晴らしさを伝えていくことを自分自身のライフワークとしています。

館林市の人口は、約20年前の2005年にピーク(79454人)となって以降減り続け2030年には7万人を下回っていくと予測されています。少子高齢化も原因のひとつですが、市政や市民意識そのものが、地域振興に対しての具体的な取り組みの方法を悩み続けている現状が表面化している事も大きいと考えられるのです。弊団は、地元館林を元気にする明確な取り組みのシンボルとなっていくことを団員一丸となって夢見ているのです。


クラウドファンディングを準備しています。

館林第九合唱団は設立40周年を目前にして、大きな危機に瀕しております。

館林第九合唱団は1986年(昭和61年)12月13日に開催された第1回群響館林第九演奏会から33年間、年末の第九演奏会を続けてきました。私の初参加は第2回演奏会でした。しかし、新型コロナウィルスの世界的な蔓延により2020年末に開催予定だった第34回群響館林第九演奏会は開催を断念しました。

前年の2019年の第33回演奏会では、難しいドイツ語の歌詞を一生懸命覚えて参加してくれた地元の小学生や中学生達も加え「奇跡の混声合唱」と称されるほど感動的な歌声が大ホールに響き渡り、館林第九合唱団の歴史に残る素晴らしい演奏会を成功させ話題となっていただけに、無念さを噛みしめての断念となったのです。

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▲中学生の練習は弊団の指導者が出向いて体育館で行いました

 

明けて2021年以降、感染の恐れのためでしょうか、団員数は激減してしまいました。それでも残った団員は力を合わせて、3月と6月、そして2022年も同じ時期に、オーケストラ無しのピアノ伴奏による合唱コンサートを開催しました。この時すでにステージに上がる合唱団員は50人にも満たない人数にまで減ってしまっていたのです。

 

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▲2022年ミニコンサートの記事

(上毛新聞社許諾取得済)

 

館林がやる!希望の光になる!

社会全体がコロナ禍から脱し、その「復興」が求められる中、今年こそ、私たちは年末の第九を4年ぶりに復活させたいと考えています。弊団の野中嘉之会長が中心となって団員達が一丸となり、様々な困難を乗り越えてでも今年は開催する方向で準備を進めてきました。

弊団のある群馬県館林市とその周辺地域を「両毛地域」と呼びます。文化、経済等結びつきが強く、相互の関わり合いによって地域が団結しているのです。この両毛地域には館林以外にも「第九」を歌う市民合唱団はあるのですが、我々と同じような理由で、ほとんどの合唱団が今年の演奏会開催を断念しています。両毛地域の市民合唱団が力を合わせて守ってきた「両毛地域の第九の灯火」を何としても消すわけにはいきません。

「館林がやる」というメッセージは地域の関係者の皆さんにとって大きな希望の光となりました。既に館林を中心に両毛地域合唱団の共演協力の輪は広がりつつありますが、まだまだ歌い手は足らない状況です。チケットの売れ行きを大きく左右する合唱団員も思っていた以上になかなか集まらず、現状のままコンサートを行えば、合唱団の存続を左右する規模の財政難に陥ることは避けられない状況です。

団員達の心に「中止」という現実が見え隠れする中で「やる!」ための取り組みを徹底的に探求した中で、今回のクラウドファンディングという新たな道筋にたどり着いたのです。ここまでの準備を考えれば、この取り組みがラストチャンスだと考えます。地域振興の押し付けのような自分達勝手な論理で旗揚げしているのかもしれません。しかし2026年の結団40周年に辿り着いた時に、ここを乗り切った経験が両毛地域の文化振興や地域活性化に多大に貢献する事は、我々の取り組みに興味を持っていただいたマスコミの取材が増え始めたいま、揺るぎない確信となって、我々のモチベーションを支えはじめているのです。どうか、皆様のご支援を宜しくお願いいたします。

 

奇跡のオーケストラの誕生。

今回のコンサートは、ウクライナで演奏活動を続けるルガンスク交響楽団の名誉指揮者、クルト・シュミット氏が引き受けてくれました。

 

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(ルガンスク交響楽団及びクルト・シュミット氏掲載許諾取得済)

 

クルト・シュミット氏の招聘については、シュミット氏の音楽家としてのお人柄や芸術性に心を奪われた弊団の野中嘉之会長が、東京で開催されていたシュミット氏指揮のコンサートへ自ら足を運んで交渉し、館林第九合唱団の今後を占う4年ぶりの大切なコンサートの指揮を委ねたのです。オーケストラは例年であれば、クラシックの世界では評価の高い群馬を代表する交響楽団にお願いして参りましたが、予算や諸条件の兼ね合いで大変難しい条件がクリアできずに招致を断念し、代わって、今回の主旨にご賛同頂いたプロの演奏家の方々(クルト・シュミット先生のお仲間やお弟子さん達)によるオーケストラが特別編成されることになりました。最悪、ピアノ伴奏でもやむなしと考えていた我々にとってはまさに奇跡のオーケストラです。

 

「すべての人間は兄弟になる」、第九の合唱で歌われる有名なフレーズです。

シュミット氏とその仲間達が活動している地域では空襲警報が鳴り響く中でも、演奏活動は続けられているそうです。今回の演奏会には、地元地域の未来を担う子供達100人を無料招待することにしています。

シュミット氏のタクトが奏でる平和への祈りを、館林第九合唱団とその有志である仲間達は、未来の希望である子供達と4年間待ってくださった地域の人々の前で高らかに歌い上げることを目標としています。それが、長年に渡り合唱団の運営に尽力してきた野中嘉之会長が強い志を持って掲げ、私たち館林第九合唱団が拳を握りしめて願う「世界平和」への強い意思表示となるはずだからです。

コンサート開催日はちょうど81年前に日本の真珠湾攻撃によって太平洋戦争が開戦した日に近く「世界平和」を願い、ロシアの侵攻で苦しむウクライナの人々へ応援歌を掲げたいのです。弊団には戦争を経験している団員達もいます。皆さん特別な思いを胸に、これまで以上に第九の存在に向かい合っています。コロナ禍からの「復興」と「世界平和」、コンサートの成立が不安視される状況と理解しながらも、何としても希望の第九を地域に響かせるべく、団員達は毎週厳しい練習を続けているのです。

 

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クラウドファンディング

当初、クラウドファンディングの実施については団員の皆様から様々な意見が寄せられました。クラウドファンディングそのものを知らない団員がほとんどで、他人様から大切なお金を寄付して頂いてまで今回の財政危機を乗り越えるという事に、どこか申し訳ない部分と、自分達の身勝手さを感じる部分があったのです。しかし、自分たちが40年近く取り組んできた事の意義と、今回のクラウドファンディングの狙いについてひとりひとりの団員と向き合い、共に合意を得ながら、現在は全団員の総意として皆様にご協力をお願いしています。それは、今回の「お願い」を通じて、これまで自分達自身が具体的な行動を通じて地域へメッセージを投げかけるような機会を持たなかったことで、単なる「趣味の集まり」ではなく「地域の応援団」であるという自負をほとんど広められてなかった現実に直面した事を思い知ったことが大きいと言えます。毎年、演奏会を行う事に対して、それを当たり前と考えてきた「甘え」です。しかし、少なからず、我々の取り組みが、関わってきた多くの人々の人生に影響したことは間違いない事です。その影響の集大成が、地域文化の活性化や、地元意識の高揚には必ず寄与したものであると再認識した時、前進することの大切さをすべての団員が実感したことで「甘え」からの別離を受け入れたのです。クラウドファンディングによって、ひとりでも多くの皆様に「地元市民合唱団が歌う第九は地域の応援歌!その取り組みを続ける地元市民合唱団は地域の応援団!」という認識に触れて頂くことが、今回の資金調達という手段を選択した真の目的に他なりません。

 

そして、これからの私たちの挑戦

「西の高崎」「東の館林」「市民第九の群馬」

今回のプロジェクトが成功したら、私たちは来年2024年の演奏会に向けて動き始めます。そして38周年、39周年、目標の40周年となる演奏会まで、実力も合唱団の規模もアップグレードし、最高の合唱を、素晴らしい指揮とオーケストラのもとで奏でたいと考えています。館林文化会館カルピスポール1000席を満員にして館林の街全体が感動で震えるような第九を響かせることが必達目標です。そうなれば、年末の館林は、毎年なんとも言えない興奮と期待感に包まれるはずです。人々の期待は高まり、街そのものが躍動していきます。同じ群馬県の高崎市は既に年末に躍動している「第九の街」としてクラシックファンから知られています。そして、私も以前所属していた高崎の市民合唱団は50周年となる今年の年末、高崎芸術劇場の大ホール2000席をいっぱいにして、なんと2日間二回公演を予定しているそうです。私が高崎で参加させていただいた演奏会でも北海道から沖縄まで全国からお客様が集まっていました。私たちも、そう遠くない将来、「西の高崎」「東の館林」「市民第九の群馬」を創り上げて全国、いや全世界から「12月の第九はGUNMA」と群馬を奮い立たせたいと考えています。その物語の序章である今回のプロジェクトは何としてでも成功させなければいけません。地域の皆様、全国の皆様、世界のクラシックファンの皆様、人口減少が止まらない群馬県の小さな小さな街で、これからはじまる奇跡を共に歩んでいただけませんか。私たちの取り組みを信じてください。どうか、どうかあたたかいご声援とご協力をお願い致します。