軍次家こぼれ話

 当店は、松戸市古ヶ崎にあった軍次屋が本家で、大正13年に先代の齋藤清次郎が松戸駅前売り場として出店致しました。それ以前の本家は、近所の釣り好きの農家の人や、町の釣り天狗達が、毎朝サッパ船(小舟)で四つ手を使い漁をし、うなぎ、鯉、なまず、あいごをなどを捕ったものを買い取って、佃煮や、すずめ焼きなどに加工して都内などの佃煮屋さんに卸していました。当時常備日雇いの日当が1円位であり、漁では明け方からの僅かの時間で、80銭~1円稼ぐ事が出来たそうです。先代が駅前に出店した後も、鯉やドジョウを買い上げていた事を子供心に覚えています。時々、お客様の中に、子供の頃は駅前の軍次屋で捕った魚を買い取ってもらい、小遣いを稼いだと言う年配の方がいらっしゃいます。その頃からお客様に小売りをして、その後総合食料品店を経て、昭和47年に現店主が、先代の仕込んだタレを使いながら、鰻屋として軍次屋を軍次家に改名し開店致しました。軍次屋の名前は、私のひい祖父さんの名前が軍次朗で、軍ちゃんの愛称から軍次屋となったそうです。

現在のタレは先代の創業から約90年受け継がれたものです。これまで多くのお客様方に培われた、タレに対する愛情と味の確信を先代に感謝しつつ、現在までの軍次家を可愛がって、まるで自分の店であるかの様に優しく接して下さる多くのお客様に心より感謝しております。

 

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