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2017-05-27 13:00:00

設立10年を迎えて

 認定NPO法人子どものみらい尼崎が設立10年を迎えるにあたり、これまでのご協力への感謝とともに、これからの抱負を述べさせていただきます。

  

 わたしたちは、赤ちゃんを連れて、気兼ねなく安心して過ごせる場所を作りたいという思いから、平成18年に親子の広場活動を始めました。そして、子育て家庭が本当に安心して子育てするためには、場所やおもちゃを用意するだけではなく、親や子を取り巻く社会全体が、子どもの健やかな育ちに関心と責任を持つことが大切で、その責任の一端を担う団体でありたいと考えるようになりました。平成19年12月の設立総会に至るまでの夜を徹した議論や、翌20年3月の認証式の晴れ晴れしさは今も鮮明に記憶しています。

 

 活動を始めたころは「子育て支援」という言葉も一般化しておらず、親子の居場所の必要性がなかなか理解されませんでした。また、広場スタッフも子どもと遊んだり預かったりするのではなく、「親子を見守る」「親同士をつなぐ」「環境を整える」といった活動に戸惑うことも多かったようです。ミーティングや内部研修で、幾度となく「主人公は子どもであり、親である。私たちは黒衣(くろこ)になろう。子どもや親の代弁者として社会に発信しよう。」と確かめ合ってきました。そして一般的な子育て支援だけでなく、児童虐待、子どもの貧困、障害のある子どもといった特別なニーズの子育て支援にも活動の幅を広げてきました。

 

 おかげさまで、尼崎市立すこやかプラザの指定管理は9年目、つどいの広場は3か所、赤ちゃん絵本『とんとんとん』のプレゼントも累計24,391冊に上り、兵庫県より認定NPOの認定も受けることができました。これらは、ともに活動する会員の皆さん、賛助会員や寄付者の皆さん、協力してくださるボランティアの皆さん、尼崎市をはじめ関係各位のご支援のおかげです。そして「こんぺいとうや、すこやかプラザがあってよかった。」「こんなに大きくなりました。」「『とんとんとん』が大好き。」と、おっしゃってくださるたくさんの利用者の皆さんのおかげです。あらためて心から深謝申し上げます。

 

 今も設立趣旨書に掲げた「子どもや親への支援が、支え合う地域社会を作り出す」という思いに変わりはありません。一方で、この10年のさまざまな出来事によって、社会に対する私たちの認識は大きく変わりました。とくに東日本大震災とそれに続く福島原発事故以降、目の前の親子の悩みに寄り添い、地域の理解者を増やすだけでなく、未来の子どもたちに残す日本社会について深く考えるようになりました。私たちが最も大切にする「子どもの最善の利益」は、憲法を土台とする児童福祉法の理念です。子どものみらい尼崎は、「子どもが健やかに育つ、男女共同参画による心豊かな地域社会の形成」を使命として、平和で一人ひとりが尊重され、一人ひとりが主役の社会を目ざします。これからもご支援ご協力をどうぞよろしくお願いいたします。

 

平成29年5月    理事長  濱田 格子

 

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