1984年1月~6月 上演の軌跡
1984(昭和59年)1~6月 7~12月はコチラ
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1/15~1/22 ♦演劇舎螳螂 改訂版 『聖ミカエラ学園漂流記』
1/28~1/29 ♦まるまる行進曲 『命、枯れても』
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概説 (以下敬称略) 1月15日~22日、演劇舎螳螂「改訂版『聖ミカエラ学園漂流記』」。 1976年、明大在学中の小松杏里が結成した演劇舎螳螂。1982年、代表作『聖ミカエラ学園漂流記』(作:高取英)を上演(明石スタジオ)。本作はその改訂版である。
1月28日~29日、まるまる行進曲『命枯れても』。
1984年1月リーフレット
2月3日~5日、演劇集団アジア劇場『風の匂い・4 ~地上のジャンヌダルク~』。 早稲田大学在学中の林英樹が創立。1981年より本格的に活動開始したアジア劇場は、独自の肉体訓練や方法意識を持ち、80年代前半の小劇場界の注目を集めた。演劇小冊子、現<場>を発行。
2月8日~3月11日、ザ・スズナリ企画 五劇団連続競演『新世界聖愚伝』。
気鋭の若手劇団(ネヴァーランド・ミュージカル・コミュニティ、十月劇場、第三舞台、ブリキの自発団、第三エロチカ)に「近未来」というテーマを与えて競演された。二十代半ばの勢いのある劇団を中心に集めたこの企画はザ・スズナリ初代支配人 酒井裕子氏によるものだが、これまでの小劇場界の流れを画するイベントとして、マスメディアや演劇界の注目度が高かった。
1984年2月リーフレット
3月15日~25日、鳥獣戯画『好色五人女』『好色一代男』。 井原西鶴原本の二本立て。前者は、お夏、おさん、お万、おせん、お七という五人の女の恋のオムニバスを、石丸有里子が一人で演じた。後者は、主宰の知念が世之介役で昭和57年度シアターグリーン・ウィンターフェスティバル個人賞を受賞している。
3月28日~4月1日、空中劇団いよいよ『冬の蠅またはゴジラ』。 ゴジラという突然で、理不尽な存在が姿を変えて、ある”おじさん”の日曜日に侵食を始める話。キャストの佐藤浩一はその後、劇団解散を機に、’86年善人会議に入団。そのいきさつについて横内謙介Diaryによれば、「空中劇団いよいよが解散して、路頭に迷ってた佐藤浩一クン(現・茅野イサム)が、スズナリのバラしに勝手に参加して、打ち上げに潜り込み、善人会議に入れて下されと言って来た頃である。」とある。佐藤は茅野イサムの名で善人会議の中心的な俳優として活躍したが、2002年より演出家に転身。現在(2021年)でも様々な舞台の演出を手がけている。
1984年3月リーフレット
4月3日~8日、善人会議『たとえばオアシスに降る雪のように』。 「世の中は今、病んでいる。この世の中を力強く生き抜くのには、ややヒステリー気味の性格者ほうが、むしろ適しているのだ。と、精神科医までが云っている。今や狂気は生きる術なのである。」 「僕たちはここ何度か『優しさ』をテーマに芝居を創ってきたが、僕達が生きる力として探ってきた『優しさ』とは実は優しさという病、または狂気に他ならないのかもしれない。」(当日パンフレットより)
4月13日~15日、劇団渦『東京原人』。
4月20日~22日、コント赤信号なかよしの会『マゼラン・ブルー』。 コント赤信号のメンバー、渡辺正行、石井章雄(ラサール石井)、小宮孝泰が、コント赤信号なかよしの会を結成。作を第三舞台の鴻上尚史、演出を第三エロチカの川村毅が担当。キャストに室井滋、日高のり子、巻上公一が加わるなど注目の舞台であった。(劇団七曜日から若き日の近藤芳正も出演)。プロデューサーは第三舞台の振付を担当した土井美和子。打ち上げは下北沢のジャンプ亭でおこなわれ、その席で数人の酔漢にからまれるトラブル発生。その場はいったんおさまったが、外へ出てみると先の酔漢たちが待ち伏せしており、たちまち乱闘騒ぎになるという珍事発生。
1984年4月リーフレット
4月27日~5月13日、第七病棟『ふたりの女』。 石橋蓮司、緑魔子を中心とする劇団第七病棟に唐十郎が書き下ろし、1979年に初演された『ふたりの女』。初演時に高い評価を受け、演劇ファンのあいだで語りつがれてきた名作の5年ぶりの再演である。源氏物語「葵」の巻を素材にし、光源氏と彼をめぐる二人の女を主人公にしているが、舞台は伊豆の精神病院。石橋が医師・光一を演じ、緑が精神病患者・六条と医師の婚約者・アオイの二人を演じた。
5月16日~20日、人間アンテナ『ラストシーン』。
5月25日~6月13日、転位・21『ゼロの神話』。 前年1月に起きた千葉大女医殺人事件をモチーフに山崎哲が舞台化。犯罪フィールドノート・シリーズ第8作。「逮捕された直後の夫の写真をみると、無表情、無感動の様子が印象に残りました。すぐ、これを芝居にしようと思いました」「容疑者の夫は高校生の時にも、学校爆破を予告電話するなど、自分を演出するくせがあった。今度の殺人事件は、現実感が薄い新婚夫婦の死に向かうゲーム、ふたりの遊戯ではなかったか、と仮設を立てました」(’84年5/21朝日新聞)
1984年5月リーフレット
6月15日~19日、鬼宴『鬼宴版 豊後訛り節』 脚本:藤田傳、演出:関矢幸雄のコンビで1975年にスタートした鬼宴。今作は劇団1980(イチキュウハチマル)の主宰者、藤田が脚本・演出を務めた。 1974年に大分県で起きた一家三人保険金殺人事件をモチーフにしており、藤田は数年にわたる取材ののち、劇団櫂に『異説・豊後訛り節』を書き下ろし、今作はそれをもとに鬼宴にむけて書き下ろされた。
6月22日~24日、座座座『僕の食べた夢Ⅱ』 旗揚げ二年目の座座座。好評だった『僕の食べた夢』の再演を、青年座の越光照文が演出。
6月27日~7月1日、アジア劇場『風の匂い・5 ~海底のシンデレラ・ボウイ~』
風の匂いシリーズ第5弾。大韓航空撃墜の夜、オホーツクに消えた一隻の漁船。情報戦争の渦中、異次元に迷い込んだ乗組員たち。アジア劇場版浦島太郎、渾身の野心作。
1984年6月リーフレット
1984年7月~12月はコチラ
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2/3~2/5 ♦演劇集団 アジア劇場 『風の匂い・4 ~海底のシンデレラ・ボウイ~』
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3/15~3/25 ♦鳥獣戯画 『好色五人女』 『好色一代男』
3/28~4/1 ♦空中劇団いよいよ 『冬の蠅またはゴジラ』
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4/3~8 ♦善人会議 『たとえばオアシスに降る雪のように』
4/13~15 ♦劇団渦 『東京原人』
4/20~22 ♦コント赤信号 なかよしの会
『マゼラン・ブルー』
4/27~5/13 ♦第七病棟
『ふたりの女』
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5/16~5/20 ♦人間アンテナ 『ラストシーン』
5/25~6/13 ♦転位・21 『ゼロの神話』
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6/15~19 ♦鬼宴 『鬼宴版 豊後訛り節』
6/22~24 ♦座座座 『僕のたべた夢Ⅱ』
6/27~7/1 ♦アジア劇場 『風の匂い・5』
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