30/10/30 🌷法話ver2🌷

 

法話のコーナーが膨張してきたので２つ目にわけます。

 

今後は通し番号をつけます。

 

 

15)また「歎異抄」について。

 

歎異抄第5条は先祖供養を否定しているのか？

 

じつは「父母の孝養のために念仏したことはない」と書き出されています。

 

しかしその後に「順次生」に仏になって助けなさい。

 

また後半に、「いそいでさとりをひらいたなら六道や四生の間に苦しむものを、神通方便で、まず有縁を度すべき」とあって、いわゆる死後の世界といわれるようなところで「業苦にしづめる」ものを救えとあります。

 

結論、「死後に迷っているものがいても、あなたが仏になってから救いなさい」と読み込める結論になっています。

 

比較的使いやすいからなのか、興味があるひとが多いからか、やたらと「歎異抄講座」があります。

 

しかしこれを本当に親鸞さんのことばとするには、教行証文類との矛盾や「おかしな部分」がたくさんあります。

気をつけて、学習くださいませ！

 

 

 

 

 

14)物理と仏理

 

量子論の無は、釈尊の無我だったり、非我だったり。

 

でもどっちだろうと、虚空すらない状態、つまりゼロや空の状態は、無から突然現れた量子が作った世界。

 

面白いですね。

 

物理学や仏理学は。

 

現代科学者に説教するわけではありません。

 

ただ、科学が仏教の哲学的側面をもって科学すれば、もっと面白い発見があると思います。

 

量子論者、脳科学者などの科学者は、僧侶以上に社会的影響力が高いことをわかってますか？

 

社会的影響力を持って人間の在り方にまで踏み込んで

いける人たちだということです。

 

私は数学がまったくダメなんで、文学の仏理学をしています。

 

仏教は、存在や私たちの心を

ダルマ、理法と事法などなど。

 

無我から倶舎、空論、唯識、華厳、法華、涅槃と微妙に

変化しながら、いろんな角度で、存在や人間を科学しています。

 

だけど、そんな仏教の理論なんて、コアな人以外、だれも相手にしてくれません。

 

それを現代科学者が、科学者の観点から仏理学する。

 

そういう学び方を科学者や仏教者がすれば、

間違いなく、互いに発展します。

 

理系のみなさんも『仏理学』しましょう！

 

 

 

 

 

 

13)阿弥陀仏と真如

 

親鸞さんが真実とした「大経」には、阿弥陀仏の名前は出てきません。

法然さんは「観経」中心でした。

 

しかし「観経」は、ブッダの三法印がない、イダイケという母親とアジャセという息子のストーリーです。

 

親鸞さんは、法然さんを師として慕っていながら「人格化された阿弥陀仏を真如法性」と定義されました。

しかも、さらには「光明という智慧だ」という定義をされます。

 

わたしたちは「虫や石かわらけ」と同じであるとして、目の前の真実を智慧をもって受け止めるしかない。

そういうスタンスです。

 

わたしたちは、なかなか「そんな風に割り切れ」ません。

だからかも知れないのですが、親鸞さんはその辺を徹底されます。

 

「どんななぐさめも、同情も救いにはならない」

 

親鸞さんには、そういう厳しさがあります。

和讃などはやさしい一面かも知れませんが、教行証文類などの「僧侶向け」の文章は厳しいものです。

 

人間は「知恵」があるだけ「情」も深い。

そこが人間の最も弱い部分かも知れません。

 

《「虫」に生まれた方がよかった》

 

という人もいます。

どこまでいっても「自然」ですから。

 

人間だけが「不自然、非自然」に生きているのでしょう。

そこで親鸞さんは「そもそもすべて自然である」といったのかも知れません。

 

しかし、老子のように「無為自然」ではなくて、「有為自然」ですから、

クールな智慧が「慈悲」を生んだのでしょう。

 

「あなたもわたしも浄土に生まれる」というファンタジー。

 

勘違いしないでください。

 

ファンタジーが悪いということではありません。

たとえ、友人や家族が「ディズニーランド」や「韓流」にはまっていても、

だれも批判や非難しませんよねぇ。

 

すべてが不確定だと仏教の「中観」もいっているのですから、

あながち「目の前の真実」のみが真実ではないと言えます。

 

親鸞さんも「究極、なにが善で、なにが悪かわからない」といっています。

 

「いい夢を見て生きていきましょう」というのが、

真実ともいえます。

 

だから、親鸞さんもブッダも相手によって「表現」を変えているのでしょう。

 

みんなでいい夢を生きていけるように願っています。

 

 

 

 

 

 

12)ヒンドゥー教のお坊さんをバラモンといいます。

 

このバラモンカースト(階級)のひとは「豚に触ってはいけない」と聞きました。

 

いくら手袋をしていても、棒でつつくのもダメなんだそうです。

あらゆる接触がダメなんだそうです。

 

もちろん食べるなんて、とんでもないことですといいます。

 

 

唯一食べるのは「チキン」なんだそうです。

 

ここからがおもしろいのですが、

 

このバラモンカーストのひとでも、日本に来たら「王将の餃子」を食べる、

しかも「おいしい」っていうので、

「餃子や王将の肉は、たいがい豚肉ですよ」といったところ、「日本だから大丈夫！」っていうんです。

 

「イスラムのハラール」ほど厳しいものじゃないんですって。

 

「ええかげんやなぁ！」っていうと、「日本のお坊さんは結婚もしてるし、なんでも食べるし、お酒も飲むでしょ」。。

 

日本のお坊さんの着てるものは、日本以外では贅沢だということで、インドでは認められませんよ。

「輪袈裟なんてありえない」とも。。

 

およそ宗教者の衣装で「日本」ほど「華美」なものはありえないし認められないですと、たどたどしい日本語でおっしゃるのです。

 

たしかに。。

 

とはいえ豚肉問題はどうなんや。

と改めて聞くと「これが仏教でいうの中道なのでは」と言い返されて「ううん」。。

「そうかも」といいました。

 

ヒンドゥーはこだわらない。

いうなれば「なんでもあり」

 

なんとなく、仏教もそういう土壌から生まれたんだし、

「まぁそんなもんか」って思っています。

 

こういうさとりのあり方が「遊煩悩林現神通」の「遊」なのかもしれませんね。 

 

 

 

 

 

11)  7秒後を考える、7秒前のわたし。

 

脳科学で人間は意思を持って行動していると思っていることも、全て「７秒前」に『脳が決めている』という。

 

本能や反射行動は別であるけれど。。

 

それは、脳の中に普段からどういうデータを入れていて、どういう思考回路かということに基づいて脳が自然に行うといいます。

 

わたしが自由意思で行動しているようでも、脳が勝手に判断して自分が「こうしよう」と思う7秒もの前に、すでに「脳自身」が行動を決めているという。

 

つまり自由意思のように思って行動していても、自分の思考以前に脳の自由意思が決めているのです。

 

まるで、量子が不確定性の中で自由に動き回るようなものです。

 

そういう意味では普段から脳にどういうデータを仕込み、どういう思考パターンをするかということに気を置くことが重要になるわけです。

 

何気ない無意識の行動だけではなく、意識的な行動までもが事前に決まるのだから、これを「自然法爾」と思っても仕方がないほどの「脳力」です。

 

「脳力」をさとりへの「自然法爾」な方向へ向けるベクトルを習慣づけることが、仏道を歩むものの「行」だといえます。

 

親鸞さんが和讃の最後に「獲得の獲は因のとき得は結果」というようにいっています。

 

わたしたちは「因」のときに「さとり」の「果」を得るために、まるで狩のように脳の中に「さとり」への要因を積み重ねて「獲」しつつ、自然に脳がわたし自身を「得」に向けて思考する「クセ」をつけることが重要でしょう。

 

念仏には、憶念と称念がありますが、両方を常に意識して生きることが、そうなることといえましょう。

そういう意味では全てが他力=脳力だともいえますねぇ。

 

以前、養老孟司さんが「唯脳論」という本を書かれましたが、唯識論と同じように思います。

 

 

 

 

10)啓蒙

お釈迦さんは神ではないから、絶対ではありません。

親鸞さんだって、道元だろうが、日蓮だろうが、みんなそうです。

 

仏教学や真宗学が、「絶対的だとされている宗祖」の教えをなぞらえるものでしかないのなら、

過去の遺産の研究にしかならないといえませんか？

 

こういうところが文系が舐められる点の大きなポイントだと思っています。

文学というか、仏教だって進化していいとおもっています。

 

真言宗なんてお釈迦さんより空海さん。

完全お釈迦さんは陰が薄いですよね。

 

日蓮宗も同じ。。

真宗も？。。

 

とにかく文学はそういった優れた人の教えや文学を通して、これからの時代の人に、生きる方向性を示唆できるものになり、啓蒙力を持たなければ、いつまでたっても、理数系のように世の中の進歩に貢献できないという扱いを受けるでしょう。

 

お釈迦さんだって、自灯明、法灯明と言い残され、お釈迦さん自体を崇める必要はないことを最後に言い残されたのですし。

絶対に侵食してはいけないというものでもないのでしょう。

 

だから、宗教というのは開祖を超えてはならないのではなく、

また開祖を神格化するのではなく、時代に応じ開祖を超えていく。。

ないしは、開祖を発展させるものでなければ、存在価値はどんどんなくなっていくでしょう。

 

それでも地球は回っていると言える僧侶はいるのでしょうか。。

 

地球が回ったって変わらない真実、真理をどう社会に活かしますか？

 

そもそも大乗仏教は、菩薩道なのです。

 

そこで真如が法蔵菩薩に垂迹して、願いと行(清浄な行為)を教えています。

 

その法蔵菩薩の願いや行については、釈迦の人生になぞらえて教えられていますが、

 

私たちもその道を歩み、大乗菩薩道を歩むことが社会的に貢献することだといえると思います。

 

むかし、明恵という東大寺の学者が「浄土教には菩提心がない」と批判したことに、

親鸞さんは、信文類で菩提心を明らかにされたのは、そういうことではないのでしょうか！

 

文学として扱われる仏教学も、社会に貢献する学問として発展させたっていいと思います。

考古学じゃないんだし。。

 

このままだと、寺院は遺跡となり、教えは考古学として葬られてしまうかもしれません。

世界人口の何パーセントがアミダの教えにあっているのでしょうか？

 

十方衆生どころか、1ポイントの衆生のみが自己満足の活動で満足しているだけではないかという懸念もあります。

 

世界に認められ得る親鸞さんの教えなら、まず日本人が納得し、そのように生きようと思ってこそ「普遍的真理」として「価値」をもつのでしょう。

 

石油より早く世の中から消滅するというのももったいないことです。

 

 

 

 

9)中道(なんでもあり)

 

中道っていうと「真ん中」っておもえる。

 

仏教は「真ん中の道」というのではありません。

 

「立場を持たない立場」ということです。

 

みんなの人生には「事情」があります。

 

あなたが今のあなたになったのも、いろいろな事情があってのことでしょう。

さとりはそこを理解します。

 

みんな深い事情があるんです。

わたしだっていろいろあるんです。

 

だから、「こうでなければならない」とはいえません。

「All Ok」でなければ「智慧」にはなりません。

 

「無責任」といわれても、そのときは「一生懸命だった」のかもしれません。

 

お釈迦さんが出家したために、釈迦族は亡んだという説もあります。

でも、お釈迦さんにとってみれば「どうでもいいこと」なのかもしれません。

 

価値観だって「人それぞれ」です。

 

その背景、事情を考えれば、「仕方ないこと」です。

社会には法律やルールがあるので、世間の非難を浴びたとしても、どうしようもないこともあります。

 

だから「中道」は立場を持たず、その人や状況において「判断行動する智慧」ということになるのです。

 

そういう意味では「仏教は世界一」なんでもありで「非常識な自由自在な道」といえるかもしれませんね❣️

 

 

 

 

 

 

8)親鸞さんが「ニセモノ(偽)」といったのは。。

 

親鸞さんが化身土文類で「偽」とされて「外道」とされたのは、

 

占い(師)や呪術(師)いう「そのこと」ではなく、「それを利用してひとを振り回し、迷わせ、利益を貪るもの」(師)であって、そのことではないと読めます。

 

とくにあの時代とは違ういまの「ユニバーサル」な時代において、真宗以外のものを否定しても、無意味で非生産的だといえるでしょう。

 

とくに人権や社会に悪影響を及ぼさない限りにおいては、「占いなど」はゆるく受けとっていくほうが「摂取不捨」であると思うのです。

 

「わたしはそんなものは信じない」といったとしても「真宗ではどうのこうのというよう」に大上段に構えるようなことではないと思うのです。

 

もちろん、真宗に真実や真理を求める人については、真偽を明確にするほうが「生産的、発展的である」ということは多いでしょう。

 

しかし、世間において、主張すべきは「そこ」に関する「寛大さ」、つまりは「摂取不捨の大悲に生きる姿」ではないかと思います。

 

「果遂の誓い」という表現もありますが、こういったことはそれ以前のことですから、

目くじらをたてる必要もないでしょう。

 

とにかくいずれの世においても、「ニセモノ」は騙すひとであって、騙されるひとではないのです。

騙されるひとを救済せねばなりません。

 

 

 

 

 

 

7)霊も量子

 

【摂取不捨の究極】

 

全てのものを作っているのは原子、量子です。

(この手の話が多くてすみません)

 

もちろん人間も、人間は大脳新皮質が大きいから、

論理や判断という心の動きがあります。

 

しかしそれは脳の中で、言語によって行われるものですから、

いろんな判断をします。

 

人間が動いていても普通ですよね。。

 

しかし、たとえば霊能や占い、そして宗教となると、「信じる、信じない」がつきまといます。

 

これを違う表現に置き換えると、人生経験が豊富で、五感の働きが強く「一般の人には理解できないものや事柄を理解する能力がある」というならどうでしょう。

 

さらにいえば、可視光ではなく赤外線、紫外線などの不可視光は、いずれにしても電磁波なので、「電磁波を敏感に受け取る脳の力が強い」という表現をするとなんとなく「科学」に思えてきます。

 

どっちにしても、ここで「ひとまず」いいたいことは、たとえ「霊」なるものがあるといっても、それすらも原子や量子の産物であるということです。

 

唯識的に言えば、阿頼耶識という原子構造の存在に、「霊」という「電磁波の種子(しゅうじ)がはいっているひとには見えている現象である」といえます。

 

内容は不適切かもしれませんが、わかりやすいのであえて書きますが、

 

たとえば日本語で「不倫浮気」ととらえるニュアンスと、英語で「affair」ととらえるニュアンスは違います。

英語的に言えば、「人騒がせな情事」というほどで、日本語の持つ「ねちっこい醜さ」はありません。

 

もちろんアメリカでもこういうことは「問題」にされますが、「知性からの情動」として不適切であるというニュアンスのようですから、日本のように「即」「情」の問題というニュアンスとは違っています。

 

つまり、人間界のすべては、「その状況や事柄をどんな言語と論理で理解し対処するか」ということです。

 

その観点からいうと、「霊のしわざ」とか、「運勢がいい」などと言った感情的表現ではなく、

「電磁波や原子の働き」といった論理的理解をするほうが明確に「普遍的な定義」ができます。

 

しかしここで「論理的に理解」しても、「良し悪しの基準」を含めて、冷静かつ「情動」も普遍的に納得する方向に定義するほうが良いのです。

 

たとえば死はイヤなことだと感情理解したとします。

 

これを、「死」は生命が原子や量子に分解することで、「固体が気体になるのと同じだ」

 

と単純に論理的な理解をしても、

いずれもイヤなことという点を「脱出する」というポイントでは、不毛であることには変わりはありません。

(もちろんそれで死を受け入れられればより「さとり」に近いのですが)

 

そこで、「死は浄土へ生まれ、阿弥陀仏になり、迷いのものを導く如来になって、還相の菩薩に変化することだ」と、

感情と論理を一体化させる仏理的表現によれば、死という事柄も「いい意味での意味」を持ち、

私たちの脳の働きを豊かにしてくれるともいえます。

 

この点で必ずしも、「阿弥陀如来や浄土」である必要であるかどうか、「キリストや神の天国(ヘブン)」ではいけないのか？

という疑問があります。

 

こういう点で、阿弥陀如来は「それでいい」といわれるであろうと考えられます。

「え〜っ」ていう声がすでに聞こえますが、そこが「阿弥陀如来の大慈悲」のスタートラインです。

 

「摂取不捨」が原則の「阿弥陀如来」が、「それならあかん」というなら、「摂取不捨の大慈悲の原則」が崩れます。

 

いわば「阿弥陀如来のスタートラインはなんでもあり」からです。

これも表現ですが、実際「このようで」なければ、「さとり」へのスタートラインは存在しません。

 

さとりとは方向の違う「論理か感情」にOKを出せない「法」は限定的です。

ゴールを「さとり」に設定しなければ、なんでもありですし、そこを「受けいれられて」こその「さとり」です。

 

わたしのいのちと、わたし以外のいのちが調和して和合するためにこそ、

こういう智慧と慈悲という脳の使いかたに基づく表現が、人生を豊かにグローバルにしてくれる言語表現であって「仏理」であると思います。

 

 

 

 

 

 

6)ご存知のウサギとカメのお話から。。

 

先日テレビドラマで「なぜ亀はウサギを起こさなかったのでしょうか。」という話をしていました。

 

その時の答えは、「亀はウサギを意識せず、ただただ黙々と頂上を目指したから」だと言っていました。

この、お話は人生訓としては「なるほど」と思えるお話のように聞こえます。

 

しかしこのお話の答えは論理的ではありません。

 

それは、このお話しの前提条件が、亀とウサギの競争にあるからです。

 

そういう点で、一緒にスタートしたにも関わらず、ウサギを見ることなくただ自分の行方だけを見ていたとすると、自分勝手だといえます。

 

「マイペースでいい、遅くても一歩一歩あゆみを進めることの大切さ」を教えるなら、べつの話しを題材にすべきです。

 

この前提条件で論理をたてると、

例えば、もしあなたが誰かと競争をしたとします。

その競争相手が途中で、怪我をしました。

 

それでも、あなたがもし自分の行方しか見ていなければ、相手が怪我をしていてもほったらかしにして、頂上を目指すことになるということを意味します。

 

このような状況をあなたはよしとしますか?

 

こういった「なるほど」と思えるお話に、じつは非論理的なことがよくあります。

もう少し深く検討をしていくような姿勢が必要でしょう。

 

 

 

 

 

5)暁烏さん。

お東の改革派の傑僧で「暁烏 敏(あけがらす はや)」というひとは、

 

本願を普遍なものとして、「あなたが計略や策略なしに浮かんでくる願いに生きよ」というふうにいっていました。

 

事実これが自然法爾なのでしょう。

あなたになにか脳が指示している状況があると思うのです。

 

「その泉のように湧き出る願いに生きよ」

 

これが仏教のあり方なのかもしれません。

 

 

 

4)わたしは具体的にどう五念門を生きているか？

 

なかなか理解されないと思いますが、とりあえず「中神章生」を捨てています。「礼拝」

そして、法性のなかで脳が指示する流れに任せています。

 

だからといって「賢者でも聖者でも」ないので「虫も殺します」。

 

自然界は「そういうもの」なんでしょう。

煩悩といってしまえばケリはつきますが、なんとなくそうでもないんです。

 

ライオンが羊を食べる。

 

でも必要以上には殺さない。

 

わたしの幼少期、実家の鳥取ではあたりまえのように「寝てるアタマの辺り」にヘビがいたり、手のひらサイズのクモがいたり、ふとんをひいたらムカデがいたりしたものです。

 

それが現代のように、文化的生活に慣れると「一匹のハエ」でさえ、殺したくなる。

 

これは仏道でしょうか。

 

「わかりません」

 

ほんとうにわかってもらえないのでしょうが、「不確定性原理」という空性だとすべてを認識しつつ生きています。

 

仏教は冷たいんです。

 

トップにある「ブッダのことば」のタブを開いてみてください。

http://r.goope.jp/sainenji/free/buddha

(ここをクリックしても開けないときはタブからみてください)

 

《ブッダのことばはあたたかいですか？》

 

「論」であって「情」ではないと思いませんか？

(ほんの1つ２つは情もありますが、ほとんど論または現実そのものではありませんか。)

 

わたしは、あたたかい話をしていた時期もありましたが、そういう話は正直「作り話」も多かったんです。

 

30代ぐらいは「阿弥陀さんのお慈悲のぬくもりが云々」という話しを作っていました。

わたしはパクリはイヤだったので、一生懸命に「ネタを作って」いました。

結果その時代に受けたのは「ヨメと姑」の話でした。

 

だから今でも「中神」は「ヨメ姑話しメイン」というふうにいわれているようです。

 

ただそこでわかったのは「ぬくもりでは救われない」事実です。

 

そしてネタなんて、そうそういくつも作れませんでした。

 

布教使さんでいつも同じ話しになっていくのは、そういうパターンが多いようです。

このネタギレループにおちいると「おはなし」がぎこちなくなって呼ばれなくなる。

 

これが怖かった。

 

40代になっていつの日か「そのとき浮かぶこと」を話そうと「開きなおった」とき、新しい方向性が生まれました。

 

それが「真実」を話すことです。「讃嘆」

 

しかし、仏教の真実は「救われないことにドンと居座ること」だとわかってきます。

 

真仏土文類に真の楽は「苦」を受け入れることという意味の論があります。

 

凡夫のいう楽ではない。

「妙楽勝真心」は、いわばそういう「居座り」です。

 

救われないことが救いに転じます。

 

世間的には「理解」されません。

 

無常の中で流れるのです。

 

阿弥陀の船は「波に呑まれない流れる船」なんでしょう。

そこが浄土です。

 

「法然さんに騙されて地獄に行っても後悔しない」

親鸞さんのこの深いことばには「煩悩のわたしはこの道しかない」

 

わたしが自分の名前を捨てて「愚禿」といい、わたしは「南无阿弥陀仏」です。

と言いきれるまで行じる。「作願」「観察」「廻向発願」

 

それが現世で完結するのか、当来なのかは親鸞さん上、問題ではありません。

 

結論、ただ念仏しかない。

 

法性しかないのですから。。

 

 

 

 

 

 

 

3)阿弥陀如来と名のる。

 

親鸞さんは、阿弥陀如来は本来は法性なので「色もなく形もましまさず、ことばも絶えたり」

といわれています。

 

これは小難しいはなしver2の4plusにも書いていますが、ブッダは、人間は存在を「色」という2次元で認識していると分析しています。

 

わたしたちは、存在は3次元の「かたち」だと思っていますが、じつは基本的にはそれは脳がつくった錯覚で、実際は「色」で認識しているという分析をブッダは結論としています。

 

そういうポイントで、親鸞さんは、阿弥陀如来はそういう「色」としての存在でもないし、ことば(名)でもいいあらわせない存在であるといわれています。

 

しかし、わたしの無明を破って「破我する」ためにさとりの智慧が光明として現れたのだものだといわれます。

 

阿弥陀は梵語の「アミターバ」です。

これを意訳すれば”無明を破るムーブ(動き)をもった“「不思議な光明」という意味になります。

 

親鸞さんは真仏土文類に「光明は智慧のかたちなり」と論じています。

 

ここで「かたち」とあるのがポイントです。

 

ブッダは、人間の存在認識は「色」だと解析していると書きました。

(これも詳細は4plusを参照してみてください)

 

ここで親鸞さんは智慧の「かたち」と書いています。

ですから、この光明は存在しない存在なのです。

つまり、阿弥陀如来は「智慧そのもの」だということです。

 

ですからわたしたちは「智慧によって無明が破られる」システムにのることでさとれる。

それは「名」を代えることだというのです。

 

中神章生なんて「無明」がつくった「名」であり「色」です。

 

これを存在しない存在である「南无阿弥陀仏」に代えるのです。

 

わたしとおぼしきものは「南无阿弥陀仏」ですとなのる。

少なくとも自分自身にはそうよびかける。

 

このようなおよそ世俗では「意味不明」な状態に代えるのです。

こういう真実のポイントが「難信」なのです。

 

しかし、この意味不明な状態にムーブメントされる。

そして「いのち」と「名」づけられた状態を生きるのです。

 

「生きる」というのも南无阿弥陀仏にムーブメントされるのですから「動かされる」というあり方です。

 

難信ですから「難しそう」に思えますが、かんたんです。

 

このシステムを受け入れて「南无阿弥陀仏」と称えて五念門の讃嘆に生きていれば、自然とさとりが見えてきます。

これが「観察」です。

 

親鸞さんが和讃の最後に「名号」の「名」は因のときのもので、「号」は結果であるといっています。

 

さとりへの原因事項は「名を代える」その結果「号(喚ぶ)という慈悲(利他)」のものになるといっています。

 

この原因事項から結果へのプロセスが「念仏システム」を生きること、つまり讃嘆を中心に五念門を行じて生きることです。

 

 

 

 

 

 

2)「念仏システムの解析」

 

親鸞という研究者は、釈尊が論じたといわれていた「念仏」というシステムが、なぜ簡単に人間をさとらすのかという課題について研究しました。

 

師匠の法然という修行者が「念仏という行だけでさとれる」と力説していましたが、根拠が弱いと思ったのかもしれません。

 

なぜ根拠が弱いのか。

 

「お経に書いてある」

「中国の高僧といわれる”善導”というひとが言っている」

 

これでは「経典至上主義」で、権威を根拠とした「神秘主義」でしかないのです。

 

親鸞は研究者、探求者として、「納得したかった」のでしょう。

 

いくら「経典至上主義」とはいえ、事実、師匠の法然は「さとりを生きている」親鸞自身もさとりを生きている感覚があったからなのでしょう。

 

なぜ「念仏は人間をさとりに導くのか」不思議だったのでしょう。

 

親鸞は、比叡山にある膨大な資料をプロファイル(分析)して、いろいろな資料があきらかにしている内容を整理し「重要と思われる論拠」を集めて、「念仏システム」の中にあるプログラムを解析していく中で、だんだんと見えてきたことを集約し、「念仏システムのプログラム解析」を成功させました。

 

それが多くの「念仏を行じる宗派」と異なる、真宗が真宗である必要性なのです。

 

親鸞がどのようにプログラムを解析したかというポイントは、今後書くとして、まずはなぜ親鸞が教行証文類を書いたのか、真宗という新たなプロセスを明確にしたのかというプロファイルを知っていただきたいのです。

 

 

 

 

1)「釈迦の法則とシステム」

 

親鸞さんは自分で書かれるときは「仏」より「如来」という表現が多いんです。

 

みなさん「仏」というと「神も仏も。。」とおっしゃるように、神のような存在と思われていませんか？

 

じつは「仏は悟り、悟りは、法性」、つまり「仏は法則」なんです。

 

 

現代的に表記します。

 

諸説あり確定できませんが、紀元前300年後半から500年代にインド北方、今のネパール出身の「ゴータマシッタールダ」というひとがいました。

(このひとは釈迦族の出身ですから「シャカ」と略します。)

 

シャカは、「人間について研究」しました。

この研究はシャカ自身が「検証」しながら行われた研究です。

 

まず「研究のテーマ」は「なぜひとは苦しむのか」というテーマです。

シャカはさまざまなひとにリサーチして、多くのひとのあり方をプロファイル(分析)しました。

 

研究の結果、シャカは「ひとのあり方の底辺にある法則」を発見しました。

 

シャカの発見した

「第1法則」は「すべては変化をしつづける」という「無常の法則」です。

「第2法則」は「変化するものに確定性はない」という「無我の法則」です。

「第3法則」は「人間という存在は第1、第2法則に従えば苦しまない」という「涅槃寂静の法則」です。

おもに、この３つの法則を発見されました。

 

もちろんこれらの法則の基本は「人間はみな苦しんでいる」という「根本法則」からその理由をプロファイルされたものです。

 

しかしこの「根本法則」を研究するなかで、結果「存在すべてに当てはまる」いわば「だれにも疑う余地のない真理」を発見しました。

それがこれらの「シャカの３つの法則」です。

 

そしてさらに「シャカ」は「この法則」に基づいて「これらの法則に生きて苦を除くシステム」を構築しました。

これを「仏法」といいます。

 

また、「シャカ」は、その研究結果とシステム開発のすばらしさから真理に目覚めたものだと称賛されて、「ブッダ」と呼ばれました。

今の時代なら「ノーベル〇〇賞」が得られるでしょう。

 

このシステムは多岐にわたっていて、多くのシステムが残されて発展しました。

 

「３つの法則」と「苦を除くシステム」は、のちの研究者の時代を経て、「空論」や「真如論」と発展しました。

 

日本に伝わった多岐にわたる「苦を除くシステム」の中にあった「念仏システム」について、1173年ごろ生まれた「親鸞」という研究者は、その「念仏システム」の解明をしました。

 

研究の結果、念仏システムに隠されている「シャカの３つの法則」を抜き出して、シャカは「真理」つまり「真如」をわたしたちに教えるために人間に生まれた「真如から来た」「(真)如来」であると称賛しました。

 

親鸞は研究において、シャカや多くの賢者による研究を「仏と諸仏」と表記し、まとめて「如来」と表記されたのは、このように「すばらしい研究とシステム」への称賛によるものです。

 

わたしたちも「シャカや親鸞」の研究発見された法則とシステムを導入すれば、インドで「ヴァガバート」といわれる「最高の幸せ」という利益を得ることができます。

 

 

 

 

 

 

 

◯【問い)より。

アキオちゃんのＨＰを熟読しているつもりですが、

「合掌礼拝」の姿（行為）は、自分（我）を投げ捨てるという感じの文章が確かあったと思うのですが、

 

すごく響いたのに

その投稿がどのページで読んだのか探せません

 

合掌礼拝とは

 

そのへん

もっかい教えてください。

 

【わたし】

五念門行の礼拝は五体投地です。

つまり、自分を仏ないしは法に投げ捨てる、託すことです。

 

釈尊入滅時に「自灯明、法灯明」といわれました。

つまり法灯明した自灯明に生きよということです。

 

「礼拝」は「お礼」ではなく、無我へ向かう行いです。

 

それの略式が合掌礼拝です。

 

「救われたお礼」というなら、救われた自己満のわたしが厳然と存在しています。

それを仏教というなら、ブッダの教えではないニセモノです。

 

 

 

 

◯【問い】より。

阿弥陀如来を

 

現代人に「無量」と伝えるとき、いまだどこか届き切ってないなあと思い、言葉を探しています。

 

 

「はてしない」

「かぎりない」

 

ん？

 

「永遠」

 

なるほど

 

でも、んー？

 

「二度とない」

 

それも

真理とはちがうし...

 

これや！

という言葉を探しながらみつかりません。

 

やはり

 

阿弥陀如来は

阿弥陀如来と説くしかないのか。

 

 

もっと

「それならわかる」という言葉がないのか。

 

 

そのへんを聞かせて下さい。

 

【わたしの返事】

アミターバは智慧の光明ですし、明確に「無碍光」と親鸞さんはいっています。

「無量」という言語に当てはめようとすると複雑化します。

 

寿命については、「アミターバの光明が寿命無量」というように、

あくまでも主語はアミターバです。

わたしではありません。

 

【問者】

 

「無碍」

ありがとうございます。

 

 

昨年、自分の経験から得た体感は

 

「頭は嘘つき 、身体は正直」

 

このシンプルな想いでした。

 

僕はいま、自分の体験から「自我から無我」がテーマになっています。

 

 

【わたし】

 

 

結果そこが、仏教が仏教である所以(ゆえん)です。

名号のひとりばたらきで「わたしのあり方」がなにもかわらないものは仏教とはいえませんね！

 

無常無我→空→真如→自然→そこへ至るための方便(善巧方便の阿弥陀如来)→無常無我。。。

 

という循環に乗託するとこのループになじんできます。

そのプロセスによって、無我へと近づいていきます。

 

体験上、そうなっていきます。

 

 

 

 

 

 

◯わたしは「ある」のか「いる」のか？

【読者さまの問い】

ＨＰ毎朝毎夜読ませてもろてます^ ^

私の存在ということを問題としたとき

 

まずもって

「ある」と「いる」は自力、他力という二極化において違うのは「自力と他力」と説明はできるが、果たして「存在」という根本において

 

果たして違うといえるのか？

 

そのあたりを

自分で問答しています

 

 

アキオちゃんなら

「ある」と「いる」

 

 

どうご解釈されますか？

 

自分が「いる」

 

自分が「ある」

 

 

そのへんを

整理したいので

 

お聞かせ下さい。

 

【返事】

「ある」は状態を表現しています。

「いる」には実体が含まれています。

 

自力と他力の決定的な違いは「悟ろうとする自分が残っている状態」または「わたしがいる前提で念仏する」これが自力。

 

「悟るために(いた、あった)自分を捨てて、ただ法に乗託する。(五体投地)」これが他力。

 

他力のサンスクリット言語は「パラタントラ=縁起」です。

縁起に委ねることです。

 

HPにも書いてますが、じつは教行証文類には「名号と名字」が同じぐらい出てきます。

「号のよびごえ」と同じく「名字へのこだわり」が問題になります。

 

ひとは名を残したがります。

 

そこにある自我、我執を「南无阿弥陀仏の名字に置き換えて生きる」ということです。

わたしという状態がある、それをまるまる南无阿弥陀仏がある状態に転換するんです。

 

 

【問者】

 

「自我」から「無我」へ

 

［いる］と［ある］

 

アキオちゃんの

お話を見聞きして

 

言葉、文字として難解ではありますが、僕は感覚と熱量で聞いてます。

 

その中で僕なりに、

そのへんをテーマにし、「自我から無我へ」と前頭葉で整理しているところです。

 

【わたし】

とてもわかりやすい切り口の問いです。

 

「わたしがいる」となると「南无阿弥陀仏もいる」となるので、2極化します。

 

しかしそこで「いる」を「ある」にかえると結合します。

 

 

 

 

 

◯人間に生まれてよかったですか？

ある日あなたは思いもよらず、人間に生まれ、その場所、その状況に生まれたのです。

決してよかったといえる状況ではないのです。

 

しかし、あなたは2才ぐらいから「第一次反抗期」つまり「自他を分別」しはじめました。

そして自己を自我へと意識して、「イヤ」とかいうようになりました。

 

12才ごろから親をうとましくおもう「第二次反抗期」つまり「依存先の変更」をしました。

いわゆる「親ばなれ」です。

 

人間の発達プロセスでは、0才から12才ごろまでは「親」に依存し、つぎに「友人」に依存し、18才ぐらいから「異性」に依存し、30才ぐらいから「社会」に依存します。

 

そんななかで「わたしはなんでこういう境遇に生まれたのか」という問いが出てきます。

とはいえ、現実は「シャーナイ」とそういう点に思考停止させて、人生をのりきっていくのです。

 

しかしじつは心のどこかでそれを問い続け「ガキっぽい」とこの問題を放置しています。

 

あなたにとって、あなたの世界観がすべてです。

 

どういう世界観に納得しますか？

 

あなたのいのちは「納得」したがっています。

そのスタートラインが仏教、ことに真宗の「縁信心」です。

 

 

 

 

 

 

◯時代によって変化する教学

小難しい話ver2の抜粋から始まりますが、内容は違う角度のお話しです。

 

私の記憶ですが、昭和50年代までは「生苦は生きていく苦しみ」と布教使は話していました。

しかしサンスクリット原典や原始経典などの研究が発展し「生苦」は「生まれる苦(生まれること自体が苦)」であるということが明確にされました。

それから生苦については布教上語られることが少なくなり、老病死苦などの7苦ばかりが語られるようになっています。

 

人身受け難しと喜ぶことと、生まれる苦ということの矛盾がそこで明確化したわけです。

 

意外と本当の意味で教行信証や歎異抄、原始経典などいろいろな聖典が公開された歴史が、戦後であり、かつ本格的な研究が始まったのは昭和40年代と新しいため、実は仏教の学問は歴史が古いようでじつは最近なのです。

 

つい最近といってもいいぐらい、昔は経典をごくごく一部の人が研究していたのです。

 

たとえば昭和60年代ぐらいまで、「無我」を「霊魂のような魂はない」という意味で使われていました。

 

しかしこれは間違いで「わたしたちすべてが〈我〉ではない」という解釈がサンスクリット語によって明確になり、「無我」よりも「非我(我にあらず)」のほうが明確だといわれましたが、今でも「無我」といっています。

 

この解釈でなければ「真如」とつながらないのです。

 

しかしあくまでも「アートマンātman」の解釈が広いので、トータル的な研究での非我ですが、すべてが「我ではない」とするのが仏教での使い方です。

今でも意外とそこは混同されています。

 

近年までのお西の布教使の学問は、先輩からの口伝の教育によるものでした。

そんな時代の布教使は学者ではないため、結構いい加減なお話も多かったのです。。

 

布教使ならずとも「龍谷大学の教科書」も、昭和3年生まれの父の大学時代の教科書は、やたら修飾語ばかりで、仏教の論がほぼありません。

 

「釈尊は偉大なる大医王であり、念仏はこれぞと法然上人が選びとられた広大無辺なる普遍的で非常にすぐれた釈尊出世本懐の唯一の衆生救済の手立てなること」なんていう文章は、なにを証明してきたのか。

 

お東さんは、学者だの布教使だのという分担ではなく、学者であれ住職であれ、学んだ人は布教をしていたと学びましたが。。。

 

まぁいずれにせよ、仏教の近代的学問の歴史は浅いと言わざるを得ません。

 

戦前や戦時中などは、布教や講義を「憲兵(軍事的警察)」が聞いていて、天皇や国家批判などしようものなら逮捕されるなんていう時代が、そんなにむかしではないのですから、それは当然なのです。

 

言論の自由になって70年もたつのに、いつまで「古典的な学問の仕方」を続け、むちゃくちゃな教学を振り回しているのでしょう。

 

今でも布教使が「迷信俗信批判」をしますが、現代人がうなずける「真宗」を説かずに、枝葉末端の話しばかりで迷信俗信がなくなると思っているのでしょうか？

 

迷信俗信にもそれなりの歴史があり、信じている人にとっては深い意味があることも多いのです。

 

また、仏壇のお供えの仕方や焼香は1回とか、ある意味「大きな問題ではないこと」を指摘するばかりで、なぜなのかをいわない。

 

昔「信は荘厳より生まれる」といっていたが、この場合の荘厳は「仏壇の荘厳」ではなく、「浄土の荘厳」を聞くことですが、なんせ真宗は「言語定義」しない話しが多すぎて、あいまいすぎる。

 

文学ですからでは「さとり」が失われてしまうのです。

きっちりすべきポイントは定義が重要です。

法話を聞く方もあいまいでわからない点は、質問されたらいいのです。

みんなでそういう方向に修正しましょう。

 

 

 

 

◯浄土真宗系でも枕経(臨終勤行)の際に唱えられる。

『流転三界中　恩愛不能断　棄恩入無為　真実報恩者』という短い偈文の意味は。。

 

三界の中に流転して

恩愛断つことあたわずとも

恩を棄て無為に入るならば

真実に恩に報いる者なり 

（「清信士度人経」四分律行事鈔・巻下四）

 

迷いの世界を輪廻している間は、恩愛を断ち切ることは難しいけれど、思い切ってそれらを棄て、仏道を歩む決意をすれば、真実に恩に応えることになるということです。

 

それは、この娑婆世界を生きていくには、親の恩や肉親の愛情など、どうしても絶つことのできない絆やしがらみがありますが、

その絶ちがたい恩愛を棄てて、「無為」に入るのが真実の「報恩者」だという意味です。

 

こういう点からしても、世俗と仏道は、報恩の意味が違い、

基本非常識なもので、それは真実の深みを表します。

 

 

 

 

◯布教使と住職

 

私が布教していて、継続する先はモチベーションの高いお寺です。

特に住職さんのモチベーションが門徒さんに影響している構図が事例としては多いように思います。

 

モチベーションも地域性や年齢などによって、その内容が異なります。

 

端的に言えば、関西で理解されても、関東では受け入れられない、またその逆もありますし。。

 

背景として神社の強い地域。

大阪の岸和田では「だんじり祭り」に、僧侶でも参加すると言う歴史があるようです。

 

沖縄のように元々、クニが違う地域もあります。

以前沖縄別院に行った時に「沖縄では仏壇が全く異なり、阿弥陀佛すら安置してくれない」と別院の職員さんからお聞きしました。

 

また、日本は必ずしも農耕民だけではなく、かなり山の民もおられますので、それらは背景や生き方が違います。

 

私の地域でも「北山田町」と「南山田町」では、歴史が違うので地域性が異なります。

 

つまりは「対機説法」＝「方便」とするなら、真仏土文類にあるように「如来は衆生の資質を知る」そこから出ているのが、阿弥陀如来であると言う展開なので、阿弥陀如来そのものが善巧方便であって、これ以上の方便はありません。

 

ですから、「阿弥陀如来の方便に対するモチベーション」をどうあげるのか。。。

 

それを布教使の資質だけに求めることは難しいでしょう。

 

門徒さんと布教使をつなぐ住職さん自身が、どのようにモチベーションを上げ、住職さんが自分のモチベーションが上がるように聞きたい話をする布教使を呼ぶ、ないしは育てる。

わたしが布教使になった頃は、「若手布教使を育ててくださる住職」がたくさんおられました。

 

「わかりやすい話をお願いします」という場合は、モチベーションを上げるのではなく、「こんなもんでいい」というケースが多いように思います。

 

あちこち行っていて思うことです。。。

 

浄土真宗の法話がどんどん法滅している。

聞き手がダメにしている。

 

住職が布教を依頼するときに「わかりやすくお願いします」

とよく言われるが、大概の場合それは「感動的なまたは面白おかしい話」を意味しています。

 

「こんなことがありまして。。。」

いわゆる体験談、因縁話、比喩である。

しかしその中に仏教がない。

 

その仏教のない話こそが「わかりやすい」と言うのです。

 

「日々感謝ですね〜」なんて、別に浄土真宗、ましてや仏教でなくても良いがそんな話が喜ばれる。

 

明確な「キレイゴト」こそ「ありがたい、ありがたい」と言って聞いているのです。

 

昭和までは、私も布教に行った先で話を聞いている「お同行」が講師部屋に来て、いろいろと突っ込んだ質問をして来たものでした。

 

「わかりやすい話」ではなく「ちゃんとした仏法」の話を求めておられたのです。

まさに「お同行」でした。

 

そのように布教使は、すぐれた先輩や住職やお同行に育てられたものです。

 

今は、門徒さん(本来の意味ではなく檀家さんの言い換えぐらいのもの)としか呼びがたく、お同行がいないのです。

 

もっと布教使を育てる住職やお同行はいないのでしょうか？

 

 

 

 

 

◯死んだら

阿弥陀同体と還相廻向

真宗僧侶の多くの勘違い。

浄土に生まれたらどうなるのか？

 

阿弥陀と同体になる。

海一味になる。

 

でも還相の菩薩になる。

 

どっちなの？

って聞かれることがあるけれど、証文類の証とは、我々の得る果を示して、真如一如とされているのだから、如より来生して報応化は、私が阿弥陀と同体になったすがたであり、その上で還相の菩薩になる。

 

これは、如来が法蔵菩薩として垂迹して教化されるのと同じストーリーであり、衆生にさとりという方向を示し願うようにあえて菩薩として活動することを示されたものなんだから、阿弥陀と同体でいいのだけれど、混乱している人が多いのです。

 

親鸞さんは、曇鸞さんが中心であって、五念門行中でも讃嘆が重要で、その上で五果門の薗林遊戯地門、すなわち利他が重要であることを述べているのだから、法蔵菩薩と同じように、還相の菩薩として垂迹し、衆生の目線から、衆生が大乗菩薩道を歩むように導かれることを明らかにしているんです。

 

どうぞ混乱されませんように。。

 

 

 

 

 

 

◯まじめに生きている現代日本人ほぼ51%の本音

 

「ハッピーバースデー🎉」って。。

誕生日ってそんなにめでたい

ありがたいものなのでしょうか？

 

そもそもあなたはノリではなくてマジうれしいですか？

 

子どもの頃は「とりあえず友だちが来て」

スペシャルなプレゼントをもらうこともなかったけど、

ケーキがあって「さわぐ日」くらいな感覚でしたが、

小6ぐらいで「そのイベント」もなくなりましたねぇ。

 

生きているのがただつらいだけの時期は

そもそもこの世に生まれてさえこなければ

こんなつらい思いをしなくて済んだのにと思ったものです。

 

お釈迦さんも子どもに「ラゴラ(足かせのようなもの)」と名付けたようです。

 

親や先祖のおかげっていう人たちは、

「封建社会のすり込み道徳」や

「高度経済成長期、バブル期」にいいめをしたひとたちでしょう。

 

まじめに生きている現代日本人ほぼ51%は

先祖のせいで「生苦」の存在として「生まれてしまった」

と恨んだりしている人もいます。

(事実そういう相談が多いから)

 

生苦(生まれることが苦)とは最大の苦しみ、「苦が生まれる」と言うことです。

 

だから私は子どもをもちたくないというひともある。

 

ほぼ現代の若者80%は、長生きしたいと思わないのです。

 

もう死んでもいいという人も「いわないだけ」でけっこういます。

 

焦らんでも

いつか必ず、間違いなくお迎えがくるから。

 

なんてそんな言葉をよく年寄りやうまく生きているひと、生命力の強い人はいいます。

 

お浄土に往生するというのも、

「永遠のいのちが得られるというなら、とんでもなくしんどい気がする」

と負担に思う人もいる。

 

そもそも「往生」は本来「無生」であり、

人間がわかりやすいように

生まれるという言葉を仮に使っただけのものだと、

「論註にもあって教行証文類にも」引用されています。

 

真如へ至る状態であるから「無生」だけれど、

因果を明確にするために「生」というといった性質の論なのです。

 

真宗は言葉の表面だけを取ると意味を取り違えることが多い。

 

ほとんどが凡夫のレベルに合わせた言葉遣いをしているだけです。

 

だから生も死も単に状態の移行、変化に過ぎないのです。

 

死ぬのが早かろうが遅かろうがそういう宿業なら

それをそのまま受け入れるしかないというほどのことです。

 

体調が悪くなると楽になりたいと思うけれど、

ひょっとしたらこのくらいの不調でも縁が重なれば死ぬこともあるだろうし、

 

若いからといって長く生きるとは限らへんし、このまま死ねへんかなぁっていう人もいます。

 

ここで「せっかくいただいたいのちですよ」なんていう説教は通じません。

 

真の救いは、俗世も浄土もファンタジーに逃避することではなく、現実に向き合える智慧を得ることが第一義です。

そこから、その智慧を以て、現実に向き合える仲間が生まれるよう教人信する慈悲に生きることです。

 

最近僧侶の方々や布教使の方々から、空華だの石泉だのと、「学派があったんですね」と。。。

 

お西には少なくとも昭和の終わりまでは、各学派ごとのしっかりとした学者がいて、それぞれの持ち味を教えてくださったものです。

 

そこには宗学の長い歴史があり、どれが正しいと言うことでもなかったと感じつつ学んでいました。

 

「この学問をもって、お前はどう領解するのか？」と問われているようで、私たちは懸命にいろいろと学びました。

 

今は「エセ空華」と言ってもいいような、自分の学んでいる学問の歴史も基本も基盤も知らず、ただ学者や布教使の話を「盗んで」どこもかしこも布教使は同じようなことを「さも自分のことのように」話している。

 

そこにはもはや仏法はありません。

まじめに生きている現代日本人のほぼ51%を救えません。

 

空華や石泉の重要かつ根本的な相違である「大行論しってる？」

って言っても知る由もない。。。

 

教えられる先生がいないのだから。

 

私のように「肩書き」のない、「全国区」でもないものが言ってても、僧侶は聞きもしない。。

 

しかし、熱心な若いお同行は、ほんの数名であっても「肩書き」のない私のところへ、遠くからでも学びに来ているし、徐々に「遠くても学習会をしたいから」というお声がかかって「交通費」だけでいいですという前提で伺っています。

 

別に私が正しいとか、私の話を聞け、と言っているのでは決してありません！

 

ただ、現状維持でいいという僧侶の姿勢、何が真実なのか究明しようともしない体質が、日本人の体質を正すこともできず、法滅…いや、日本人の滅びが近いことに危機感も感じていないことが切ないのです。。

 

まもなく日本は慌てる時がくるかもしれないと根拠をもって感じているが、僧侶も布教使も恵まれているおかげで、政治や社会事情は信心と無関係であるとして、目もくれないで「ファンタジー」の中で生きている。。

 

根拠のない教えはファンタジーでしかない。

「夢幻の教えである」

 

これを読んで「何を言ってるんだ」と思う人こそ、ご注意ください！

どんな角度から見ても日本の崩壊は目前なのです。

 

無常の真理ですから。

 

お釈迦さんや親鸞さんが政治に関わらなかった理由を真剣に考え直してみるべきではありませんか。

 

「生々しい現実 」と「法(ダンマ)」の葛藤のありかたを生きることこそ、行者なのだと言うことが見えてきます。

どっぷりと「生々しい現実」にまみれている僧侶方、お気をつけてくださいませ(≧∀≦)

 

僧侶のみなさんにわかりやすい現実を言えば、経済的に困っている寺院、また今後の寺院運営を案じている寺院、いずれもエコノミックの問題になります。

 

あくまでも傾向ですが、経済的に困ることなく、将来も案じない寺院の住職はモチベーションがかなり低いように思います。

 

「お寺は貧しくても兼業住職しているから、寺の収入が仕事の給料+αになっているという住職」かつ後継者もあって、将来も案じていない寺院も同じように、モチベーションは低いようです。

 

経済的に安定していれば、現状維持。

 

不安なら変革を求めるという人間の現実で言えば、教えに対するモチベーションが、さまざまな地域性などを超えて、単純に経済によって異なるというのが、寺以外でも資本主義日本においての課題でしょう。

 

「資本主義を超えられるかどうかという事実が最初の大きなハードルかもしれません。」

 

 

 

 

◯仏理学。。。

誰の真似でもなく浮かんできた言葉。

これからは、

「浄土真宗石泉系仏理学者」

を名乗ってみようかと思っています。

「社会不適合人間代表」

もいいかなぁって。。。

社会不適合人間という随想を書こうかなぁ。

できれば本にしたいけど、あ〜そういう発想がすでにアホ！

 

私は愚かである。

私のように、ある特定の点で納得しなければ迎合できない者は

社会不適合者なのかもしれない。

 

どんなに時代が成長しても、どの国も人脈社会だから、

立場が上の人とうまくやれない人は認めてもらえない。

 

資格や免許の試験に通れば、能力と関係なく仕事ができる。

もちろん学歴だって同じ。

 

以前借り入れは計画的にっていうCMがあったけど、

計画できない人が頼るものなんだろうし、

計画的に経営してるはずの、銀行やローン会社自体が

計画通り進んでない。

 

国家自体そうなんだから。

 

人脈や金脈、そして権力の力で動くのが現実。

騙し騙され正直者は、社会不適合者。

どんなすぐれた仕組みや組織を作っても、

それを動かす人が全てをスポイルさせる。

 

腐ってもいいんだよ、一部の要領のいい人がうまくいけば。

あとはおとなしく黙っていること。

上手く行こうと思えば、黙ってること。

なんかおかしい？

疑問がある！

なんて思わないこと。。。

まして、SNSに投稿するなんて、おバカさん。。

おバカさんはワタシ。

 

っていう感じで、また続き書きます。

 

 

 

 

 

◯何年か前に名古屋別院の新聞に書いたもの。

仏教の救い

仏教、中でも浄土真宗の救いを、「念仏申せば仏になる」と親鸞聖人がいわれているので、「念仏をとなえれば、ないしは阿弥陀仏を信じれば、お浄土なるところに行って成仏するんだ」ととらえて、死後の問題と考える人が多いようですが、実際は、そんなファンタジックな死後の話ではありません。

 

そのようなファンタジーはミッキーマウスと同じ思考構造で「ミッキーマウスがディズニーランドにいて、そこに行けば楽しい世界がある」というようなものです。

念仏申す人生とは、お釈迦さまの説かれた浄土三部経のおしえや親鸞聖人の教え、念仏者の話や生き様を見聞きする中で、仏の智慧と慈悲にふれ、「阿弥陀仏の教えは真実、真理、道理だなぁ」と感じ、その真実性を受け入れて、「私も仏の教えのなかで、智慧と慈悲に生きていこう」と人生の方向が『真実真理のさとりへ向かう人生へと方向転換』して生きていこうとなることが前提となり、

そんなご縁の中で、「念仏申す人生を送ろう！」となるわけです。

そこで、浄土真宗のポイントである智慧は、「世の中の歴史的流れも現在も、一つの宇宙的流れの一部分である」「そして私もみんなも全て宇宙的には同じ流れの中で、同じ原子で出来ているのだから、結局みんな一つなんだ」とわかることを仏教で一如(ありのままでみればひとつ)といい智慧の基本です。

私たちが仏教の智慧の教えに出会い、この本来的あり方の一如観に基づき、真理の道理に従って、お互いに理解しながらひとつに和合しようとすれば、相手やさまざまな事柄を受け止めて、慈しみの心で生きていこうという慈悲の生き方に変えられていきます。

仏教は、このように他の救いを考え実行し和合することが私の救いになるということが真実だと教えてくれます。

そしてその究極が阿弥陀仏の教えで、どんな人でも生命でも、ありのままを摂取不捨(おさめとり捨てない)するという、智慧と慈悲が全ての存在に及び、その全ては和合しているということを示しているのが、浄土ということになります。

とにもかくにも仏教、中でも浄土真宗は阿弥陀の教えを聞き、念仏者として社会に智慧と慈悲の心を広め、浄土というあり方を目指すことにつきますし、そのように生きることが救われた私の姿だと感じられるようになります。

 

 

 

◯縁信心と因信心

以前、龍谷大学に信楽という教授がおられ、リアルに信心には

「初門位の信心」と「究竟位の信心」があるといわれていました。

これは、実際「阿弥陀如来の教えに生きようという時点での信心」と

「人生が熟すとともに熟した信心」には違いがあるとプロファイル(分析)された「現実論」です。

 

しかし当時の勧学寮は「信心にふたつを立てる異安心(異端)」だとしました。

 

じつは教行証文類を読むと、行文類の引用に「十七願の諸仏の讃嘆が衆生の讃嘆に転換する部分」に

「信力増上」と出てきます。

 

以前書きましたように、増上は縁ですから、ここの信力は「縁信心」となります。

 

ちょっと古いかもしれませんが、お見合いする前に、見合い話を持ってきたひとに「この人いいよ」って勧められながら、相手の写真と履歴書を受け取って眺めているような状態です。

 

見合い話を持ってきたひとを「お釈迦さままたは諸仏」に例えます。

そして見合いの相手が「阿弥陀如来」です。

 

この時点で「いいかも」と思って「お会いします」となると、「ご縁をいただいた」となります。

これが「縁信心」です。

 

そしてお見合いをして、お付き合いが始まり、どんどん関係が近くなっていきます。

これを「方便力」といいます。

 

やがて結婚となったところで「相手を受け入れる」のですから「無疑」という「因信心」状態になるのです。

こういうプロセスを「信心が能入して、涅槃の真因になる」といいます。

 

信心はこういうプロセスをいっているので「もの柄」はありません。

教とは無量寿経、行とは無碍光如来のみ名を称する、という定義できない「状態」なので、教行証文類の信文類に出体釈がありません。

 

石泉の流れを重視された「信楽教授」のリアルな大信論は教行証文類に沿っています。

 

 

 

◯行年、享年

一般的にいずれもだれかが亡くなった時に、没年齢を書く時に使う表現です。

 

お坊さんから「満は80歳ですが、1歳足して81歳にしますよ」というようなことを言われたことはありませんか？

本来「行」をした年齢を意味しますが、なぜ1を足すのか？

厳密には「数え年」ではありません。

 

むかしはゼロの概念がなかったからです。

 

今はゼロの概念に基づいて、みんな生まれて1年はゼロ歳ですが、

これを「満年齢」としたのは比較的最近です。

昭和24年からといわれています。

 

つまり行年や享年をどちらにするか。

どちらでもいいといえます。

 

 

 

◯なぜ苦しむのか？(いくつかの文章の混合なので色々な文体が混在します)

 

宗教はこの問いを複雑化させる。

これは、二つの方向性で処理すれば良い。

 

一つは、ストレス要因を抱えないこと。

二つ目は、言語定義を変え前頭葉思考にすること。

である。

 

脳は一つのテーマを持つとそれを考え続ける癖がある。

 

この人誰だっけ？と思っていると、その時思い出せなくてもなんかのタイミングで思い出す。

これは、無意識ではあるが脳はずっとそのテーマを抱えるからストレス要因となる。

 

「健康でいたい」という思いもストレス要因となる。

サプリメント飲んだ方がいいんだろうかなんて考えるとまた一つ増える。

 

腰が痛いのが苦痛である。

そうではなく「痛い」だけでいい。

仕方がないと処理する。

 

「悩みがあって」ということに悩むことで２つ同時にストレスを抱える。

「〇〇な状況をどうすべきか」と処理すれば良い。

 

「厳しい状況にあることが辛い」ではなく、「厳しい状況にあるどう対処するか」と知恵を巡らせれば良い。

 

この知恵ということが２つ目の処理方法である。

苦というのは情が生むことがほとんどであるから、知性に持っていくのである。

いつもいう前頭葉思考である。

 

「厳しい状況を乗り越えるために、知識を求め知恵を持って思考する。」だけで良い。

「どうしたらいいのか。どうにもならない難しい。」これは情でありストレス要因を増やすことになる。

 

「お金がないならないように過ごすか、どうお金を得るのか。」と考えれば良い。

わからない時は考えず浮かんで来るのを待っていれば良い。

 

いつまでもそのままではないから。

 

借金取りが来るなら、丁寧にお迎えするか、上手に逃げるか、言い訳するか弁護士に委ねるか考えれば良い。

来ることそのものを怖がってもストレス要因を増やすだけ。

 

世の中には、神と悪魔、仏と魔などの明と暗があるのではなく、情的思考がひとつの真理を分断してしまうのだ。

 

先日私の手が黄色いことに気づき、とりあえずホームドクターに行った。「まぁ大丈夫だろうけど肝臓かもしれんから血液検査しましょ」といわれ、「結果が悪かったら即入院ですよ」って言われたけれど、私は理由が知りたかっただけなので、「入院はいらんわ」といった。

 

理由がわかればそれで、「なんか手が黄色いなぁ」というストレス要因がなくなると思ったから。。

実はそれはそんなに気にしてもいなかったけれど「ふと」した時につい思ってしまうので、「理由だけ知れば、このふとした思いもなくなるだろうと思っていたのである。」

 

「肝臓が悪いならどう悪いのか知って、私なりに対処法は考えよう」と思っていたから。

本当に入院なんて選択肢は必要なかったのである。

 

ただ、結果は特に問題なし。。

あっそうですか。

「よかったとも悪かったとも思わない。」

そうなのかというだけ。

 

こんな感じで、出来事に意味や情を加えるとストレス要因を増やし、どんどん人生が重くなるから、知性を使って冷静に考えるようにすると、「苦も楽も同じこと、健康でも病気でも同じこと」

と、仏教の悟りとされる「一如」の境地へと至る道が開かれる。

 

この一年こんな風な道がどんどん開かれていくのを感じてきた。

 

結局このことは、仏教に学んだことなんだ。

 

南无阿弥陀仏は、仏智(現象や人間のありのままを、時空に合わせて見つめる眼を持つ、悟りの智慧＝論理)によって、自己の煩悩を観察することで、煩悩をキッカケに自己の思考を智慧に転じて生きる人生を過ごすことだと、教行証文類と今までの学びを通して自然に推論が浮かんできているので、ただ南无阿弥陀仏の讃嘆行を生きています。

 

これは、脳の使い方でいえば、煩悩は情を司る扁桃体思考が生むので、現象や人間のありのままを、前頭葉に移動させて、論理的思考に変化させること、つまり仏智によって煩悩が悟りへの資源に転換させられることです。

 

その上で、その方向に人々を導く慈悲の人生を生きること。

文章にするとややこしいなぁ。。。

 

 

単純にはいえないし該当される方は批判的に感じられるかもしれませんが、

 

ガンになったとして、ガンになった＝死ぬかもしれない、そうなったら残された家族はどうなるのか、死ぬのも怖い、どうずれば治るのか、とガンになったというストレス要因から、死ぬかもしれないに始まって、ここに書いただけでも４つのストレス要因を生んでいる。

 

ガンになった、死ぬかどうかはどうでもいい、家族もなんとかするだろう、別に死は怖くない、治らないならそれでもいいとなれば、はじめのガンになったすらストレス要因にならないかもしれない。

 

ステージ4でもガンが自然治癒する人がいるけれどそういう人は、たいがいガンだろうがなんだろうがすべきことがあるんだという意志の強い人が多い。

 

創業社長はたいがい長生きである。

それはストレス要因を生きるための挑戦事項と返って頑張るからだと言われる。

 

ストレスは与えられたゲームだと考えて攻略する楽しみと捉えるとすとれではなくなると、以前アメリカの学者が教育テレビでスピーチしてたのを思い出した。

 

 

 

今書いたことに追加して説明すると、「苦」という言語と「ストレス要因」という言葉とどちらが知性的だろうか。

もちろん後者である。

 

だから「苦」という言語を使わず「ストレス要因」と捉えて、

それを減らすことで、前向きに生きられるということを言っているのである。

 

そのために知性を使うのだということ。

 

「苦痛」を「楽痛」といえばおもしろい。

「苦悩」を「楽悩」と言ってもおもしろい。

「苦難」を「楽難」というのも同じ。

 

しかしまとめてストレス要因といえば、スマートで知性的である。

そういう思考をすればいいだけなんだ。

 

言語で深みにハマるんだから。

「私は呪われているから苦しんでいるんだ」とか

「先祖の祟りだ」とかそういう意味不明なスピリチュアル言語に固執するとどうしようもない。

 

「信心がないと救われない」とかそんなストレス要因を作ってどうするんだ。

「あるがままで摂取不捨という智慧と慈悲が阿弥陀なのだ」

「病気だろうが貧乏だろうがなんでもいい」

これが真理だと仏教は教えていると思うし、そうじゃないというなら仏教でなくともこれを真理とする方が良い。

 

だから宗教はややこしい諸刃の剣なんだ。

なんでもいいから、一如(あるがままの絶対的一という真理)へ

向かえばいいのだ。

 

心が解き放たれるのは、めんどくさい言語やストレス要因をなくすことなんだ。

徹底的に全てを単純化し、思考を論理的にすることである。

 

ところでなぜ現代中国人が嫌われるのか。

 

平気で嘘をついたりする。

人を利用するのが上手い。

様子見が上手など色々あるでしょう。

 

どうしてこのような人がいるのか。

もちろんどの国にも似たような人はいますが、

中国ならではの事情があります。

 

それは中国語の標準語とされる「普通語」です。

いかにこの言語が記号化されているのか。

中国語を知っている人はわかると思いますが、

意外と物事をザックリと捉えて表現も端的です。

 

日本語のように微妙なニュアンスは普通語にはほとんどない。

 

あの膨大な人たちを一つの言語に集約する上で仕方のない措置だったのかもしれないのですが、それが意外と大脳前頭葉思考になるようになったので、情があるようで意外とあっさりしているのは、言語のもつ記号性が強いのです。

 

だから意外と中国人は論理的なんです。

 

日本語は複雑で情的思考に偏りがちで、端的な記号とは言えない。

だから人を大事にする。

 

どちらがいいのか。

 

悩まないためには、記号的に言語を使う方がいい。

とは言え、情はいらないのか。

 

つまりはバランスなんだと思いますが。。。

 

以下ご参考に。

あんまりいいたくはないのですが、

私は、人間関係の判断ルールとして次の3ルールをもっています。

 

1、前頭葉思考つまり論理思考をしていて、発言が論理的か？

扁桃体思考で感情発言する人はややこしくなります。

例えば「〇〇な人は嫌いだ」「一生懸命頑張ってる」「 そんな風に言われると辛いです。」など。。

およそ例えば「辛い」というような内容ではないと判断される会話において、辛いを別の言語で表現定義することをしようとしない場合、第３の主導権ルールにつながってきます。

いずれにしても、このように感情表現で関わって来る人は、カウンセリングと割りきって関われるかどうか判断しています。

 

 

2、言語の定義に知性的な定義がされているか？

「人生は楽しく」という場合の人生の意味、楽しくの意味を尋ねて、知性的に的確であると考えられる意味づけをもって使われている言語であるか。

 

形容詞の多い人もその形容詞が前頭葉思考的であるかどうか。

「キレイな人は〇〇だ」「〇〇さんはすごい人」

「〇〇は悪いと思う」など、

例えば「悪いってどう悪いの？」と尋ねます。

 

その回答がどんなものであるにせよ、言葉の定義が国語的、仏教的、学問的に正しいかどうかではなく、前頭葉思考をもって、その人のなかで適切な定義として使われているかということです。

 

3、パワーバランスで、主導権をとろうとするひとは、どうしても振り回される結果になりますが、パワーバランスにバランス感覚をもって関わる人であれば、安定している人であると言えます。

 

エジソンのことばとして、「複雑の極みは単純である」というものがあるようですが、私は以上の3ルールを基本にして単純化しています。

 

このルールはあくまでも私の個人的なものですから、ご意見を言われたい方もあると思いますが、あえてコメントとして公開いたします。

 

ご参考になれば。。。

 

 

脳科学で人間は意思を持って行動していると思っていることも、全て「７秒前」に『脳が決めている』という。

(反射行動や思考に基づかない行動は「そうではない」ようだが。。)

 

それは、脳の中に普段からどういうデータを入れていて、どういう思考回路かということに基づいたり、それらに関係なく脳が勝手に判断して自分が「こうしよう」と思う7秒もの前に、すでに「脳自身」が行動を決めているという。

 

つまり自由意思のように思って行動していても、自分の思考以前に脳の自由意思が決めているのである。

まるで、量子が不確定性の中で自由に動き回るようなものである。

 

そういう意味では普段からどういうデータを仕込み、どういう思考パターンをするかということに気を置くことは重要である。

 

何気ない無意識の行動だけではなく、意識的な行動までもが事前に決まるのだから、これを「自然法爾」と思っても仕方がないほどの「脳力」である。

 

「脳力」をさとりへの「自然法爾」な方向へ向けるベクトルを習慣づけることが、仏道を歩むものの「行」であろう。

そういう意味では全てが他力=脳力なのだ。

 

 

 

 

 

 

◯南无阿弥陀仏が生きる

(これは以前FBに投稿したそのものです。)

(小難しいお話しの2にも載せていますが、そちらの方は訂正しています。)

※ぜひ読んでいただきたく、両方に載せました。

 

私はいろんな人々に真摯に向かう中、色々と誤解を生むこともあったので、陰口を色々と言われているようです。

 

でもそれは私がさせたことではなく、南无阿弥陀仏との関係の中で非常識な生き方もしてきました。

親鸞さんならこうするであろうと推論しながら。。。

 

しかし、扁桃体思考の方々にすれば面白いネタのようで、色々と言われていますが、それはそれでいいと思っています。

そもそも中神章生なんて実在は無いのですから。

 

あくまでも南无阿弥陀仏の中で悟り(論理)にこの肉体を預け、

南无阿弥陀仏に使ってもらうだけなのですから。。。

 

 

親鸞さんの重要な言葉のひとつ「人倫のあざけりを恥じず」

蓮如さんだって「仏教は無我にて候」

お釈迦さんも世俗的には非常識だった。

 

資本主義の扁桃体思考の僧侶にはわからないと思うけれど。。

こんなことを投稿するつもりはなかったけど、南无阿弥陀仏がタイピングさせてます。

 

 

 

私が陰口を言われている投稿を見て、友人から何かあったのかと心配のメールが来たので書いておきます。

 

何かあったので、陰口の話を書いたのではなく、何もありません。

ふと、何年も前から今までに、幾人かの友人僧侶から、「〇〇さんたちが中神さんの悪口を言っていたけど、ほっといていいんですか」的な話があったのを、ふと思い出したら、自然に投稿してました。

 

今思うと、扁桃体思考と前頭葉思考の投稿をする中で、私がそういう友人からの話をなぜ「さらっ」と流せるのかという理由を投稿に書くように、私の脳が働いたんだと思います。

 

悪口、批難、中傷の類を全く気にしないのは、扁桃体思考では無いからなんです。

つまり仏智ゆえに「あっそうなの」で流れていくだけで、腹も立たず、そういう方々を批判するつもりもありません。

 

ただ僧侶も資本主義かつ日本人特有の扁桃体の方が多いのがなぜなのかと論理思考すると、やはり根幹に行き着く。

 

つまりそういう意味では、真宗の教えが空華学派だと、俗世に流されるよねって思うから、今まで空華の問題点を指摘してきたんですが、あんまり反応ないしやめました。

これも自然に。。。

 

私がなんでこんな投稿をしているのか、南无阿弥陀仏に尋ねるとそういうことなんです。

多分。。。

 

 

信心そのものについては、西の学問では、近年サンスクリット語から、「プラサーダ、シュラッダー、アディムクティ…」などの信心と訳されている元を探って、その言語に基づいて、「浄心、無疑、認許」などの解釈があるといった学問の仕方もありますが、基本はやはり教行信証の読み方です。

 

学派によって、行の解釈が全てを変えていきます。

空華は、行は「無碍光如来のみ名を称する」と第17願によって明かされている部分を、諸仏に讃嘆させている根本の法体名号そのものだと主張します。

行＝名号、これを「名号のひとりばたらき」といい、私のすべきことは何もないと解釈するのです。

 

つまり「地獄一定の私を勝手にオートマティックに名号が浄土へすくってくださる」のだと。。

「だからその名号の働きを疑いなく受け入れて、ただ浄土に生まれる身になった、いわゆる現生において正定聚にさせていただいたことを喜ぶ」んだといいます。

 

ここにおいて、信心は「如来がお前を救うぞと南無の2文字に込められた喚び声に任せることであり、本願招喚の勅命に従うことなんだ」と言い、これを信文類に「仏願の生起本末を聞きて疑心あることなし」という、無疑と表されているんだと主張します。

 

つまりは名号に私が成仏すべき行徳を込めて、私の信心までも南無に込めて与えられるものなので、私は「仰信」するのみで何もすることはないとなるのです。

 

 

石泉において、行とは「無碍光如来のみ名を称する」と言う言葉は、浄土論ないし論註の五念門の讃嘆門の釈から引いておられると考えるのが妥当であると主張します。

 

つまり17願の諸仏称名は讃嘆であるから、諸仏の讃嘆する阿弥陀の徳を聞くことで、私も讃嘆する身になるということです。

これは必然的に五念門の讃嘆行を行じていると言うことになりますから、自然に初地不退転地となるわけです。

 

そこで「信心」は、諸仏の讃嘆を「無疑の心で受け入れる」ことで私も讃嘆したくなるという、諸仏の讃嘆と私の讃嘆の中間に介在する私の受け取り方ということになるのです。

 

つまり、何もしなくて良いのでもなく、しなければならないのでもなく、諸仏の讃嘆を受け入れていれば、自ずと讃嘆門に入るという点で、私が諸仏の讃嘆ないしは阿弥陀如来の功徳を聞くことで悟りへ向かう身に自然と変えられていくこと、転じられて行くことが信心のありようです。

 

その結果五念門でいえば廻向発願の身になるのですから、人生が悟りという未来に転じられるので、時間論でいえば過去も悟りのための過去だったというように変化を遂げます。

 

それは悟りへ近づいて行く人生を歩むことですから、方便の原語であるウパーヤ人生ということになります。

それはまさに「如来の願うところを願い、行ずるところを行ずる」と信文類にあるような人生を歩むと言うことになるのです。

 

行の解釈が変わるだけで、これだけ様相が変わるのです。

ご参考になれば。。

 

空華は帰依

石泉は澄浄

そういう意味で信心は、

ということにまとまるのかもしれません。

しかしこれはいずれも衆生の側に属します。

 

プラサーダは浄心だったと思いますが、大経の信心はサンスクリットのプラサーダだったと記憶しています。

 

空華的に言えば、南無の2文字にプラサーダな真実心を込めて与えられているものに帰依するということで、

石泉的に言えば、南無のプラサーダを受け取って讃嘆門に生きるということになるでしょう。

 

もう少し突っ込めば、

何もしなくていい地獄一定の私が浄土へ行くといってしまうと、如来に感謝するのみでそれ以外ありません。

 

しかし、讃嘆行を生きる身に変えられるとなれば、自らの煩悩を見せられるたびにそれが悟りへの資源となり、私がフェードアウトして悟りへフェードインしつつ、この身が滅した時、悟りのみになるという人生の有りようが菩薩道として明確になります。

不断煩悩得涅槃の本領発揮というところでしょうか。

 

親鸞の報謝は報は如来に応じるの意味、謝は慚愧の意味で、石では感謝とは捉えません。

 

法の中で慚愧に生きることが、煩悩が悟りへの資源となり、私が滅へ向かってフェードアウトすることなのですから。

 

法然には菩提心がないと明恵から批判され、親鸞さんがせっかく菩提心釈を明らかにされたのに、真宗が菩薩道を歩まない念仏ではないはずなのです。

 

 

 

 

◯極楽世界は、宮商和する世界です。

宮商は和音階では「ハモらない音」です。

 

浄土は怨親平等(おんしんびょうどう)の世界(親しいものも怨みあうものもハモる世界)と

いわれるように、調和和合が実現した風景を示しています。

 

この極楽に表されるファンタジックなイメージの根拠

にあるものこそ、三宝にある真理です。

 

すべては根源的に絶対一の一如。

これは、真如縁起をもととし、華厳の法界縁起、

などの大乗仏教の根本真理を元としています。

 

こういえばファンタジーではなく、理法となりますね。

 

いずれにせよ、私が本当に無私になり、教えに対して計らうことなく、

疑いという心所法を働かせず、教えをそのままいただく状態になることが

重要ポイントになります。

 

だから、信心が大事といいますが、信心というのは、

教えに対して何もはからわないことですから、

実質的には教えに対して思考停止することといえます。

 

しかしその思考停止が、私を自然に和合世界に導くの

ですから、良い意味での思考停止と言えます。

 

そのために、聴聞せよと言われるけれど、

これは、布教使のはなしを”うのみ“にせよっていうことではありません。

 

あやしげなきれいごとしか並べない法話があるとしたら、

それは阿弥陀の教えと同じであるとは必ずしも言えません。

 

聴聞とは、先ずは大経の四十八願により、

和合界はどのような世界か、そこに導く南无阿弥陀仏の

名号の万徳を聞くことで、

これを「仏願の生起本末を聞き疑心のない状態」と親鸞聖人は言っています。

 

阿弥陀如来の願いを聞くと

わたしの愚かさ煩悩性がわかります。

これの状態を「機の深信」と言います。

 

そしてそこでわたしの愚かさがさとりへの功徳に

「自然に転換」するので、

それが名号の万の功徳だったといただけます。

 

そして、四十八願あるいは南无阿弥陀仏は

私を和合界へ至らせる作用をもっていると知ることになります。

 

これがイコール「法の深信」となっているのです。

 

教えのまま教えに浸かって生きる。

即ち念仏生活をするということが、

私自身の機と法の深信を伝えて行くことです。

 

煩悩だらけと否定されている私が、私を否定している

名号(教え)を勧めていくという、極めておもしろい状態が

現象として生まれます。

 

それが、阿弥陀仏を讃嘆する生活として成り立つのです。

お勤め、声明もみな讃嘆している状態です。

 

究極、そこには、もはや自他の分別はなく、真智無分別智の

状態があるのみになります。

 

名号が私のいのちを使って、利他行をしている状態があるのみ。

自信教人信の状態があるのみという生活になります。

 

 

 

 

◯大乗仏教は、在家を含めて和合を生きようとするひとの集まりです。

 

あなたが本願寺などで「帰敬式(ききょうしき)」という入門式を受けるとき、

 

南無帰依仏、南無帰依法、南無帰依僧と「三帰依(さんきえ)」

を唱えることになります。

 

そしてこの三つを宝として「三宝(さんぼう)といいます。

 

この三宝の意味は、

 

「仏に帰依する」

ブッダや阿弥陀如来を中心にした人生を生きるという告白。

つまりブッダが発見した「法則規則(真如)を生きていく人生」に転換する、

入れ替えることです。

 

その「法則規則」の上で成り立っているから「あらゆるもの皆同じで平等に尊い」ということが、次の「法」になります。

 

「法」について説いている教えを生きる。教えに帰依する。

わたしたちが、いろんなご縁のなかで、この法則を体感し、体得するありかたに目覚めた時に「この価値(教え)を生きよう」という歩みがスタートします。

 

そうしていくなかで、周囲にその影響力が広がり、仏と法を生きる人が増えてきます。

そしてともどもに。。。

 

「僧伽(サンガ)」を目指すようになります。

これは、お坊さんということではなく、和合ということです。

 

現代調で言えば、

「わたしという個のいのち」は原子や元素が細胞になり、

集合して成立しているように、

わたしたち一人一人を細胞になぞらえた集合体として

この惑星における「いのちが和合、調和」の世界を作る。

 

という流れですが、すべての根幹は真如(真理)です。

 

このような「三宝」のサンガをあらわしたのが浄土です。

浄土は「同入和合海、一味」の世界といいます。

 

 

 

◯以前どこかに向けて書いたもの。

量子力学、心理学、脳科学など現代の科学から仏教を見れば、

なるほどと思えることが多く、今までそれを文章化しません

でしたが、昨日の夜自然に書いていました。

 

唯識なんかも脳科学的に見たり、心理学的に見たりすると

よくわかります。

私は催眠ができるので、実験して見ると、なるほどトランスに入りやすい

人は阿弥陀さんを幻視されたり、

後催眠でその後も暗示内容を継続することができます。

 

本当に人間って、科学や仏教を通してみると、

真実あやふやな量子の動きのようです。

 

1秒に5000個のニュートリノが私のからだを通過している。

なんて面白いですね。

 

釈尊や親鸞聖人は、あんな昔に現代科学が探し当てようとしている真実を解いている。

(説くより「解く」がフィットする)

 

親鸞聖人のいう信心は倶舎論で言えば、不障能作因〜異熟因だから、

あやふやな私はジャマをせず教えにひたっていればいいのです。

 

信心は無為法を有為法のわたしが受け入れるプロセスである以上、

動きですから有る無しで語れる性質のものではありません。

 

つまり信心そのものに本質がないのですから。

教行信証の信文類に出体釈はありません。

行文類の「大行は無碍光如来のみ名を称すること」というような定義がないのです。

 

ところで倶舎の五位の無為法の虚空無為、択滅無為、非択滅無為が

法有として有るという説も量子らしい感じがします。

 

科学はもともと「神の存在の追求」から「分科して分析する学問」というところから

はじまっています。

 

つまり現実をプロファイルして「神の実在を証明する」ところから生まれました。

 

しかし存在するのは法則であって神ではない。

ということが「分かる」にしたがって科学自体も変化しました。

 

科学の目的が、その法則や観測された量子などを、

どう使って、どう効率化してどう利用するかという状況に変化していったのです。

 

そういう点では仏教におけるブッダは、

存在のベースは「無常」という法則性であり、

存在すべてが「無我」だと目覚めて、自己や人間をプロファイルしたのです。

 

そもそも人間を苦しめている根源が自己の外にあるのではなく、

内にあると自己の本質に目覚めたのです。

 

しかも苦の根源は、人間が「自我」にロックをかけていることだというポイントに目覚めて、

そのロックをはずすキーを渡しています。

 

あなたもこのキーを受け取って、早くロックをはずして、広大な境界に

脱出してください。

 

 

 

 

 

 

 

◯美味しいお菓子があります。

「どうぞ食べてください。」

「イヤじゃあ持って帰ります。」

後日「あのお菓子どうでした」

「あ〜美味しかったですよ。」

こういう場合食べてないけど、社交辞令でこのようにいった。

あなたはこんなことは今までにありませんでしたか？

 

もらったお菓子をほかの人にあげたという経験もありませんか？

 

あなたがもらったものを、ひとにあげる。

こういう状態を「回向(えこう)」といいます。

振り向けることです。

「回転趣向(えてんしゅこう)」といいます。

 

ブッダの発見した真理を聞いて受け止めて生きる。

ブッダの説いた教えを信じる。

 

どちらが美味しそうですか？

たぶん前者でしょう。

この表現でポイントになるのは、「聞いて受け止める」という部分です。

 

あなたに差し上げたお菓子を食べて美味しいと感じれば、ひとにも勧めたくなるでしょう。

 

美味しいかどうかはわかりませんが、食べないで「美味しかった」といっても、

空々しいでしょう。

まずはブッダが発見して美味しいと勧めてくださった、

「真理」をあなたもいただいてください。

 

美味しくなければ、仕方がありません。

「お口に合わなかった」のでしょう。

 

とりあえず「仏教」があなたにも回向されているのですから、

まずは食べてみてください。

そこから美味しい世界がスタートします。

 

 

 

 

◯無生の生ふたたび。

 

人間にせよ、全ての存在は仮和合の存在である。

こんなことは、分子や原子の存在を知っている現代人ならわかるでしょう。

 

釈尊はすべては無常にして無我であるといい、

龍樹さんは、すべては状態の変化であり、実体のない空性であるといいました。

これを中観と言います。

 

浄土論や論註では、本来空性であるという龍樹さんの中観を前提に、「無生であるのに往生というのはなぜか」という問いに、「あくまでもそう認識した主体が真如をさとるという一貫性を表すためである。」といった問答があり、教行信証にも引用されています。

 

そもそも仏教の「中観」からいえば、全て無生です。

人間に生まれたというのも、量子物理学の「不確定性原理」的であり、私が人間に生まれているということさえ、証明不可能な姿なのだから、中観の無生ないしは空有と同じであるといえます。

 

阿弥陀仏が、人間に生まれて仏法にあうために私を念仏者たらしめたというのは、方便であって真如ではありません。

親鸞さんは教行証文類に、阿弥陀如来も真如の方便であると書いています。

「真如より来生したアミダ」という観点で、親鸞さんは「如来」という表現を常に意識して書かれています。

 

現代で迷信や幽霊を信じる人にとっては、それと同じステージで「阿弥陀仏が救ってくださる」という表現は適応するかもしれません。

 

しかしおよそ理数系というか論理的な人には「阿弥陀様」は「ご先祖様を大事に思う」というほどにしか理解されていないものです。

 

ならば現代においては「証文類の真如、真仏土文類の光明.智慧」の観点から説く方がいいと思います。

仏教学を学んでいない上、「教行証文類」すら読まず、仏教学的理解ができない念仏者と自称している人たちは、こういうことを理解しようともしません。

 

現代に真如や中観の観点から説くことは、「真宗教学の発達」「真宗教学の進化」であり、

絶対神を説いているわけではない仏教においては、「法の進化」として、あっても良い姿であると思っています。

 

 

 

◯尊敬とリスペクト

先日ウクライナから日本に嫁に来た”A女史”と出会った。

日本語も流暢で受け取った名刺に言語学修士と書いてあった。

 

それを見てわたしは「日本に敬語ってあるでしょ」と言いかけたら、

「わたしは”日本の敬語”を論文に書きました」という。

 

わたしは、「敬語って好きじゃないんです」というと、

「どうしてですか」と聞き返されたので、

 

「丁寧語は別として、尊敬語や謙譲語っていうのは上の人に使うものでしょ。」

「英語や中国語はもっとフラットですよね」といったところで

 

A女史は

「相手を敬うとか、自分を差し置いて譲るとか」

「とてもすばらしいですねぇ、ウクライナ語やロシア語には丁寧語しかないのです。」

とおっしゃるので、

 

わたしは「日本の敬語というのは、そもそも日本の封建社会の歴史が生み出して。。」と

話し始めると「わたしはそこまで日本を知らないから」と話しをそらされてしまった。

 

あなたはどうだろう。

「おまえにおまえっていわれる筋合いない」と「モノの言い方」でトラブったという

経験はないだろうか。

 

ほんとうに日本語はやっかいである。

これを「日本語はめんどくさい」といえば、もっとぞんざいに聞こえるかもしれない。

 

とにかく尊敬語や謙譲語なんて、上が喜ぶだけの言語でしかない。

下のひとを敬うコトバはない。

 

「あなたはなにをしてるの」というとき、

英語なら「What are you doing?」

中国語なら「你幹什麼？」以外にほぼ言い換えはない。

 

日本語は「あなた、キミ、おまえ、じぶん、キサマ」などなど

方言を含めていろいろありすぎて、やっかいな言語である。

 

「標準語や共通語」はあっても、「平等語」がない。

 

わたしならぬわたしは「おまえでもあんたでも」なんて言われようと気にしない。

(あんたをイヤがるひとも多いが「あんたのバラード」があるぐらい関西では普通)

 

「おまえは尊敬してないのか」と”どう喝”されようと、わたしならぬわたしは

なるべく平等語だと思うコトバを使うようにしている。

そもそも「尊敬」というコトバにしろ、日本語は「含蓄が深く重い」

 

そして「なぜあの人はわたしに対してあんな風にいうんだろう」なんてムダに脳に負担をかける。

 

「虫の声」って、他の言語では「虫のサウンド(音)」でしかない。

「雑音」である。

そのぐらい日本語には含蓄があるから「俳句」という美しい文化がある。

 

ウラを返すとくだらない「トラブルや悩み」も多くなる。

 

脳は言語で考えるから「寂しい」というコトバには

「孤独だの疎外感だの自己実現できない感だの」といろんな要素が含蓄されていて、

自分でもどんな状況を「寂しい」といって悩んでいるのかわからない状態に陥る。

 

そもそも「寂(さび)」は「静寂」をあらわしていて、「さとりの境界」を意味してもいるのだが、

現代ではそういう意味で使われることはほぼない。

 

日本語はいい意味で含蓄がある言語であると同時に悩むとムダに深くなりやすい言語でもある。

そして「もののいい方」だけで”もめやすい”言語である。

 

だから、あなたがこのHPを見て「ぞんざい」だと思うかもしれず、

親鸞聖人を「敬ってるのか」といいたくなるように感じるかもしれない。

 

「リスペクト」最近よく耳にする。

わたしならぬわたしは日本人はなんでもすぐに英語にして気取ってるようでイヤだったが、

わたしならぬわたしが仕事で”中国語”をよく使うようになって、

このことに気づいたのである。

 

日本語はやっかいな言語だということに気づいたのだ。

 

たぶん英語ができるひとも同じように思っている人もいるだろう。

「尊敬しています」と、英語が意味する「リスペクトしています」はニュアンスが違う。

 

「信心」も英訳できないから英語でも「shinjin」である。

おもしろいのは「キモノ」は英語でもキモノだけれど、

「和服」は「Japanese clothes」なのだ。

 

わたしならぬわたしは決して親鸞聖人を尊敬してないのではない。

(こういう二重否定もおかしなものだ)

「リスペクト」しているのである。

 

リスペクトは”尊敬”以上に「平等」である。

 

 

 

 

◯あの頃のわたし

私は、現在浄土真宗の布教使をさせていただいておりますが、

もともと浄土真宗のお寺に育ったのでもなく、浄土真宗の門徒でもありませんでした。

私の実家は、日蓮宗の檀家であり、私の母は、キリスト教でした。

そんな私が浄土真宗にご縁をいただいたのは、高校の時のちょっとした経緯からです

 

私が高校の頃は、ちょうど学歴社会になった頃で、勉強のできる子はみんなから

褒めそやされ、勉強のできない子は、ダメな子だと言われるような時代になっていました。

 

私は、そんな時代の風潮に納得できず、いろいろな先生にくってかかりました。

ある先生に「何で勉強のできる子はいい子で、できない子はダメな子って言われるんですか」

と尋ねたところ「仕方ないやないか、それが世の中や、お前もいい子って

言われたかったらもっと勉強せい」といわれたのを覚えています。

 

私はその先生にそのように言われたことに納得できない思いで、国語の先生にも

同じ問いかけをしました。

 

するとその先生は「おまえの言う通りやと思うぞ。人間はな、ありのままで尊いんや」と

おっしゃったのです。

 

私は、意外な思いでその話を聞き、なぜその先生がそうおっしゃるのか、もっと聞きたい

という思いで、その先生のお宅を訪ねるようになりました。

その先生のお宅を訪ねてみると、そこは、浄土真宗のお寺だったのです。

 

そのうちに私は、その先生の言葉が、阿弥陀さまの教えに依るものであるということに

気づくようになりました。

 

阿弥陀さまは、私たちがどのようなありさまをしていても、摂めとって捨てないという

大慈悲に包んでいてくださる。

私は、阿弥陀さまのお心に深く感銘したことを覚えています。

 

私たちは、日々「そんなことでどうする」「もっとこうじゃなきゃだめだ」

「トップにならなきゃだめだ」といわれ、勉強が出来なければだめ、恰好よくなければだめ、

有能でなければだめ、成功しなければだめと、私たちは有りのままの自分を受け入れられない

ままにせっつかれて生きています。

 

そんな私を、ありのままで摂めとって捨てないと言ってくださる阿弥陀さまのお心に、

私は深く感銘したのです。

 

浄土真宗の宗祖親鸞聖人も、かつて比叡山で修行僧として修行されているとき、

愚かな心を持った自分を否定されながら、こんなことではだめだと修行に励まれていました。

 

しかし、修行すればするほど、さとりという世界とはほど遠い自分のありさまに出会って

いかれたのです。

 

そして、そんな風に自分を否定してみたところで何かが得られるわけでもなく、かえって

むなしいばかりだったといいます。

 

親鸞聖人は、そのようにいたたまれない思いを抱えながら、ついには比叡山を降りて、

新しい世界を求められることとなったといいます。

 

親鸞聖人は、当時、阿弥陀さまの教えを広めておられた法然聖人を尋ねられました。

そしてそこで、阿弥陀さまの教えに出会われたのです。

 

阿弥陀さまは、私たちが素晴らしく理想的な生きざまを求めても、いろいろな状況や

しがらみの中で、なかなか思うに任せられないということを分かっていてくださり、

そんな私たちを、だからこそ放っておけないんだという広大な慈悲の中に

摂めとっていてくださると聞き、親鸞聖人は、それまでの価値観と

全く違った世界に出会わられたといいます。

 

それまでは、さとりという理想に自分をはめ込むことばかりを考え、

なかなかそうなれない自分に失望していたけれど、そんな自分を尊いと

言ってくださる仏さまに出遇われて、その大慈悲こそが、すべての人々が

救われる世界であるということに目覚められたのです。

 

私たちは、よりよい人生を求めて、日々試行錯誤を繰り返し、

迷い苦しみながら生きています。

 

阿弥陀さまは、そんな私たちの苦しみを深くご理解くださり、あたたかい慈悲に

包んでいてくださいます。

 

私は、浄土真宗に出遇って、こんなに深く広い教えは、どこにもないと心から喜んでいます。

 

４月は、立教開宗記念法要が営まれますが、親鸞聖人がこの教えを広めてくださったことは、

私たちのような苦しみにまみれた凡人にとって、本当にありがたいことであったと思うのです。

 

「わたしが30代の頃の初々しい話し」です。

こんな綺麗ごとをいってたんやなぁと、思う原稿が出てきたので、

あえてご紹介しておきます。