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ノーリフティングケアについて

 

 

 介護する側・される側双方において安全で安心な、持ち上げない・抱え上げない・引きずらないケアをノーリフティングケアと呼びます。
 安全で安心な介護・看護を提供するためには、身体の間違った使い方を無くし、対象者の状態に合わせて福祉機器や用具(以下「福祉用具」)を有効に活用し取り組むことが必要です。
 ノーリフティングケア=福祉用具ケアではありませんが、福祉用具ケアは誰にでもできて、しかも早く習得が可能な、双方に負担のないケア技術でありノーリフティングケアには欠かせないものです。

 

 

ノーリフティングケアの必要性とその効果

 

☆職員の腰痛予防

 

 福祉用具の導入などにより職場環境が整い、働き方が変わることで、職員の負担は大きく軽減されます。先進モデル施設においても、腰痛の発生率が減少し、腰痛がある方でも悪化させずに働くことができているとの報告が聞かれます。腰痛予防のためには抱え上げないことも大事ですが、勤務時間や生活の中で前傾した中腰姿勢をできるだけ少なくすることをはじめ、身体の使い方・働き方を変えることが大事です。

 


☆対象者の2次障害予防

 

 ノーリフティングケアは職員の身体への負担だけでなく、対象者への負担も軽減します。
 ボードなどを活用して重さの移動で人を動かすことや、リフトなどの使用で負担をかけずに移動をするなど、日常の中で力任せの介助による負担をなくすことで、対象者は心身ともに安心が得られ精神的に落ち着いてきたり、筋緊張が和らぐことで筋肉や関節への負担まで減り姿勢が良くなるといった変化が見られています。また、食事量や排泄にまで好影響が認められるようになったという報告もあります。

 


☆ゆとり:福祉用具ケアは時間がかかるのでは?

 

  福祉用具を使用するケアは人力で一気に行うケアよりも時間がかかると思われがちです。しかし、実際は2人で実地しても身体へは大きな負担がかかります。福祉用具でのケアは力での介助とは異なりケア実施中も負担が少なく、余裕をもって対応ができ、そのために対象者をしっかり観察することができたり、コミュニケーションも増えます。
 慣れるまでは少し時間がかかり面倒にかんじたりということもありますが、慣れれば同じ日常でもしごとにゆとりを感じるようになるとの声が多く聞かれています。

 


                  「ノーリフティングケア宣言 ノーリフティングケアを高知のスタンダードに」 より
      
             ※高知県地域福祉部地域福祉政策課より許可を得て転載しています。