一歩踏み出して、母乳育児

息子が生まれた次の日に産院でニップルを渡されました。
「ちょっと飲みにくい乳首の形しているから、最初はニップル付けて吸わせてね。
と、言われるがままにニップルを付けて左右吸わせるも出るのは1滴2滴…。

まともに飲ませられないまま退院し実家で日が明けるまで過ごしました。
実家の母からは「私も1ヶ月出なかったけど、吸わせ続けてたら出るようになったから気長にね?」
なんて言われていたので、いつか私も出るものだと。

産前、育児情報誌など見ていたのに、まさか自分が母乳の壁に当たると思っていなくて、
本当に知らないことばかりだったと今は思います。

その頃、インターネットで熊野先生のことを知りましたが、片道1時間、新生児を置いてもいけず、
連れて行くのも身体に負担になるんじゃないかと、なかなか踏み出せないでいました。

日が明けて嫁ぎ先で過ごすようになっても授乳ニップルを付けていました。
その私の姿を見て88歳の曾祖母が
「そんなカバーを付けていたら飲むものも飲めない!
片道1時間、私が付き添うから熊野先生とやらのところに行くべっちゃ!」
その一言で踏み出せて、熊野先生の所に行きました。

着いてからは「ニップルなんかダメダメダメ!!!
そんなの付けてたら一生飲めないよ!」と
マシンガンのように(笑)熊野先生節がガーンと響きました。
放心状態のままマッサージが始まると
あれあれ…母乳がピューピューでる!
息子が加えると、飲めてる!!
今まで悩んでいたのがウソのようにゴクゴク飲んでる。
「どう?飲めてるでしょう。」
と熊野先生に言われて、あんまりにもびっくりしてなんて言ったか覚えていません。
曾祖母がうっすら涙を浮かべて「良かったねえ、飲めるじゃないの」
と喜んでくれたことが印象的です。

その後はまさかの完母。
よく出て、二度ほど詰まってカチカチになったときにもお世話になりました。

曾祖母に背中を押してもらい熊野先生を頼って本当に良かったです。
今年89歳になる曾祖母は現役のステンドグラスの先生です。
どんなに作業所で集中していても息子を連れて行くと快く抱っこして遊んでくれます。

母乳が出ない時は「自分だけなんで…」と一人で悶々としていました。
熊野先生や曾祖母、主人、家族…本当に子育ては自分一人では出来ないと
出産早々母乳育児を通して実感しました。

もし悩んでいる方がいたら、
一歩踏み出して熊野先生を頼って欲しいと心から思います。
ミルクも立派な育児です。
でも…母乳育児っていいですよ^^


 伊藤安香理さん