第 Ⅴ部 意識を開く
1 21世紀人と一般人との違い
ここまで、想念との付き合い方について説明しつつ、21世紀を生きるノウハウをお伝えしてきました。最後に、「心」から、人間の本体である「霊・意識」へと視点を移し、人の「生」について、人間の意識の成長の面から、今一度説明してみたいと思います。
そもそも「 21世紀人」 とは、それまでの人間とどう違うのでしょうか?
私たちは大人になるにつれ、社会常識や良識を持つことが期待されます。
中には本能のまま、肉欲のまま生きている人もおり、「無秩序な人間」として「良識人」の対極に置かれています。
「21世紀人」は、この「良識ある人」を超えた存在です。
その違いは、視点をどこにおいているか、という点から説明できるでしょう。
前にも説明しましたが、人間は 「肉体」 とこれをコントロールする「心 (エゴ体) 」、
そしてこれらを駆使してさまざまな体験をし、学習している「霊(意識体)」の3 つが合体して出来上がっています。 (ある宗教で言う、「三位一体」とは、本来このことを指しています。)
人間は、肉体や心が本体なのでなく、姿の見えない意識体 (靈) が本体なのです。
欲望のままに生きる無秩序な人は、肉体だけがすべてです。
良心を持った人は、肉体の欲望に気付きつつ、社会常識や理性、根性などでもって、これをコントロール(時として非難・後悔) しようとします。
つまり「 心 = エゴ体 」に視点があります。
21世紀人は肉体、そしてエゴ体の働きを、何の判断もせず、ただひたすら観察しています。
肉体の反応(行動や発言)、そしてその背後にあるエゴ体の反応(善悪の判断)が無くなる訳ではありませんが、これを意識的に行っている点で、他と異なっています。
つまり「 意識体」 に視点があります。