およそ半世紀もの間、楽器の使用後に弦を緩めるか否か、緩めるならどんなやり方で、どの程度緩めるのかの議論が続いていますが、結局のところの結論(?)が『一概には言えない。。。』となっているのですね。
ご自分の方法を公表してくださっているキャリアを積んでいらっしゃる方たちのご意見もさまざまですが、実はその理由があります。
楽器の使用後に弦を緩めるか否か、緩めるならどんなやり方で、どの程度緩めるのか、それは『お住いの環境と楽器の剛性』次第なのですね。
そうなんです、つまりその皆様のご意見は『どれも正解!』で、結局は『一概には言えない。。。』となり、決着に至らないのですね。
ご存知の方も多かろうと思いますが、アコースティックギターの弦6本の張力の合計は『ライト・ゲージで約70kg』あります。
そんな力が掛かっていて、ネックが反らないか、トップ板が変形しないか、そんなご心配が止まらないでしょうけれども、誰があなたの楽器を診ても、構造から推測してのその傾向は分かったとしても正確な判断までは非常に難しいことをご理解ください。
そこで、そんなご心配が止まらない方には、弾くたびに弦高を測ることをお勧めいたします。
ちょっと面倒に思えるかもしれませんが、その確認が心配を少しでも和らげてくれますし、もし何かあっても早期に適切な方法を取ることができます。
『そんなことを言われても、自分が正確に測れるとは思えない!』
いえいえ、正確な数値を求める必要はありません。
測った値が前回の値と比べてどうなっているのかが分かればそれで十分です。
◾️測る位置は12フレット上です。(弦長の中間点)
◾️測るのはフレット頂点から弦の下端までの距離です。
◾️ギターは弾いている(抱える)状態にして測ってください。
画像をご覧ください、これ何ミリでしょう?
『2.4ミリだろう?』 はい、正解です。
『限りなく2.5ミリに見えるけど?』 はい、正解です。
そうです、どちらでも構いません。
いい加減なことを言っているのではありません、0.5ミリ刻みの定規なので目盛りの間の値を正確に読み取ることが不可能なのです。
しかし、人には目盛りを読む際のそれぞれの『見極めの癖』がありますから、そこは常に『自分の見極め』をしていただければ問題は無いと思います。
なぜなら、ここで大切なのは『正確な値を読むのではなく、変化を読む!』ことですので、変化が無いと確認できたのであれば安心して良いということです。
もし、心配になるような変化が確認できた時には、その日の弦の緩め加減を調節するようにしてください。
楽器との付き合いが長くなるほど、きっとあなたの最適な管理方法が見つかるはずです。