お客様から『ギターを購入する時には、どのようなことに気をつけたら良いでしょう?』とのご質問をいただきました。
新品、中古に限らず楽器店でアコースティック・ギターを選ぶ時に、私の考えるチェックしておいていただきたいことを『購入後に調整を施すのならば』という前提で解説させていただきますね。
▪️ネック
『ネック・リリーフの大小』については、アジャスト・ロッドの余裕さえあれば購入後に調整ができますから、新品ならばあまり神経質になる必要はないと思います。
むしろ、『ご自分にピッタリのネック・リリーフ』のギターを見つけるのは、無いとは言い切れませんが、かなり難しいと思います。
中古では『ロッドの余裕の確認』は店員さんに尋ねて構わないと思いますので、確認が取れたならばあまり神経質になる必要はないと思います。
『元起き』『ねじれ』『波打ち』がないことも確認しておきたいのですが、『一分の隙も無く』というのはほとんどあり得ず、許容範囲におさまっているのかの判断をすることですから、これについての回答は正直な店員さんほど困るはずです。
もし、ご自分で判断が難しいのでしたら、判断できる人に一緒に行ってもらうこと、それができないのでしたら中古は選ばないほうが無難です。
▪️サドル
見落とされがちなことですが『サドルの調整の余裕』を確認しておいてください。
『目視でも分かる程度で、サドルの露出が十分にあるか?』ですが、新品ならば十分にあるはずです。
中古は経年劣化に応じた調整が施されていて、余裕がない状態になっているものもあったりします。
▪️12F弦高
これも新品、中古に限らずご自分にピッタリのものを見つけることは簡単ではありません。
新品ならば、サドルには調整の余地がありますので、さして気にする必要はないですが、『より理想に近いもの』を選ぶようにしておけば購入後の調整で良い弦高にできるはずです。
気をつけていただきたいのは、『中古で理想より若干高めなもの』です。
そう感じたギターに出会った時は、理想に近い!との思いから嬉しくなって、これを買ってあとは調整で追い込んで。。。となってしまいがちです。
その時こそ、必ずサドルを見てください。
『その若干を下げる余裕がサドルにあるのか?』を確かめておくことが大切です。
▪️張ってある弦のゲージ
新品でしたらメーカーが決めたゲージの弦を張ってあり、一般的にはライトゲージ(稀にミディアムゲージ)ですが、中古の場合は何を張ってあるのかを確認してください。
ご自分が使うつもりのゲージと同じかを確かめておく必要があります。
もし、それより細めのゲージが張ってあるのでしたら、購入後にご自分のゲージを張るとネックは順反り方向に動き、12F弦高は高くなります。
調整の余裕を多めに見積もっておく必要があるのですね。
▪️音
お好みの音のギターをお探しになると思います。
複数本を試奏してその微妙な違いに迷った時には、調整の余地が多めという意味で、サドルが高い方を選んでおくと良いと思います。
調整により音はお好み方向に伸びるはずですので、あとはご自分が信頼するリペアマンに任せて良いはずです。
あちこちで見つかる情報と思いますので、ネックの異常と思えるほどの反りやトップの変形については割愛させていただきました。
お気に入りとなる一本が見つかると幸いです。