教室理念

現代にはたくさんの音楽教室、ヴァイオリン教室があり、
そしてたくさんのヴァイオリン講師がいらっしゃいます。
十人十色。
お教室によって様々な方針、講師によって様々な教え方があります。
ヴァイオリン指導に、絶対に正しい指導法は無く(もちろん多くの講師が共通して行う基礎練習はありますが)
指導をうけた講師によって全然ちがう演奏になります。
生徒さんの大事な時間を預かる。
それはすごく責任のあることです。
毎日同じ練習時間、同じ教材、同じ楽器でも指導にあたっている講師によって全然演奏が変わります。
講師の影響は絶大なんです。
講師にとっては、多くの生徒さんのうちの一人でも、生徒さんにとっては、たった一人の先生。
ヴァイオリンについてのほとんどの情報が講師からなのですから、
自分の影響力を自覚し、絶対に間違えた基礎を教えてはならない。
私はヴァイオリンの講師というものをこのように考えています。


楽しくヴァイオリンを弾くことが上達への近道?
一見相反することのように思えますが、私のモットーとする、
ヴァイオリンをもっと好きに、もっと楽しく、は上達する一番の方法だと思っています。
楽しく弾いているなら勝手に上達する、ということではありません。
上達を実感することが、もっといい音が出せるようになることが、
ヴァイオリンの大きな楽しみだと考えており、
そう感じることで、よりヴァイオリンを好きになるのです。
軽やかな演奏が好きな方は軽やかに弾けるようになりますし、
ビブラートに憧れがある方はビブラートが得意になります。
憧れや楽しみが濃い部分はどんどん上達していきます。

コワーイ先生に怒られるから…必要にせまられ練習して上達する方法もあります。
(私も小さい頃はこっちでした)
子供をビシバシ厳しく指導する先生をお探しのご両親の方。
私どもはどちらかというと叱るのが得意なタイプでは無いので、
そのような先生をお探しでしたら、それは当教室ではないかもしれませんね。


きれいな音でヴァイオリンを弾けるようになるために関係すること
本人の熱意
(練習時間や質・どれほどヴァイオリンが好きか)

②講師
③ご両親の家庭での付き添い ※子供の場合
④楽器

①にも③にもいえることですが、一週間のうち6/7がご自宅での練習です。
なかなか時間がとれなかったり、住宅事情などそれぞれありますので
練習の質を上げることは、上達する上でとても大事なことなんです。
当教室のレッスンでは、ご自宅での限られた時間の中での練習を、有意義に行うことを大切に指導しております。
練習量を増やすように、ということは伝えておりません。


ヴァイオリンを習っているお子様のご両親の方へ
初めのうちは、なるべくレッスンに一緒にきていただき、
レッスンの内容を一緒に聞いてあげてください。
子供はなかなかレッスンの内容を全部覚えておくのが難しいため
おうちでの練習で、うっかり間違えて弾いてしまっていたら
「先生はここはこういう風に、ってゆってたんじゃない?」
など教えてあげると、とても子供のためになります。
特に小学校低学年くらいまでの子供は、
ほとんどの練習をお父様やお母様と一緒にする場合が多いです。
お父様・お母様は、第二の先生、と言えるかもしれないですね。
時には何度も同じところで間違えるところを見て、イラッとする事もあるでしょうが、
ここで怒鳴っては音楽が楽しめなくなってしまう!
ぐっとこらえて、アドバイスをするように付き添ってあげてください。

楽器について

子供用の分数楽器について
子供用のお洋服って、ちょっと大きめ~ぴったりサイズを使うと思うんですが
子供用ヴァイオリンについてはちょっと大きめはお勧めしません。
サイズアップをするとただでさえ最初は弾きにくく感じる上に
大きめの楽器で無理して弾くと、非常に弾きにくく
子供が弾くのをいやがってしまう可能性があります。
「どうせすぐ大きくなるから・・・」
すぐってどのぐらいでしょう?数か月?半年?
日々練習する子供にとっての数か月は、とても長く感じるものです。
少し小さくなるまで使って、次のサイズの楽器がちょうどいいくらいが替え時です。
また、分数サイズで初めての楽器を買う場合、続くかどうかわからないから安いものを、という方がほとんどです。
1年半ほどで次のサイズに替えなければならないのであまり高価なものはいらないと思いますが、
無限の可能性を秘める子供にとっての初めての楽器というのは非常に大事なものです。
上記で述べました通り、インターネットの1万~2万円のようなセットですと、
バイオリンの良さも分からないままになってしまいかねません。
中古を安く購入されるのは、逆にすごく良い選択肢です。
いつも希望のサイズが揃っているわけではないのですが、私は一番お勧め致します。
新品で購入するより音が鳴りやすくなっておりますし、
消耗品を交換していれば中古であるから弾きにくくなっている、ということは全くありません。

新品であれ中古で購入したものであれ、サイズアウトした楽器はお教室の後輩に譲ったり、
初楽器を記念にとっておいてアンティークにしたり
みなさん結構有効活用してらっしゃいます。
タイミングが合えば、生徒さんがサイズアウトした楽器を中古で譲っていただけるようご紹介しております。

まだ楽器を持っていない大人の方へ
フルサイズのヴァイオリンは生涯使うことができる楽器です。
本人の生涯どころか、きちんと手入れをすれば
孫の生涯も、そのまた孫の生涯も使うことのできる楽器です。
ヴァイオリンを習うにあたって、自分の楽器を持つことが絶対条件といえるでしょう
インターネットでセットで1万円の楽器から、数億円の楽器まであるヴァイオリン。
安かろう悪かろうで、安い楽器では本来の魅力がわからず
続くものも続かない、と思っております。
(残念ながら、一概に高かろう良かろうとは言えないのがヴァイオリン…)
ヴァイオリンって、弾きこんでいくほどどんどん鳴りやすくいい音になってくるんです。
自分と一緒に楽器も成長してくれてるみたいで本当に可愛いヤツです。

私どもは楽器屋さんでは無いので、メーカー・品番などの具体例をもって説明することはできませんが、
ヴァイオリンを楽しみたい、とお考えでしたら
最低4~5万円ぐらいのものを使っていただきたいと思っています。
(それ以下だと、しなくていい苦労まですることが多いので…)
気に入ったものが見つかり少し高いものを買ったが
後で後悔した、という話はあまり耳にしたことがないです。
逆に、安い楽器を買ってもどかしい思いをし買い直した生徒さんは多少おります。
妥協して購入して、毎日気にいっていない音色の
ヴァイオリンを弾き続けることほど、つらいことはありません。
いい楽器を使い、いい音色を日々聴き、いい耳を育てることは
その人の上達に大きな影響を与えます。

いい楽器を求めればキリがないヴァイオリン。
もちろん予算は多ければ多いだけ、いい楽器に出会える確率はグッと増します。
でも予算をきっちり決めることもとっても大事です!
同価格帯の楽器は無数にあります。
同じ値段でも、同じ工房でも、不思議と音は全然違ったりするんです。
ご自分の予算の中で、時間をかけて納得いく最高の楽器を探しましょう。
楽器探しのお手伝いは講師の義務だと思っておりますので気兼ねなくご相談ください。


さらに上級な楽器を求める方へ
オール手作り(手工製)の楽器が、大体数十万円くらいからあります。
全ての削り出しを手作業で行っているため
作業が細かく、そのぶん音も格段に変わってきます。
また、弾きこんでいくうちの音の良い方向への変化も大きいです。
このあたりから、工房によって、楽器屋によって、かなり値段がまちまちになってきます。
手作りなため、ひとつひとつがオンリーワンになるので値段設定が定まらないのです。
ちなみに、「イタリア製のヴァイオリン」というのがブランドみたいに、
いい楽器の代名詞みたいな状態になってますが、イタリア製のヴァイオリンはすごい、
というわけではなく、日本人は手先が器用、という概念と同じ。
みんながみんなそうではなく、そうである場合が多いというだけの話。
楽器の表板に生産国がかいてあるわけではありませんし、
「イタリア製」という単語自体に、音を良くする作用は何にもないので
是非ご自分の耳が、感性が本当に気に入った楽器を…!
大事なのは出てくる音色、それに見合った価格ですからね。
価格についてひとつ言えることは・・・
巨大楽器チェーン店では買うことはお勧めしません。
販売員の知識も少なく、内容に対しての価格も高めです。

以上、当ヴァイオリン教室の考え方でした。
ご質問等ございましたら電話やお問合せフォームにてお気軽にお尋ねください。