革新によって伝統を守る
私たちの創業は、天保元年(1830年)、本社のある奈良県(大和の国)五位堂の地において、先達が商いをはじめたことにあります。それから間もなく、酒造りという日本古来からの伝統の業種を選び、昭和に入ってからは酵素の製造も行ない、「醗酵と醸造」という製造理念のもとで商いが続いてまいりました。
その間、岩間の中をせせらぎが流れるように、絶えることなく、とどまることなく、商いが流れ続けてまいりました。そこには、先達たちの努力があることもさることながら、お客様の絶大な支持があったからであると私たちは心から感謝いたしております。
歴史と伝統は革新の連続によってしか守ることができません。革新は時代のニーズを正しく見極める知恵によって行われるものであります。その知恵とは、「醗酵と醸造」というものを、その時代のお客様の要求に合うようにつくり変えていくことであります。そしてお客様の要求は何かを知るために、私たちは「お客様第一主義」をつらぬき、常に謙虚な気持ちでお客様のお声を聴かせていただくことにあると考えております。
私たちが生かされている宇宙には、その中に存在するすべてのものを育み、生成・発展させていく力強いエネルギーが存在すると言われております。
私たちはそのエネルギーを素直に享受させていただき、この仕事を通してそのエネルギーをますます高め上げ、豊かに繁栄させていただき、お客様に喜んでいただける存在意義のある会社になっていきたいと願っております。