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2020-08-04 15:06:00
『劇場空間としてのザ・スズナリの特異性 ~劇場の個性、劇団を惹きつける空間の魅力とは何か~』
2018年10月30日、成城大学総合講座Ⅱの内容の一部が書籍になりました。
アート・プロデュースの冒険 (論創社)
当日の講義では、以下の4視点を切り口に「ザ・スズナリ」を論じましたが、紙幅の都合上、本書では1のみを掲載しております。
1.草創期の驚くべき瞬発力について
2.時代が劇場に求める変化への対応
3.民間劇場の相次ぐ閉鎖と公共ホールの充実化の中で
4.街との関係の深化
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本書「はじめに」より。
(前略)
「小劇場のメッカ」
「演劇の聖地」
「若手劇団の登竜門」
「演劇の神様がいる劇場」
いずれも開場以来、スズナリの代名詞として語られてきた言葉です。ありがたいことではありますが、不便さも少なくないこの劇場に、なぜこのようなイメージが与えられてきたのか、これまで検証的に論じられたことはありませんでした。
(中略)
オープン同年に「ちょっと気になる」、1年後に「東京での演劇活動の中心的な拠点」、2年後に「新しい演劇センターにする先兵的役割」、3年後には「小劇場のメッカ」「劇壇内での『市民権』を獲得するということとほぼ等しい」。わずか3年でここまで評されていることは瞠目に値します。
(中略)
レビューからもわかるとおり、スズナリは小劇場ムーブメントの震源地的なイメージを付与されただけでなく、とりわけ、劇場としてのステイタス上昇の初速が圧倒的に速かったことがわかります。この知名度やステイタスの瞬発力、初速の速さは何に起因したのでしょうか。
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草創期の資料、初代支配人・酒井裕子氏との思い出や仕事ぶり、本多一夫氏の言葉をたよりにしつつ、
以下の6P+1Cの視点からなるべく多角的、客観的に論じました。
①place(場所)
②price(価格)
③promotion(宣伝)
④person(人)
⑤planning(企画)
⑥product(製品)
※current(時流)
興味のある方はご一読ください。
ザ・スズナリ支配人 野田治彦