ごあいさつ(十月)

 

今月に入って、秋めいてまいりました。稽古には最適の季節となりました。今月は幸いにも4回の稽古会が予定されています。頑張って稽古しましょう。

さて、今月は内藤高治先生が当時、武道専門学校の生徒にご教示されていた内容を小川金之助先生が書き留めておられたものの中から紹介します。

 

「高潔古武士のごとくなれ」

 学剣の要は心事を公明正大に持し、私心邪念を去り、慾を離れ、毀誉褒貶に囚われず、節義を重んじ、恥を知り、卑怯未練な振舞があってはならない。

近来、学剣の士がその目的を誤り、技術の修行のみに留まり、無形の心術上の鍛錬甚だ不十分なるは遺憾である。古の武士は皆日夜身を省み、俯仰天地に愧じざる心事を以て修行に精進し、世に處したのである。特に名利の慾、物慾一切を放下し、邪念を捨て、只管、求道にいそしんだ古人の高風を想起すると自ら頭が下がる心地がする。

高潔の気其人にあれば、技拙なりと雖も其無形の気は必ず体勢、剣尖に表現し、人をして畏敬感動せしむるものである。技、巧みなるも高潔の気に乏しき人の剣風には感動の念起こらぬものである。邪気、私心を含み、心事卑しき者の剣風は必ずや見苦しきものである。「心正しければ剣も亦正し」学剣の士は須らく古武士の高潔なる心事性行を範とし、平生己を空しくし、誠を尽くして自の高潔の気風を養え。

 

令和8年10月2日

                                  深久会会長 高木弘伸

 

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