第8章 お金と善悪判断
2 お金につきまとう善悪のイメージ
あなたはお金と聞いた時、何をイメージしますか?
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実は、この時に浮かんできたものがあなたのお金に対する姿勢です。
一般的には次のようなイメージがあるようです。
「お金= 善きもの( プラスイメージ) 」
「お金を稼ぐためには苦労が必要」
「悪銭身に付かず」
上記の思い込みと「努力、苦労= 善」という信念が合体すると、
「苦労すれば、つまり善行を積めばお金が貯まる」
裏を返せば「楽して金を儲けるのは悪」
という公式が出来上がります。
しかし、現実はどうでしょうか? 詐欺まがいの方法でお金を集めた人、強引な商法で業績を上げた企業がマスコミを賑わしています。
つまり、「善 = お金」 という等式は成り立ちません。
もともとお金自体はただの媒体であり、善でも悪でもないのです。
お金については、私たちのほとんどが実生活と切り離せない切実な問題と考えています。
その意味で、お金に関する想念ほど、興味深い観察の対象はないかもしれません。
ここでお金をテーマに取り上げたのは、皆さんの「善悪判断 」を徹底的に観察する材料にして欲しいからです。
悪質なやり方で思考を現実化しなさい、などと言うつもりはありませんし、
悪を善と解釈しなさい、と言っている訳でもありません。
お金を題材にしてさまざまな角度から想念を観察した結果、いかに 善悪判断 に影響され、自由な思考の発展が妨げられているか、実感して欲しいのです。
善と悪のせめぎ合いによってどんな現実が創造されているかに目を向けて下さい。
いずれお金のシステムは崩壊し、新しいシステムに変わっていくでしょう。
お金に対する執着を捨てていくことが理想ですが、 まだお金がらみのトラブルから離れられないでいる人たちには、真剣に取り組める格好のテーマなのではないでしょうか?