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2024-04-21 17:35:00

チェンソーの目立て 〜切れる刃とは〜

日はチェンソーの目立てのお話を

 

秋田はこれから薪割りシーズンなのでチェンソーで玉切りする人も増えてるのではないでしょうか。

 

チェンソーで真っ直ぐ切れない、そもそも力を入れないと切れないなど、ストレスを感じている方もいるかもしれませんよね。

 

チェンソーを押し付けて切っていると、本体にダメージが行くのはもちろん、振動障害予防上よろしくありません。

 

そこで今日は目立てについて少し書いてみたいと思います。

 

切れないソーチェーンではおが屑が粉のようになります。逆に切れるソーチェーンではおが屑は大きく、長くなります。

 

まずは切れない刃を見てみましょう。

 

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画像のように刃の角度が寝ている状態を『バックスロープ型』と言います。

 

こうなるとおが屑は粉のように細かくなります。

 

バックスロープ型になる原因として考えられるのは、

 

① やすりの径が大きすぎる

 

② やすりの位置が高すぎる

 

③ 手元が下がりすぎている

 

事が考えられます。

 

刃の角度が逆に鋭すぎて(かぎ状になる)いても良く無いです。

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この刃の形をフック型と言います。

 

食い込みが良すぎるため、抵抗が大きく、振動が多くなります。キックバックも発生しやすくなりますので危険です。また、刃の切れる持続性が短いです。

 

フック型になる原因として考えられるのは、

 

① やすりの径が細すぎる

 

② やすりの位置が低すぎる

 

③ 手元が上がりすぎている

 

④ 下に押し付けすぎている

 

事が考えられます。

 

 

 

では良い刃の形も紹介します

 

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横から見ると横刃は真っ直ぐ(直線)になっており、角度は一般的なセミチゼルの刃は85°になります。

 

このような刃で切るとおが屑は以下の通りになります。

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写真の樹種はりんごです。 比較用にタバコの箱を置きました。

 

刃の長さは小さいところに合わせて全て均等に研ぐ必要があります。

 

画像のような刃(横刃が直線)を作るには横刃の下側を研がなければ出来ませんが、YouTubeなどで探していても見つけた事がありません(私だけでしょうか)

 

横刃の下を研ぐ事で下側のバックスロープを回避できます。

 

かなりマニアックな内容ですが、林業のプロで知らない方もいらっしゃると思います。

 

ソーチェーンの仕組み上、上刃がノミの役割で横刃がノコギリになります。

 

この理屈で木を切りますので、横刃が上刃より先に木に当たることが絶対条件となります。

 

他にも大事なのが角度です。

 

私は必ずアングルプレートを使用します。

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この赤いヤツです。

 

これで上刃角度を均一にしつつ、刃の長さも全て均一にして初めて切れる刃になります。

 

絶対使うことをおすすめします。

 

弊社展示場でも在庫を入れる予定なので目立てを上達したい方はぜひお買い求め下さい笑

 

また、差し入れ(コンビニのコーヒー)を持ってご来店いただければ無料で目立てをお教えさせて頂きます笑

 

冗談ですよ笑

 

そのうち、目立てや伐採、薪割り、煙突掃除などの講習会みたいなイベントもやろうかなと考えておりますので皆様のご参加お願いします。

 

ご存知ない方も多数いらっしゃると思いますので言っておきますが、地元でチェンソー講師も務めておりますので安全第一で行いますので安心してご参加いただければと思います。

 

 

 

 

2024-02-15 13:31:00

STIHL MS170 について

今回もチェンソーの話です

以前の記事で初心者におすすめのチェンソー第2位としてSTIHL MS170を紹介しました。

前回の記事はコチラ https://r.goope.jp/lumberjack-stove/diary/96884

今回はMS170を深掘りしていきたいと思いますのでよろしくお願いします。

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おすすめ理由としてはまず第一にそのコスパ

値上がりしたとは言え、現在でも3万円を切るその価格は同価格帯のホームセンターチェンソーでは太刀打ち出来ない耐久性と性能を持っています。(ワタクシが買った当時で2万円を切る位でした)

他社同価格帯の「ソーチェーン」がほとんどの機種で25APを採用しているのに対し、MS170はSTIHLオリジナルの1.1mm幅の細いソーチェーンが採用されており、この影響もあってカットスピードが他より早いです。(他社同価格帯、同排気量帯)

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そしてこれから説明する内容がおすすめの1位にならなかった理由になります。

それは

振動が大きいから」です。

おすすめなのは「コスパが良い」という理由でしたが、そのため設計が古く、防振材はゴムが採用されています。

プロ機や設計の新しいものはスプリング防振になっています。

ここ秋田県鹿角市での薪ストーブユーザーが消費する薪の量は年間8㎥と言われています。

その全量をMS170で作るとなるとワタクシのように振動障害になる可能性があると思います😅(ひどい時は上着のファスナーも上げられない程ひじが痛みました😭)

中には太い広葉樹もあるでしょう。

直径40〜60cmの物なら玉切できないことはないのですが、切るのにかなり時間がかかる上、切ってる時間分その振動に晒されることになります。

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樋口金物機工さんのYouTubeでそこら辺はかなり詳しく、分かりやすくお話されていますので是非みて頂ければと思います。

年間8㎥程度の薪を作るならば、私は絶対にスプリング防振のプロ機をおすすめします‼️

振動の問題以外にも、仕事時間も圧倒的に早いです‼️伐倒も安全にできます。

話が逸れましたので戻します。

逆に少ししか薪を作らない方や、玉切りもそんなにしない方、太い原木を切らない方はMS170がベターな選択肢かと思います。

何度も言いますが同価格帯、同排気量帯の機種ではこのMS170には敵わないと私は思います。

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また、STIHLには MS170C–Eという機種があります。

これはスターターロープが引きやすいモデルで、力の無い方はコチラでも良いかと思います。少し重くなりますが😇

あとMS180というMS170をボアアップ(排気量アップ)したモデルもあり、これの派生モデルとしてMS180C–BEというのがありますが、これのウリはクイックテンショナーと言ってソーチェーンの調整が工具要らずで出来るという物。

このシステムは賛否両論あると思いますが、私には非常に使いづらい機能でした。

ガイドバーは給油4回に1回は裏組みして使う(同じ所だけガイドバーが減るのを防ぐ為)のですが、その時にクイックテンショナー機は時間が掛かって面倒なんです。(個人的な意見です)

給油4回があっという間でない人には良いかもしれません…

MS170余計な機能が無いためその点は大丈夫です笑

ただ1点。

MS170の一番使いづらい所は、ソーチェーンの張り調整がガイドバーの根本にあるところでした。(もしかすれば現行のMS170はサイド調整になってるかも)

私のMS170MS180の純正品を流用してサイド調整にカスタムして使っていました。

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カスタムすると愛着が増します😁※カスタムは自己責任にて

 

このように、チェンソー選びは「どう使うか」がポイントです。

最初の1台はコスパの良いMS170にして、方向性が決まってからプロ機に行っても良いと思います。

少しでも迷われている方の参考になれば幸いです。

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2024-02-08 15:53:00

チェンソーについて(STIHL MS261C-M)と初心者におすすめのチェンソー

今回はチェンソーのお話を

 

薪作りにおいて欠かせないチェンソー。

 

私は職業柄チェンソーは数種類所有しています。

STIHLはMS261C-M、MS151、MS230、MS500i、MS170、ハスクバーナは550XPG markⅡ、マキタの18Vのバッテリーの計7機。

コレらを状況によって使い分けます。

STIHLのチェンソーが多いですね。

 

故障が少なくて、メンテナンスがしやすいと思って使っています。

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上の写真のチェンソーは2016年に買って今でもメイン機として愛用しています。

この文章を書いていてもう8年経つのかと思い返している次第です笑

STIHLMS261C-M というモデルで、排気量50ccのプロ機になります。

故障は一回も無く、消耗品を取り替えた位です。めっちゃ優秀なチェンソーですよね😊

プロ機とカジュアル機の違いは沢山あると思いますが、簡単に言うと軽くてパワーがあり、かつ耐久性に優れています。

その他にも振動(三軸合成値)が少なかったり、見た目がカッコ良かったりします笑

デメリットがあるとすれば値段ですね😇8年前の当時より現在は5万円程値上がりしているようです😭

私の261はガイドバーを社外(スギハラ)に交換し、バーの厚みを純正1.6m→1.3mに細くして、長さも純正45cm→40cmと短くしてさらにピッチを.325→3/8に変更しスピードカット仕様にしています。

ソーチェーンのピッチを変えることで、チェーンスピードが変わります。スピードだけに重点を置けば.325より3/8ピッチの方が早いんです。ただし、スピードが上がる分トルクが弱くなりますのでそこら辺は好みですね。堅い紅葉樹が多い場合はトルクが高い.325ピッチの方が早く切れる場面もあるわけで。目立てにもよるかもですね。

チェンソーの面白い所はそこら辺を自分好みにカスタムできるという所‼️

何本も玉切り(原木を薪の長さに切ること)をするため、理屈を理解してカスタムすれば1本では切る時間にして数秒の差が、何百本もこなせばかなりの差になるわけです。

あとはスパースプロケットからリムスプロケットに変更しています。

 

マニアックな話になっていくのでここら辺にして次は初めての人におすすめの機種を3機紹介します。

 

おすすめ1位

STIHL MS241C-M 排気量42.6cc 質量 4.5kg パワーウエイトレシオ 2 プロ機

理由:軽くてパワーがあり、伐倒にも使える。

デメリット:値段 

 

おすすめ2位

STIHL MS170 排気量30.1cc 質量4kg パワーウエイトレシオ 3.1 カジュアル機

理由:値段が安い、安い割に使える(2024年2月現在で、定価で27500円)

デメリット:振動が多い、カットスピード遅い

 

おすすめ3位

STIHL MS261C-M 排気量50.2cc 質量4.9kg パワーウエイトレシオ 1.6 プロ機

理由:バランスが良い(軽さとパワー)、耐久性が良い

デメリット:値段

 

3機種挙げて全てSTIHLでしたが、回し者ではございません笑

 

MS241を一押しするのは軽くて早いからです。伐倒もこなせます。これからチェンソーを初めて買うよって方はぜひご検討を。

そうは言っても予算が…と言う方はMS170が良いと思います。241より10万くらい安いし、ホームセンターのチェンソーと価格帯が同じ程度で、耐久性、カットスピード、見た目のどれをとっても優れていると思います。後で違うチェンソーに買い換えるにしてもサブ機として活躍するでしょう。

予算も取れる人は261がやはり良いと思います。241との重量差は0.4kg。カットスピードが早いです。現場にチェンソーを一つだけ持っていくなら私は50ccを持っていきます。

 

おすすめの所に載せたパワーウエイトレシオとは

全体における、単位重量あたりの出力動力。主に加速能力の指標として用いられる。普通日本では単位出力動力当たりの重量を指し、値が小さいほど加速能力が高いことを示す。出力重量比。

 

とGoogle先生が言っております。

つまり数値が低いほど重量あたりのパワーがありまっせと言うことですね。

MS261はその点優れているのが数値でもお分かり頂けると思います。

 

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画像上のハスク550XPは個人的に見た目がイチバンカッコいいと思ってます😆カットスピードもSTIHL MS261より早いです。

そして画像中央と下がMS500i。コレは別格にスゴイチェンソーです😆

この辺の比較はいずれまた書きたいと思います😁

 

マニアックな話になると思いますが笑