弦のパフォーマンスが劣化したと、自分が感じた時が弦の替え時です。

音の好みが皆違いますので、明確な答えはありません。

 

私は、さまざまなジャンル、さまざまな奏法、さまざまなキャリアの、数えきれないほどのギター弾きに会ってきました。

 

(1)新しい弦の明るい倍音が美しく響く音を必要とする人

(2)新しい弦の明るい倍音が薄らいでからの、材の特徴の木鳴りを必要とする人

 

このお二人に弦の交換スパンを尋ねると。

 

(1)の方は、必要な倍音が薄らいだ1ヶ月程度で交換するそうです。(コーティング弦ではありませんでした)

(2)の方は、季節によるが半年から8ヶ月程度とのことですが、張り替えて2週間から1ヶ月経過して本当に必要な音になるそうです。

 

私は仕事柄、それぞれの方が必要とする音を理解していますので、どちらも正解なのを知っています。

 

しかし、交換してから1ヶ月後の音の評価が全く異なるのが面白いですよね。

(1)の方は『使える音の限界』なのに対して、(2)の方は『そこから使いたい音になる』のです。

ちなみに、このお二人はギターも弦も違いますし、ジャンルも奏法も違います。

 

◾️弦は使うにつれ倍音が薄く(ダークに)なります。

このダークさを『劣化(こもり)』と感じるか、『落ち着き』と感じるかの違いでしょう。

◾️変色や錆びも現れますし、汚れもします。

演奏後に弦を拭いておくことで弦の寿命が伸びる可能性があります。

◾️弦自体も伸びます。

弦の伸びは全体が均一に伸びるのではなく、部分的に伸び、部分的にピッチの合わないところが現れたりします。

そうなるとチューニングが合わせにくくなります。

 

いずれにしても、弾いた時間での判断ではなく、音や触感が劣化して弾く気が無くなるような音になったら、新しい弦にするのが一番と私は思います。