インタビュー
さとゆみビジネスライティングゼミのなおさんにインタビューしてもらいました!
※さとゆみビジネスライティングゼミ検討中の方に向けた内容です。
聞き手・文/阿川奈緒子
編集者・ライター・デザインディレクター。教育・地域・自然などをテーマに、雑誌編集、動画構成、デザイン、広報など幅広く担当。
書けるようになってよかったこと・嬉しかったこと 本業でも文章でも、堂々と「好き」を推す
20年以上スタイリストをしながら、ファッションライターとしても活躍されているさとゆみゼミ4期の大日方理子(おびなたりこ)さん。ある文章を書く前と後の、別人になったような経験を語っていただきました。
自分のままで大丈夫。仕事も世界も広がったある原稿
書いて、急に生きやすくなったことがあります。
2024年、さとゆみゼミの卒業生で運営しているサイト『CORECOLOR』に掲載していただいたブックレビューを書いたときでした。ブックレビューといっても、紹介する書籍の内容以上に、本を通して「自分が考えたこと」を書きました。
そのブックレビューはこんな内容です。一ー子どもの頃からずっと「兄に比べ『頭が悪い」と親から思われている」と感じて生きてきた私。ただ、親は可愛いと褒めて育ててくれました。母がよく服を作ってくれたことがきっかけで、オシャレが大好きになり、スタイリストの職に就きます。でも、指名されるかどうかわからない不安定な職業なので、仕事が減ると頭の悪い自分のせいだと自己嫌悪になったり、スタイリスト以外何もできない自分に失望したりしていました。そんなとき、レビューで取り上げた本、『1000枚の服を捨てたら、人生がすごい勢いで動き出した話』を読んだのです。本の内容は服への「依存」から離れるという内容でしたが、私はこれまで服に「依存」してなんとか生きてくることができた。頭が悪いわりにはここまでよく頑張ってきたじゃないか!と、気づけた。一ーこんなふうに自分そのままを文章にしてみたら、“嫌いだった私“を認めることができたのです。
このレビューを読んでくれた人に、「こんなに包み隠さず自分を出すのは、勇気が必要だったでしょ?」とよく言われます。赤裸々に書いたからスッキリして生きやすくなったと思われるのかもしれません。でも、そうではないのです。実は、このレビューを書く前の私は、自分のことでいっぱいいっぱい。自分を客観視した文章を書いて初めて、「私ってこういう人間なんだ」とわかったのだと思います。そして「私は私のままでいいじゃん!」と認めることで、一気に生きやすく楽になりました。
また、レビューを書いたことで、「私は服を好きなままでいい」「今までの自分で大丈夫」と、ファッションの仕事についても認められたような気がします。それからは、目が不自由な方と一緒に外出したり買い物したりする「同行援護」や、スタイリストとしてお買い物で服を提案する「ショッピング同行」にチャレンジするなど、今までやってきた仕事以外、自分以外にも心が向くようになっていきました。
ライターだから持てる、スタイリストだけじゃない視点
さとゆみゼミに入る前から、私はスタイリストの仕事以外に、女性向けサイトでファッションの記事の連載を2本持たせていただいています。連載が2本になった当初、文章に関しては素人の感覚が強く失敗も恐れていました。でも同時に、「連載2本ってかっこよくない!?」とテンションが上がり、その勢いでさとゆみゼミに入ることに。ゼミを経て、ファッションライターと名乗るようになりました。
ゼミ後の変化はたくさんあります。大きな変化は、いつの間にか人見知りをしなくなっていたことです。ゼミで学んだ「インタビューでは質問を3回重ねる」を普段から実践していたら、初対面の人にも気兼ねせずに話しかけられるようになって。人の話を聞かないと、文章は書けないですもんね。ただ、自分がライターとしてインタビューをするのはとても苦手です。インタビューをした後は、「別の質問をすればよかった.......」「あそこを深掘りすればよかった~」といつも後悔ばかりです。
逆に、今かかわっている媒体の企画によっては、座談会に呼んでいただき、ファッションの専門家として話をする機会があります。さまざまな方向に飛んだ話を上手にまとめてくれるライターさんや編集さんの原稿を見るとき、「こう構成するんだ!」と気づきが増えました。座談会のこぼれ話を記事に書いたところ好評で、今では座談会とは違った角度でもう1本記事を書いて欲しいと編集部から頼まれることもあります。専門家の視点と書き手の視点、両方を持っているので、勉強になりつつ仕事の幅も広がっているような気がします。
スタイリストの仕事も書く仕事もフリーランス。働き方もギャラの交渉も自分で決めて進めなければなりません。あるメディアで初めてお仕事をするとき、原稿の修正や編集方針についてどうしても納得がいかず、さとゆみさんに相談したことがありました。さとゆみさんの返答は「フリーランスは、どこで書くかを自分で選ぶことができる」というシンプルで明快なものでした。その言葉を聞いて、悩んでいた仕事は辞め、ほかの媒体にチャレンジすることにしました。さらに、新しいことを始めるときに相談にのってくれる同期メンバーにも恵まれるなど、さとゆみゼミでは書く周辺、仕事への向き合い方についても学びが大きかった。そのため、ゼミ受講料の元は取れています。人生で一番いいお金の使い方でした。幸せに仕事をしていくためにも、フリーランスとしての仕事術や立ち回り方について考え続けることは必要だと思います。
まだまだうまくいかない仕事も多くて、毎日試行錯誤しながら進んでいます。でも、服について、どう伝えようかこねこね文章を組み立てているときがとても楽しくて。大好きなメディアで、胸を張って「私の推し」であるファッションの魅力を書かせてもらえていることが、今とても幸せです。