木村金属工業株式会社
Kimura Metal Industry co., Ltd

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冷間鍛造の概要

金属素材(非鉄金属・ステンレス鋼・合金鋼・炭素鋼など)を室温で、金型を用いて圧縮成型するのが、冷間鍛造(cold forging)です。

冷間鍛造はいろいろな変形様式を含み、その中に据込すえこみ、ヘッディング、各種型鍛造、圧印、押出しがなどが含まれ、刻印、押込み、ダイホビング、圧縮によるサイジングも広義の冷間鍛造に含まれます。

冷間鍛造によって作られる工業製品としては、小は虫ピン、釘、ねじ、ボルト、ナット、リベットから、大は自動車駆動軸、圧力容器、などが量産されています。

 

この加工法のすぐれている点は、1分間に、数個から数十個という高い能率で、素材から最終形状またはそれに近い状態の加工品を作ることができるところです。表面仕上げおよび寸法精度の良好な部品が得られるので、完成品に近い寸法形状に加工でき,切削などの後工程を最小限にして、加工時間を短縮することが可能です。

 

非常に大きな圧縮応力を受けて塑性変形した材料は、機械的性質が改善されます。このことは製品を鍛造したままで利用する場合にはもちろん、熱処理を行ったものでも効果があります。

冷間加工を受けた製品は組織が微細化し、ファイバーフロー(繊維状組織)が切断されていないので、耐摩耗性が良くなります。また、冷間加工硬化による強度上昇や、軟質材の場合には被削性向上などの利点があり、兼価な素材の使用や、熱処理の省略ができる場合もあります。

 

このような長所をもつ一方、型にも素材にも大きな負担がかかるため、次のような技術的に難しい面もあります。

 

●一般に素材としては均質で不純物が少なくて加工性がよく、傷がなく寸法精度および表面の良好なものが要求され、材料取りのさいも高い寸法や重量精度、および無傷であることが必要。

●素材の慎重な熱処理と潤滑処理、中間焼きなましと再潤滑などの余分な工程が必要になる場合が多い。

●型は強度、剛性、精度、表面すべての点で念入りに作らないと、型の早期破損、摩耗、製品寸法・表面不良などをひき起こす。

 

このように、冷間鍛造は、材料取りから、熱処理、潤滑処理、プレス加工、金型製作など、すべての面で高い技術と経験が必要とされる加工法です。

 

塑性変形と加工硬化

引張試験でわかるように、材料は外力の作用によって変形をおこし、荷重が小さいうちはこれを取り除くともとに戻りますが、材質や負荷する時の条件によって決まる一定の値になると、荷重を除いても元に戻らない永久的な変形をします。

荷重を除けば消失する変形を弾性変形、残留するものを塑性変形といいます。

理想的な弾塑性体では、応力が弾性限界に達すると、荷重を付加しなくても弾性変形が進行していきますが、現実の材料では、塑性変形を増加させるためには荷重を増さなければならないのが普通です。

このことは、塑性変形が進むにつれて材料が硬くなり、変形しにくくなると考えられるので加工硬化と呼ばれています。

 

加工硬化(work hardening)

金属材料をたたいたり伸ばしたりしたときに、結晶内にひずみが生じ、材料の硬さや引張強さが増し、伸びや絞りが減少してもろくなる現象。

 

 

冷間鍛造品の機械的性質

非常に大きな圧縮応力を受けて塑性変形した材料は、加工硬化して機械的性質が変化します。特に加工度の少ない初期の性質変化が大きく、引張強さ、降伏点、弾性限界、および硬度などは冷間加工により著しく上昇し、伸びや絞りなどは著しく減少します。

このために、機械仕上後、調質して強度をだしていた製品を冷間鍛造化して硬度の上昇をはかり、調質作業とそれにともなう研磨作業を省略することができたり、何らかの理由によって調質のおこなえない製品の強度を冷間鍛造によって上昇させることもできます。

冷間加工を受けた製品は組織が微細化し、ファイバーフロー(繊維状組織)が切断されていないので耐摩耗性が良くなります。

しかし、素材の調質状態、加工の度合、加工方法によって同じ材質でも強度が変化し、かつ、一つの製品でもそれぞれの部分によって加工度が違うので、調質によって得られるような均一な硬度の向上は望めません。

製品の強度に対する知識は、成形してみてわかるもので、はじめから予測することは豊富な経験をかさねないかぎり非常に困難なことです。

 

 

冷間鍛造加工の限界

冷間鍛造は被加工材に圧縮応力を与える変形を主体とした加工法であり、被加工材は一般に拘束されている場合が多いので、他の加工法に比べて大きな変形を与えることができるが、型に加わる応力が高いため、型に変形やクラックを生じ、あるいは型の摩耗が著しくなります。

工数が増えることや、中間焼鈍、潤滑処理、あるいは工具の寿命の経済性などを度外視すれば、大部分の鋼材は冷間鍛造ができ、また加工の限界も問題にするに当たらないが、実用上の立場から見れば、切削加工法その他の加工法に比べて経済的でなければならないので、おのずからそこに加工の限界、寸法精度の限界があります。

 

 

断面減少率

必要な加工圧力、加工限に直接的な影響をもつのが断面減少率です。

冷間鍛造の成形が、元来圧縮変形を主体としたものであるだけに、黄銅やマグネシウム合金など延性の小さい材料は別として、被加工材の欠陥による成形限より、工具の強さの限界が成形限となる場合の方が多く、減少率がきびしくなれば成形荷重の増大が工具の激しい摩耗、破壊を引き起こします。

当然、量産に適した経済的な変形度があり、どの程度の減少率で工程を進めるか、この適否は製品設計の最初の段階で重要な事柄です。

断面減少率の計算式

断面減少率=(素材断面積-加工後断面積)/素材断面積×100%

2026.10.21 Wednesday
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