第 6章 観察の対象を広げよう
1 身体としぐさをチェックする
「自分を観察する」という時、観察の対象は想念だけではありません。肉体やしぐさも観察の対象となります。
あなたはある想念を選び、必要に応じてそれを行動に移しますが、当然ながらその際、肉体を動かします。肉体を動かすとは、特定の筋肉を緊張させることです。
今まで想念はもちろん、習慣化した行動にもあなたはまったく気付いていませんでした。
気付いていないのはそれだけではありません。
「自分らしさ」 「自分の(想念選択) パターン」の影響は、あらゆる側面に及んでいます。知らずにとっているあなたのしぐさや肉体の動き(緊張のさせ方)に、あなたらしさは良く現れているのです。肉体やしぐさも「あなた」の一部であることに変わりありません。
あなたは気付いていなくても、周囲の人はみんな、よく知っています。
注意点
手鏡を用意し、想念観察している時の自分の顔をよく観察してみることから始めて下さい。また入浴時など、全身が映る鏡を利用 して、丁寧に観察してみましょう。
この時、太っている、たるんでいる等々、いつもの批判的感想はひとまず横において、マネキンやロボットを見る要領でやるのがコツです。
実際のところ、肉体はあなたがこの世で生きていくために与えられた、レンタルスーツのようなものです。
あなたはそのレンタル品(ロボット)を今までどのように扱ってきたか、実際にどのような動かし方をしているのか・・・それより何より、いかに自分の身体のことを知らなかったか、じっくり観察して下さい。
[チック項目の一例]
・凝っている箇所 (肩、すね、首)
・ゆがんでいる箇所(背骨、鼻、顔の輪郭)
・バランス (左右の足・ 肩)
・顔の表情 ・視線
眉間に皺を寄せている(・・・想念観察している時にこういう人、よくいますよ)
ロをへの字に曲げている
にこにこしている
決して相手の目を見ない
顔や身体を、相手に対して斜に構える
・話し方
ロをとがらせる/自信なさそう(ぼそぼそ)/威圧的に畳み掛ける/きつい/穏やか /早口/ゆったり
ロに手を当ててしゃべる
首を振りながらしゃべる
自分のことを茶化してしゃべる(相手の攻撃を前もってかわす)
・姿勢
片方の肩がいつも高くなっている(緊張している)
猫背で丸くなっている
腰が引けている
・歩き方
内股 / 外股/何かにいつもつまづく/ふんぞり返る/いつも下を向いている/足を引きずる/ひざが曲がっている
・呼吸 (基本的には、吸っている — 吐いている・・・この繰り返し(息の流れ)に着目)
ゆったりしている/せかせかしている/苦しそうに吸い込む/吐 く時はため息が多い
以上挙げた項目はほんの一例ですが、どれを取っても想念と密接に関連があることが、いずれ判るでしょう。
もし気になることがあるなら(例 ・ 威圧的にしゃべる)、意識的に反対のことをやるようにしてみて下さい 気付いているだけでも、次第に変わってきます。
たとえば、ある想念にとらわれたり、沸磨していたりする(怒りなど)時、たいてい呼吸が浅くなっています。この時、深呼吸を繰り返すことはある程度効果があります。
エクササイズ4のように、行動から変えていくことで、想念の影蕃を受けくくなります。