📕講義補足その１🎆(30/12/07まで)

 

教行証文類講義が《煩雑》にならないように、講義の補足をこちらに書きます。

小難しいのver2にも載せましたが、こういう形式にいたします。

 

以下の補足を検討いただき、学習の参考にしてください。

 

⭕️一度あげて訂正などした場合には、その時間をタイトルにあげます。

 

✴️💫最下からスタートし、順々に上に行きます❣️

 

🔴教行証文類講義その１

https://r.goope.jp/sainenji/free/honden

 

ーーーーーーーーーーー以下補足 

 

56、唯識を学ぶもうひとつの理由

 

浄土論の著者「天親」は「唯識派」の大成者です。

 

この唯識によって《現生における》【五念門五果門】が理解できます。

また、重要ポイントの。。。

 

「補足その2」に続く。。。

 

 

 

55、すべての人が読むべき書籍を📚ご紹介します❣️

 

 

 

 

 

54、「講義」が難しいと思う方へ

 

まず、難しいと思う単語を隠して読んでください。

そして少しづつ「隠した単語の同じ内容のもの」を見ていかれると

理解しやすいと思います。

 

 

 

 

53、「善巧方便だから方便でいい」30/12/06

 

そうなんです。

そういう人はあえて、教行証文類を学ばないほうがいいんです。

現代だからとはいえ、「論文」を読むのが苦手という人もおられるでしょう。

 

バカにするのではありません。

 

単に、目が見にくい、わたしの文章がヘタすぎる。

などという理由もあるでしょう。

 

教行証文類は、方便とシステムの論ですから、

「方便の阿弥陀如来と浄土荘厳」でいいという方は、

 

浄土の荘厳功徳を四十八願で読み込んで行かれることをお勧めします。

 

そして、理屈抜きで「五念門」を行じられれば、

「空性」を体得できます。

 

「方便でいい」といっても、

このポイントを間違うと「自性唯心」になりますから、

ご注意ください！

 

 

 

 

 

 

52、「安心」の文言

 

親鸞の著書の上で「安心」という文言は、三ヶ所「しかもあまりいい意味」では使われていません。

 

 

 

このように、教行証文類とそれ以外でもこれだけです。

教行証文類においては、「自我の安心(あんしん)を求める行」という《自力》について記述されているのみです。

332–11行目は、「五念門の作願」による「五果門の宅門」の解説に「ちらっと」記述されるのみです。

 

しかも「安心と起行」が並列する部分は「教行証文類」の信文類で217ページ4行目の「自力」について解説されるのみです。

ほかの「起行」は、「たんに行を起こす」という意味で使われています。

 

あくまでも「親鸞の真宗」においてというポイントからです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

51、仏願に順ずる。

 

［3–2］の部分にあるように、念仏行は、仏願に順ずることで、

「仏の行じたまふを行じる」という生きようですから、

 

「四十八願」を仏智として、五念門を行じるのが、

念仏の行者だと言っています。

 

 

 

 

 

50、講義中の使い分けについて。

 

①「〇〇といふ。。。〇〇とす」

②「〇〇〜〇〇」

の違いは、①は途中の文章も参照して欲しいケースで、

②は、およそ「ここ〜ここまで」はこういう内容というケースです。

 

 

 

 

 

49、大乗仏教は成り立つか？

 

現実論として、仏教は「さとり」を目指すことに意味があるんですよ〜⤴️

けど、もはや「さとりを目指そうという人」はどれほどおられるんでしょうねぇ(>_<)

 

なんか難しく考えすぎておられませんか？

 

こんな風に教行証文類の解説を書いていても、

実践しようとされる方は「ごくわずかなんやろなぁ」って感じています。

 

中神の自己満ではありません。

イヤイヤ自己満かも。。

 

だってわたしはさとりを目指すのが楽しくって、

生きんのんがムチャ「法楽」になってますから。。

 

 

わたしの知らないところで読んでおられる方がおられて、

チャンと学ぼうとされてる方もいらっしゃる☆

 

そういう方も大切だと思って、なぜか日々書いています。

 

知っている人だけの世界なら、直接やりとりすればいいんですけど。。

そうじゃなさそうですから😁

 

書きながら、また布教に行って話ししながら、

「教えはわかるけど、やっぱり資本主義がええわ」という方がたいがいのようで、

 

「あれを本にして儲けたらどうや」とか言われると、「法滅なんだ」と思いますね〜。

 

もちろん、わたしが必ずしも「教行証文類」を正しく理解しているかどうかは不確定です。

 

でも、これはわたしに限ったことではありません。

どんなに偉い和上でも学者でも同じです。

 

しかし、めざすところは「さとり」であることに変わりはないと思いたいです。

 

資本主義ってしんどいですやん❣️

 

「人倫なんていい加減なもんを超える」ってムチャ極楽ですよ❗️

 

まぁ「仏道はムリだ」と判断して、初地以前のところで「縁信心」で眺めつつ、

「寺なんか現代にはいらんわなぁ」なんてつぶやきつつ、

資本主義に埋没されんのんもええんでしょうけど。。

 

ほんとうに「難しい」といって、慣れた世界でいる方が気楽のようですけど、

仏道ってマジええ世界やのに。。

残念ですよぉ〜！

 

一万時間の法則(1日8時間✖️3年5ヵ月)ほど、仏道に触れていれば

逆にこっち側に慣れてきますよ(^-^)v

 

人間界は、めんどくさいから、もはや七地沈空で灰身滅智で終わろうかと思うことが

チョクチョクあるぐらい楽になります。

 

大乗仏教として、

親鸞が「教行証文類」にしきりに「利他」を勧めている内容を読めば読むほど、

「念仏で現代人に楽になってもらうのって、マジマジ難信の方法やぁ」って思ってますけど、

自然にこの世界やってます(^^)

 

ホントにさとりを目指すって「楽しくてムチャ楽になるのに❣️」

 

わたしの「営業力(利他力)のなさ」なんだろうかなぁ（；＿；）

 

だったらすんません‼️

 

 

 

 

 

 

48、→と=

本講義の中で論を解釈するときに、

→は

「〇〇」だから「△△」になり、だから「□□」ですという論の変化を表して、

 

＝は「〇〇」即「〇〇」と文言は違うけれど、意味は同じというときに使います。

 

 

 

 

 

47、「自性唯心」と多次元＆スペース

 

親鸞は信文類の序に、阿弥陀如来や浄土は「自性唯心」ではないと言い切っています。

 

これは、よく「阿弥陀さまはわたしの心にいらっしゃいます」などといわれるようなことではないということです。

 

これでは、わたしがメインで、そこに阿弥陀さんがいるという「自分にとって都合のいい阿弥陀さま」ということになります。

これでは、仏教と相応しません。

 

だからといって、「指方立相」だから「西方」におられるというと、かなりステージの低い方便になります。

むかしの「文字も読み書きできない」「抽象概念」のわからない時代の人への「方便」です。

 

しかも「西方」というとスペースの問題になります。

 

地球は丸く自転しつつ、太陽の周りを公転しているという時代に「西方」と定義するために、

わざわざ「西方」である意味を説明しなければならない時代です。

 

むかしの日本家屋は、ひとつの部屋に「ちゃぶ台」を置けば「ダイニング」になり、

「布団 」をひけは「寝室」になり、何も置かなければ「リビング」になるというような

 

「重重無尽の多次元なありよう」が「浄土や阿弥陀如来」です。

 

現代家屋のように、ここはダイニング、ここは寝室、ここはリビングというスペースの問題ではないのです。

 

同じ時空に何を見るかということなのです。

 

先日「うちのワンコが吠えているのを見て、わたしが怒ってる時ってあんな感じなんかなぁ」と知らされました。

 

と「仏智の見」で世の中が見えるようになることです。

この時点で「ワンコ」が「如来」になります。

 

今わたしがいるところが浄土だと「智見」できるか、「牢獄」だと自我を張ってみるのかという大きな違いです。

 

つまり、同じ時空に「重重無尽のありようが見える」という状態に「私が破我」されるから、

「浄土教は仏教と相応する」のです。

 

「無常、無我、空」といった「真如」「法界縁起」が見えるようになる「智見」を生きるわたしに転換されて、わたしすらが「空性」だったと「自利」し、同様に「智見」できる人を増やすことが

「利他」なのです。

 

自性ではなく外に阿弥陀さまを見ているように思えても、「阿弥陀さまがわたしをお浄土に救ってくださって、永遠のいのちがもらえるから、またお浄土で会いましょう」なんていうのも「自性唯心」です。

仏教ではありません。

「俗世の持ち越し」です。

ですから結果「仏教と不相応」になります。

 

実際、教行証文類によれば、外に見るかうちに見るかという問題ではないのです。

テーマは「自我」で見るか「仏智」で見るかということです。

 

「行文類」に「信心の業識」とあるように、「内に着床」しなければ無意味です。

 

なぜなら、自我でみる「阿弥陀さまやお浄土」は、

「阿弥陀如来や浄土」に《自我による願望を投影しているだけ》なのですから、結局は「自己満足」という、自我が作った「自性唯心」の「阿弥陀さま、お浄土」になります。

 

同じ時空に多次元な様相が見えてきて「破我される」のが、「信心」による「さとりへの歩み」です。

 

浄土の荘厳に「鳥」が「五根五力七菩提分ハ聖道分」を奏でていて、「広く仏法が奏でられ」聞いた人は「念仏、念法、念僧」します。

そしてこの鳥は「如来の変化身」ですという風に、現実が見れるようになることです。(阿弥陀経)

 

このように「阿弥陀如来にわが名字が破我されて、南无阿弥陀仏の名字で生きるようになる」

「称讃の【讃嘆門】に生きる」とこのような人生に転換されるのです。

 

このターニングポイントが「信心」だと言っています。

 

また、「自性唯心」は「唯識」のことではありません。

唯識でいう本源は「自心」ではなく、「阿頼耶識」だからです。

つまり唯識も、破我されていくことを論じているからです。

 

現代は「指方立相」まで落とし込んだ「方便」は逆にジャマになるでしょう。

「無碍光如来」の光明によって「重重無尽の多次元なありようが見える」ようになると、

世の中が違って見えるから「妙楽」「極限の楽」が得られる。

 

という、教行証文類に書かれているように説く方が、逆にわかりやすいし、納得できるという時代であるといえます。

 

とにかく、自性唯心というのは、自我に基づいて、「自分の都合のいい阿弥陀さまやお浄土」を「気持ちの中に」作ることです。

本来の「仏教と相応する浄土教」は「破我する無碍光如来」から「智見」を得るというものです。

 

そのターニングポイントが信心だと「信文類」で定義されます。

 

 

 

 

46、輪廻説と仏教

 

仏教は輪廻を認めてはいません。

 

釈尊は「死後の話など、戯論である」とわからないことを論じるな！

 

といっています。(これを無記といいます。)

 

そもそもカースト制を合理化する論理が「輪廻説」ですから、

釈尊以前からインドにあった「バラモン教」が作った論理です。

 

ーーー

前世に良いことをしてきたので、

今わたしは「バラモン(僧侶)カースト」なのです。

あなたは、「前世に悪いことをしたのでスードラ(奴隷)カースト」なのです。

 

だから今は「トップカースト」のいう通りにすれば、

来世はいいところに行けますよ。

ーーー

 

というトップカーストに都合のいい論理を作って、

何千年たった今も、

当然の論理として信じられており、

バラモン(僧侶)、クシャトリヤ(王族)、ヴァイシャ(民衆)、スードラ(奴隷)

の四姓制度が厳然と存在します。

 

日本でも江戸時代の身分制度にこれが導入されて、

お上の言う通りにすれば「来世はいい身分」になれるよ。

念仏すれば「極楽浄土」に行けるよ！

 

と説いてきたのです。

 

この輪廻説は、釈尊は認めていないけれど、

輪廻説を信じている方が、絶対多数派ですから、

これを方便に利用したのです。

 

しかし、「さとりや空、真如法性」の側面から見れば、

すべて同じ根源ですから「存在すらが空なのに」

 

「輪廻もなにもない」のです。

 

ですから、日本仏教や浄土教では、輪廻説が前提にあるようですが、

あくまでも「方便」のステージで語られるものです。

 

真如法性のステージでは、「輪廻説」は無意味です。

 

親鸞はこの点も「キッチリ」明確にわけています。

 

戯論＝無記

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/無記

 

カースト制を見た日本人

https://ameblo.jp/journey-around-the-world/entry-11599044436.html

 

カースト制の由来

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/カースト

 

 

 

 

 

 

45、異訳の大経

 

教行証文類を見る限り、親鸞は「異訳の大経」を意外に重視しているように思えます。

そういう観点で、読んで見てください。

 

 

 

 

44、「名号のひとりばたらき」があるとして、世界人口の何%が救われているか？

 

この問いを具体的に数字にしてみました。

 

2015年前後のデータで世界人口は、約70億人です。

 

真宗1000万門徒として、実際「信心」を有すると考えられる数字を、

多めに見積もって、世界人口上計算しやすく700万人としても、

 

0.001%

 

という数字になります。

 

実際はもっと少ないでしょうねぇ(≧∀≦)

 

 

 

 

 

43、ご参考に

 

ネット上で見つけたもので、最後にある「小生さま」に感謝申し上げます。

 

 

 

 

 

 

 

42、七地沈空の難と不退転そして等覚

 

七地に至ると「空観」などに沈んでしまい、

行をする意欲を失うということが言われていますが、

 

先般「今、わたしは七地くらいかなぁ」って、

ほぼ適当なステージを書きましたが、

 

そういえば「七地沈空の難」にハマるなぁって、

共時性かと「面白いもんだ」と思っているところです。

 

ご参考に！

 

http://labo.wikidharma.org/index.php/七地沈空の難

 

ここに、無余涅槃《灰身滅智(ケシンメッチ）》の難についても記述がありますが、

 

初地は不退転にして、でも、これらの「難」があるという、

矛盾があるから、

あえて「仏力によって等覚に至る」ということなのかもしれません。

 

ですから「菩薩もし安楽に往生して阿弥陀仏を見たてまつれば、すなはちこの難なし。」

とあり(論註 P.133)、(証巻引文 P.315)、

 

ここに「往生して見たてまつれば」とあるように、因位において「往生して見たてまつる」

という、因果同時が表されています。

 

本当に仏道を歩めば、特に現代であれば、

 

この「難」は当然であると実感しますが、

 

結果、「度衆生」へ向いているかいないかを決めるのも、

「即身成仏」でもしない限り、「不確定」ですから、

 

「これらを含めて」初地から

「等覚」へのプロセスが因位にあるということ

であってもいいと思うのです。

 

かえって、等覚への歩みをしている証でもありますから。。

 

いずれにしろ、「因果同時」でこの部分は乗り越えていくのです。

 

そもそもこの七地にすら至らない道を歩んでいる人が多く、

 

まして、「名号のひとりばたらき」といいながら、

 

お金や名声のために教義を振り回すよりは、よほど”まとも”です。

 

 

 

 

 

 

41、時間論

 

仏教は、特殊な時間論を展開しています。

 

それは、倶舎論にも中論にもさまざまな論に点在します。

しかし、共通しているのは、「世間の時間論ではない」ことです。

 

どちらかといえば、現代の物理学に似ています。

 

皆さんも「時間論」を学んでみてください。

ネットにも載っています。

 

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/時間

http://www.j-world.com/usr/sakura/replies/buddhism/buddhism16.html

https://ci.nii.ac.jp/els/contentscinii_20181128033717.pdf?id=ART0008993841

https://ncode.syosetu.com/n1608en/

 

面白そうなものをのせましたが、イマイチかなぁ。。

 

以下のものはわかりやすく、古いもので「時間論」というより仏教とほかの論の比較ですが、

仏教についてはほぼ的確です。

隔世の感はありますが。。

「臨終」や「現生」の理解については、もう少し踏み込む必要がありそうですが。

 

そもそもこの時代の真宗学者以外の学者は、親鸞の教えをなにを拠り所としていたのかと、

この論文についてではなく、一般論として疑問に思っています。

 

この論文の30ページからがポイントです。

浄土論や親鸞については「大雑把」の感は否めませんが。。

 

http://www.jacp.org/wp-content/uploads/2016/04/1975_2_hikaku_03_usuki.pdf

 

 

倶舎論や中観の時間論について、

 

過去、未来、現在の順序の意味や、

未来、現在、過去の順序の意味など、

 

三世について経典にさまざまな時間論が出てくるのですが、

これらについて、

論文はたくさんあるのですが、意外にネット上にはないようです。

 

私が学んだ「倶舎論」の先生の「時間論」もネット上にはないので、

ネット上で、まともなものは、「難しいもの」しかないようです。

 

論文や本を買って読まれる方がいいかもしれません。

怪しげな本をお買いになりませんように、

著者をキッチリご確認の上お買いください。

 

 

 

 

 

 

 

 

40、【重要】「往相還相因果同時」について。

 

これにつき、質問を受けることがあるので、根拠を示します。

証文類の313ページの【14】に還相の回向というは、

 

「利他教化地の益なり」とあり、結果、五果門の第五果門の定義をするために、

あえて設けられた「二相」であると、推論できます。

 

この【14】の文言に「論註にあるから、願文を出さない」とありますが、

四十八願よりも根拠として、論註を出すなどと、

 

重要度が半端なく逆転しています。

 

そしてこのあとは、「さとりそのもの」を論じていますが、

これが、「真如であり直接的3次元的時空」ではない、

「生死一如」を含むさとりのあり方を明示していますから、

 

「浄土往生が現生か死後か」などという論自体が、

 

仏教とかけ離れた議論であり、空虚な戯論であるとわかるハズです。

 

戻って、

 

【14】に、「還相の回向というふは、」

 とあって、第二十二願が引かれ、「一生補処の願」と定義したあとに、

「還相回向の願」と名づくべきなり。

 

と御自釈にあります。

 

一生補処は、正定聚ですから、往相になるのですが、

この後の論註の引文で、往相の五念門の果としての

「第五果門」を意味していることが

明確にされています。

 

ここまでに、「行文類」には158ページの2行目に「前念も後念も因となる」とあり、

159ページの後ろから5行目に、往相と還相を出して、往相の中に「おのが功徳をもって、

一切衆生に回施して云々」とあるように、「往相に還相の活動が含んで」説かれています。

 

つまり、正定聚を現生にもってくる以上、往生は現生にスタートして、

一生補処して滅度に至るという第十一願とあわせても、

 

往相還相は同時に行われなければ、

論が通らない。

 

同時であれば論が通って、

しかも、

現生に意味を持つ教えになります。

 

仏教の時間論が直線で考えず、

円環ないし多次元でとらえるので、

 

このような解釈が可能になるのです。

 

 

 

 

 

 

39、本願と自己

 

お東の、暁烏さんという先生の書を読んでいると、

 

「自己」は、清沢満氏先生の「絶対他力の大道」に、

 

自己とは他なし。

絶対無限の妙用に乗托して、

任運に法爾に此境遇に落在せるもの、即ち是なり。

 

 

と「任運に法爾に」とあるポイントをよりどころとして、

 

 

【すべてが他力】であり、「自ら」の【自然な思い】を他力の【本願】に定義して、

「計略や計らい」による「思い」を「自力」に定義すると、

 

「自己」を「無我なる宇宙の動きのひとつ」と認識できて、

成功だの失敗だの、生だの死だのと、「分断思考」に振り回されたり、

 

究極。。

悩むこともないでしょう。

「自然(じねん)な本願に生きよ」

「四十八願」は《それが仏智だ》と教えているように思えてきます。

 

 

 

 

38、煩悩の使いかた。

 

煩悩は現代的にいえば、「原始的防衛機制」であるといえます。

たとえば、精神心理学のフロイト派の「防衛機制」に似ています。

 

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/防衛機制

 

ただ、そういう自分が「法蔵菩薩の願行(真如)」に知らされて、

「アホらしい原始的な防衛をしてるなぁ」となっていき、

ほぼさとりに近づくにつれて「名字」が転換されると、

 

「煩悩の主体が薄れていく」ので、防衛の必要もなくなっていきます。

 

 

 

 

 

37、法蔵菩薩は成仏したのか、十劫の昔に成仏したといえるか？

 

法蔵菩薩が十劫のむかしに成仏したというのは、

「法蔵菩薩」は、完全なさとりからの垂迹(方便)、

言い換えると「真如からの来生」であるといえます。

 

大経の論から「法蔵菩薩のさとりへの道」は、

わたしの「大乗菩薩道」《願行》の道であると、

 

真如が誘導していると理解できますし、

それが「大経」の真実です。

 

こう理解しなければ、「法蔵菩薩の存在」も「願行」も本来不要と

いうことになってしまいます。

 

法蔵菩薩が「讃仏偈」によって「世自在王仏を讃嘆していること」が、

「讃嘆門行」とのちに天親が定義したのかもしれません。

 

そして、ストーリーに「設我得仏〜不取正覚」とある以上、

わたしが迷っている限りにおいては、法蔵菩薩が成仏しているとは

いえないという矛盾に思える内容の答えです。

 

「成就文」は「願いの成就」でしかありません。

 

しかも本願力は増上縁ですから、わたしがこの本願力を

「無疑」に受け入れ、わたしに着床しなければ、

 

大乗菩薩道(法蔵菩薩の願行)を生きることにはなりません。

 

ですから「法蔵菩薩は真如のさとりからの垂迹である」と理解して、

わたしが、願行に生きて「初地から等覚に至る」という、実践の

必要性をストーリーにされているのです。

 

ですからわたしたちは「初地から等覚への歩み」を法蔵菩薩とともに

生きることによってこそ、念仏行を生きるといえるのです。

 

そういうポイントで、親鸞は「等覚よりも初地」について、

いろいろな場面で論じ、まず初地にはいり、究極は、正信偈に記述した

「成等覚証大涅槃」

という究極の境地に至ることを述べています。

 

つまりわたしたちは、五念門行で「如来」が着床し、熟していくと、

肉体だけ残した「等覚」に至れるのです。

 

 

 

 

 

 

36、正定聚と弥勒

 

正定聚。

これを初地ではなく

「等覚」に定義する論は「行文類やそれ以外」にもほぼ出てきません。

 

なのに、正信念仏偈に、「成等覚証大涅槃」といきなり《初地＝等覚》とでてきます。

 

これは、「初地から十地」をすっ飛ばして、等覚に至るということですが、

十信、十住、十行、十回向から十地の初地である第41ランク目を

第51ランクに「等しい」と定義しているのです。

 

それは、初地は「不退転」だから「等覚」に等しいということだ

と推察されるのですが、

 

これが、この講義の［2–19］のなかほどに記述した、

 

親鸞においては「夕べからだんだんと《フェードアウト》して滅度に至る」と

書いた理由でもあります。

 

「初地から等覚への歩み」こそ《念仏行者》のすがたであるといえましょう。

 

そういう意味では、「いまのわたしは7地ぐらいかなぁ」という風に

念仏行者として歩むことが、「行」の《現実論》といえます。

 

もちろん煩悩を所有する「肉体」が滅せば、「無条件で正覚」であることは、

すべての存在が等価(平等・同じ)です。

 

また弥勒は、あえて五十六億7千万年のちまで、成仏しないという菩薩です。

 

そういう意味では、法蔵菩薩の「不取正覚」と同じかもしれないのです。

 

つまり「わたし」が成仏するまで成仏しないという《菩薩のあり方》です。

 

法蔵菩薩は「垂迹」でいすから《元は仏、如来》であり、

十界でいえば、菩薩は〈第9ランク〉ですから、

 

真如より来生した「法蔵菩薩」が、

 

わたしが「諸仏称名からわたしの称名」になった正定聚に至った時点で、

「法蔵菩薩の願行の道を歩むもの」となって、

「等覚」に誘導されることになるのである。

 

と推論できます。

 

ここで、弥勒菩薩は「一生補処」という五十六億7千万年のちに

最後の生を終わって、正覚という完全なさとりに至るのですが、

 

「正覚」に至った時点では、そもそも《正覚＝すべて一如》ですから、

この時点では、もはや「わたしもあなた」も同じでしかあり得ません。

 

ですから、【現実的には等覚に至ることが、今のわたしの究極】になります。

そういう点でわたしが「今、一生補処(浄土住在)であって、

このいのちが入滅することで正覚となる」のです。

 

ここを「死ねば」と表現するのは不適切です。

なぜなら「等覚に至るようになるということ」は、

 

「生死を無分別智で生きる身になり、どちらも同じ、

大宇宙(真如)における状態の変化でしかない」といのちのありようが

見えてくることなのです。

 

このことを「生死出づべき道」と言われています。

 

この文言の「生死」の問題は、「生きるか死ぬかの問題ではなく、

生死分断する煩悩思考《虚妄分別》の問題だ」と

仏智によってわかるようになるからです。

 

生死を分断する、《二元的思考が苦を生む》ということです。

 

［健康と病気」「勝つか負けるか」「金持ちか貧乏か」etc.

 

どういう状況でも分別を超えた

「さとりが《観察》できるようになっていく」のです。

 

また、「草木国土」(唯信鈔文意)も「蜎飛蠕動(虫)」(異訳の大経)

も真如であると見えてくるのです。

 

 ですから、現実的には、この現生において、初地から”いかに等覚に至る”

【念仏行者になるか】ということが【重要ポイント】です。

 

この点で、親鸞は《正信念仏偈》に「行者の究極」を示して、

「初地から等覚へのプロセスの重要性」を述べています。

 

しかし、教行証文類以外を見ても、それほど、《弥勒と同じように等覚である》

ということには、触れておられないのです。

 

あくまでも「生死を分別せず」今、念仏行者として、

「方便の無碍光如来の法に生きて、究極のさとりである

《空性、真如》に至るまたは《近づく》＝《ウパーヤ(方便)》か」

 

ということが【重要な実践】なのです。

 

従来のように「名号のはたらきにより、初地なんだけど等覚」です。

といった論を無視したうえに、現実から遊離したファンタジックまたは

スピリチュアルな教えではなく、

かなりな《現実論》であるといえます。

 

☆ただ地球の寿命は、地球が地球として存在できるのは、

17億5000万年後という説ですから、

弥勒菩薩さんはどこに現れるんでしょうね(≧∀≦)

 

 

 

 

 

 

  

35、天親と曇鸞そして阿弥陀仏

 

浄土論や論註に「阿弥陀仏(法王)」と出てくるのに、

親鸞はその部分をほぼ引用していません。

 

あくまでも「無碍光如来」の定義に落とし込まれます。

 

これは、教行証文類において、「真如法性」を重視している

証拠でもあるといえます。

 

引用できるものを引用しないという演繹的逆証です。

 

 

 

 

 

34、無量寿如来

 

阿弥陀如来は大経では「無量寿如来」という扱いですが、

これは、「無量寿＝如来」ということで。

 

無為法の「真如は無量寿」と反転させるとわかりやすいでしょう。

つまり、「法性、空性、真如」は法そのものですから、

「不変にして普遍な真理」です。

 

決して「死んだら極楽で永遠にパラダイスを生きることができる」

という意味ではありません。

 

 

 

33、これって勉強になります❣️

 

浄土宗全書

 

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32、正信念仏偈と念仏正信偈

 

教行証文類は「真如」から「方便念仏」を明らかにしています。

 

また、「浄土文類聚鈔」は「方便念仏」を中心にして、

真如(如来)については、ポイントによって軽く触れている程度で、

 

阿弥陀如来のストーリーが中心になっています。

 

このことから、教行証文類の「正信偈」は、

 

「正信念仏の偈」と読み、「正信念仏」に

《真如から如来した方便を疑い(計らい)なく受け入れる縁信心と因信心を明らかにする》

という意味が込められていると推論し、

 

文類聚鈔の「偈」は、文類聚鈔の内容から、

「念仏を正信する偈」

つまり、《方便を正しく受け入れることを明らかにした》と読むことで、

 

なぜ、この二つがあるのかというポイントが明確になります。

 

教行証文類は、「読み手を想定しない親鸞のホンネ」

文類聚鈔は、「読み手を念仏門のひとだと意識」して書かれていると推定できます。

 

言いかえれば

【教行証文類】は「なぜ念仏で成仏するのか」を明らかにしています。

 

【文類聚鈔】は、そもそも念仏で成仏しようとしているひとに、

「念仏門では信心が重要ポイントだ」と明らかにしているので、

全般にわたって「信心」についての重要性を述べています。

 

ですから、単純に「詳しく論じているか、簡略に論じているか」という、

「広文類と略文類」という定義ではない。

 

と判断する方が「内容」と「読み手」の違いについて明確になります。

 

「鈔」だから略であると判断すると「内容」の指し示すことが、

不明瞭になります。

 

ですから「帰命無量寿如来」から始まる内容は、真如から方便へと流れていて、

「西方不可思議尊」から始まる内容は、いきなり方便から入るので、

その内容が違うのです。

 

 

 

 

 

 

 

31、法界縁起論

 

華厳経の善財童子のストーリーから、華厳学では「法界縁起論」が説かれます。

 

これは、存在や現象を「事法界」と定義して、

その背景にある「空性や真如」を「理法界」に定義します。

 

そして、存在や現象という「事」は「理」によって関連づけられるということを

「理事無碍法界」と定義して、

 

結果すべての存在や現象である「事」は「理」がつないでいるという

「理事無碍」だから「事事無碍」であるということが、

すべての存在や現象の真理であるという「結論」を導き出して、

 

「事事無碍法界縁起」が究極の真理である。

 

となって、このような法界縁起が重なり合って「現実」があるということを

「重重無尽」と定義するのです。

 

このように見ていくと、「単純な因縁果」が「複雑に絡まって」いるけれど、

すべてが連結しているという「事実」の理解ができて、

 

「すべてが連結」している以上、

「ジグソーパズル」のように「無駄なピース(事)はなく、

ピースはボード(理)によって連結している」という

 

「時空を超えてすべてが等価」

 

つまり「平等」であるという結論になります。

 

これは、現実が3次元であり、時間を持つけれど、

3次元と時間以上の時空を想定したとしても同じであるから、

「時空を超えて」

事実無碍であり、重重無尽であるということです。

 

このような論理から

 

「たとえあなたが世界の片隅にいると思っていても、その片隅が重要である」という

「一隅を照らす」ことの重要性を「行」じる、

「一隅を大切にする行動をする人材」を国宝として育てようとした《最澄》の

 

「国宝は人材」であり、「一隅を照らす」と提唱した背景でもあります。

 

さらにさかのぼれば、

奈良時代の「国分寺」も「奈良の大仏(毘盧遮那仏)」を法界縁起の「シンボル」として、

「すべてがつながっていることを《国分寺》として国づくり」を考えたのも、

同じ論理です。

 

 

 

 

 

 

 

 

30、他力の正意(30/11/19)

 

「他力本願」「本願他力」ということばの読み方について、

 

1、「他力」を色も形もなくことばも絶えた”法則性”に定義し、「本願」を”方便”に定義すると、

「他力という事実(法性・空性)」を教える「本願の教え(智慧の光明)」

つまり「他力を説く言説方便本願」(真俗の二諦)となります。

 

2、一般的な理解では、「本願という他力」と読まれるので、「浄土に生まれるための阿弥陀如来の本願の力」という意味づけになります。

 

しかし、「如来の正意」という意味でいえば、「如来という存在」は、「わたしを真如に誘導することを目的にした言説(言語的存在)」です。

 

この観点からいえば、「行文類」の「無生の生」というように、わたしを「空性」に誘導することが、あくまでも「如来の存在意味」である以上、1、で読む方が的確な定義といえます。

 

そこで「他力」と「本願」を分解すると、

 

【他力】は、「わたしという存在」が「縁起＝他力」の「一即多多即一の存在＝一如・真如を根源にした存在」であるという《法性を表現することば》であると定義したうえで、

 

わたしをその状態に至らす《誘導言説》が【本願】であると定義できます。

 

あらゆるブッダ(諸仏)の「正意」は、わたしが「俗世間の価値」ではなく、「真如という価値」に生きるようになることですから、「1、」が”本来である”といえます。

 

 

 

 

 

29、新宗教の展開(30/11/19)

 

昨日は、忙殺されて、講義を書きながら寝てしまいました。

 

酒も飲まずに、書きながら寝てしまいました(≧∀≦)

 

そのため、本日書き改めました❣️

 

さて、本題です。

 

 

最近「中小企業の社長など」が集まって、早朝から「倫理の会」などという「集まり」があります。

 

これは昭和で「実践倫理宏正会」といわれていた団体の現代型です。

 

そういう団体そのものは「うちは宗教団体ではない」「社会教育団体」だといっていても、

内容は「宗教」でした。

 

こういった、昭和時代には「新宗教」といわれていたものが、いまは、

「自己啓発セミナー」というかたちで展開されています。

 

参加しているひとは「実際は新宗教」だとしらずに、ロータリーやライオンズのような

ステータスとして参加していますが、けっきょく賢明な「新宗教」の生き残り対策です。

 

「親鸞会」さんも「古典文学研究会」と言いつつ「正信偈を読む」といった勧誘をしています。

 

地域や対象に応じて「仮面を付け替える」のです。

 

方法は「いいか悪いか」わかりませんが、「賢明」です。

 

昨日参加した「セミナー」も同じです。

 

なにかに礼拝したり、本尊も置いてないので、

マジ”セミナー”だと思って来ているひとも多いようでした。

 

最近の「新宗教」の形態は、このようなケースが多いようです。

 

いわゆる「ネットワークビジネス」も「メガレベルマーケティング(MLM)」といわれて、

別ものだと思っているひとも多いのです。

 

これらは、「アムウェイ」のような確実な背景を持つものから、

「売り逃げマーケティング」といわれる怪しいものまであります。

 

どうぞお気をつけください。

 

 

 

 

 

 

28、蓮華の理解

 

親鸞は、ほとんど重要なポイントで「法華経」を引用していません。

 

ですから、蓮華の理解は、「華厳経」によっていると推察できます。

 

 

 

 

 

 

27、無碍光の解釈

 

無碍光は、もともと「大経」に出てくる文言(讃嘆名)ですが、

 

これを「浄土論(註)」は重要視しており、親鸞も「無碍光」を重視しています。

 

親鸞は、唯識派の「天親」の時点では、多分存在しなかった「華厳経」の”無碍”を、

「浄土論」の無碍に置き換えているように推察できます。

 

それは、多分「華厳経」を知っているであろう《曇鸞》の「浄土論註」を極めて重視して、

各所に「論註」を引用しているところから推論できます。

 

行文類の最終結論として「無碍光如来」は、「真如」のみならず「事事無碍法界」をあらわしているといっているように読めます。

 

いずれにしろ、行文類は《真如法性》と《方便》の「阿弥陀如来」を同じであると論じ、

 

「自我我執」の元になる「我が名」を「俗名」から「帰命尽十方無碍光如来」または「南无阿弥陀仏」の「我が名」に《完全変換するため》に、

 

法蔵菩薩の行だと「浄土論」が定義した「五念門行」を、

「四十八願」の智慧をよりどころにして生きることを論じています。

 

なかでも「利他」のために、五念門の「讃嘆門」と五果門の「薗林遊戯地門」を重要ポイントとして論じ、

「讃嘆行」(広略の称名)を生きることがさとりへの道であると論じています。

 

このように行文類を読めば、

 

「他力(パラタントラ=あらゆる縁起説=智慧)」というは「如来の本願力(方便言説)なり」と【81】［2–11］に定義していることが、上記のことを明確にした文言であると読めるのです。

 

こういう観点から読めば、「行文類」は、なんの違和感もなくすべて一貫した論と読み込めます。

 

 

 

 

 

26、そもそもなぜ安心と起行なのか。

 

この解釈は、善導や蓮如のもので、親鸞には出て来ません。

すべて讃嘆門です。

教行証文類の読めない布教使の時代に作られたものなのでしょうか？

 

 

 

 

 

25、法然と真実のはざま。(30/11/14)

 

親鸞の教行証文類は、仏教の本質と念仏は相応すると論じようとしていると思われます。

 

しかし、法然の書は少なく、選択本願念仏集では、そういった重要なポイントが記述されていないうえ、「専修念仏」といわれているのですから、「こう書いてもいいのかどうか」という揺らぎがあります。

 

例えばみなさんも、師匠を尊敬していると、結果「シバリ」にくくられることになります。

 

わたしも「石泉」にこだわっていましたが、今回このように教行証文類を20年ぶりぐらいに「改めて」一文一文読んでいくと、「その頃には読み込めなかった文言」などが「見えてきて」石泉すら完全ではないと感じています。

 

結果、そこで「師匠」にしばられることなく、率直に読み直して、この講義を書いています。

 

石泉とわたしのはざまで、「妥協」しないように、「率直に書いている」とこの講義の前提をご理解ください。

 

 

 

 

 

 

24、阿弥陀如来さま、そして輪廻説。(30/11/13)

 

一般的にいわれる「阿弥陀さまが上で仰ぐ外的存在」で

「阿弥陀さまのお救いで来世に往生する」という解釈は「封建社会」が作った構造です。

 

第二次大戦後(1945年)まで「天皇」が「現人神(あらひとがみ)」で、

「マジに天皇は神の化身」だと思い込まされてきた時代まで続いた国家的陰謀です。

 

平成生まれの人は信じ難いと思いますが、戦後「人間宣言」するまで天皇さんは

マジマジ「神さま」であり「お上(かみ)」だったんです。

 

そんな時代に「平等論」や「如来を内在し一如に至る」という「一元論」は

「許されない時代」だったんです。

 

講義の［2–10］の《信心の業識》というようなポイントは「完全な一元論」です。

 

一元論の許されない、特に江戸時代には、以前記述した「輪廻論」が身分差別に利用されて、

「お上の言う通りにしていれば来世にいいところに行ける」

「念仏なら極楽っていうメチャクチャええところに行ける」

 

だからお上や「目上の人」の「言う通りにしなさい」という江戸時代の論が、

いまだに語られて、教義になっています。

 

だから、「親鸞の本質」や「ブッダの本質」を語れるようになった歴史は戦後であり、

ほんとうの学問の歴史は浅いんです。

 

みなさんでもう一度教義を見直していくことをしなければ、

世界人口の何%がさとれるのでしょう。

 

「名号がひとりばたらき」してても、法滅するスピードが増しているのに、

ほんとうにこんな状態で、「真宗の教義が相続」されると思いますか？

 

アラブの石油の残量より早く滅すると思える状況です。

 

寺を存続させるなら「教義」をしっかりすることは重要な要素です。

「スピリチュアル寺院」か「〇〇でら(寺)というテーマパーク寺院」にする方が「存続」は容易でしょう。

 

その方が「易行」かもしれません。

 

そもそも「名号のひとりばたらき」ということが、

聞くひとからすれば、「スピリチュアル」に聞こえるかもしれません。

 

ほんとうにしっかりと親鸞の教えから、仏教を存続させるためには

「納得いく真実」が重要でしょう。

 

この講義は「ケンカを売る」のではなく「一石を投じる」役割として記述しています。

御理解ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

23、文言のおさえ。(30/11/13)

 

教行証文類は、多くの引用と内容があります。

そういう点で「どの文言をおさえるのか」ということが重要になります。

 

「ここにこう書いてある」と、部分だけをおさえると違う解釈が成り立ちます。

 

たとえば、教義について「本願寺派」では、名号という文言を重要視されてきていますが、行文類においては「名字」も同じほど頻発します。

 

ここで重要なのは「名」であって、「号」ではありません。

 

“認識”した存在に「名前」(名詞)をつけて、その仮の存在に「執着すること」で、また

「自己にも名前があって執着すること」を問題にしていると推論する方がスムーズです。

 

ここで論じられているのは「人間の仮名を光明によって変換して法蔵菩薩または阿弥陀如来」に置き換えることで「無我」への歩みがスタートするという方便の論です。

 

「仮名」がポイントだと読むと論がスムーズです。

 

「お喚び声」といったことは、「方便の一部分」で、

善導の「論」？というより、善導が創作した「ストーリー(おはなし)」です。

 

親鸞の全体像は「名字の入れ替え」を論じていて、その「行」を「称名」としています。

 

あくまでも「教行証文類(全体像)」を読むとこういう結論になります。

 

 

こういった「部分」を抜き出して、「意味を解釈すること」を

古くから「断章取意」などといわれます。

 

重要な文言は「一貫している文言」と「仏教の根源に触れる文言」であるというのは、

実際に教行証文類が「論理の書」だからです。

 

ストーリー(おはなし)ではありません。

 

現代でいえば「理系」であり「文系」ではありません。

 

そういう大前提で論じていることは「一貫している」というのが原則です。

 

この重要ポイントによって、この講義では「文言」をピックアップしています。

 

 

 

 

 

 

22、［形］(かたちなり、あらわすなり)30/11/12

 

188ページの【77】の文言の189ページに［形］と書いて「あらわすなり」と出てきます。

 

十二縁起や部派の解釈では、物質的存在はすべて［色］で認識するということですから、親鸞があちこちに［形］と記述しているのは、部派の解釈によると、「光明」は［形」に定義されていますから、

 

親鸞の論においては「光明」の現れを［形］とされて定義されています。

 

wikiを参考にしてください。

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E8%89%B2_(%E4%BB%8F%E6%95%99)

 

 

 

 

 

 

21、欄外の例えば「大行釈(行信利益)」などについて記述しない理由(30/11/10)

 

例えば、大谷派(東本願寺)の聖典などの解説や科文の割り振りと

本願寺派の科文(科段)の割り振りは、さまざまに相違していて、大谷派の方が細かく丁寧です。

 

本願寺派でも学派による違いなどがあります。

 

これらの「古くからの科段」に依らずに、この講義を記述していますから、あえて触れていません。

 

科文や科段というのは、おおざっぱに「目次」のように「ここ〜ここまで」は何を論じているかという古くからの割り振りです。

 

そもそもこの割り振りにも「学問の個性」があるので、記述しないということです。

 

 

 

 

 

20、引文がなにからというポイントについて説明しない理由(30/11/10)

 

教行証文類の引文には「〇〇にいわく」とありますが、この講義では、とくに説明の必要のない引用には、引文(引用)さきが《どういう背景や内容》をもった引用文であるか説明していません。

 

それは、説明する意味がないからです。

 

また、もともとの《引用先》に引用文が「あったのかも知れないけれど、じつは見当たらない」という意図的な引用もあります。

また、あえて引用文の本来の読み方とは違う読み方をされている、これも意図的な部分があります。

 

こういう点は、《脚注》《巻末注》や《大谷派》の聖典に解説されていますので、そういったテキストで学習ください。

 

ここでは、引用もすべて「親鸞のことば」として読み込んでいっています。

 

 つまり、親鸞は、教行証文類において、《念仏》の構造は「真如法性」による「一行方便」の構造であることを説明する意図をもって引用しています。

 

そういう点で、引用文の背景や内容に言及することは、特別に必要もなく意味もないと思われる部分が多いのです。

 

それ以上に《引用文の内容にある「単語」》などが大きな意味を持つことが多いため、その点や「典拠かつ論拠」であるような《浄土論、浄土論註》などについては説明を加えています。

 

親鸞は確信犯的かつ本質論者(そもそも論者)ですから、親鸞のこの学習姿勢そのものが学ぶ必要をもちます。

 

「おかしい」と「疑問」をもち、「本来ならこうでしょ」という学習姿勢です。

 

 

 

 

 

 

19、《論拠》と《典拠》(30/11/10)

 

このたびの「教行証文類講義」に《論拠》と《典拠》とわけて書いています。

これは、文字通りであって、「真如に五念門(中心は讃嘆門)をもって至る」という論理展開のプロセスに、あきらかに論理的根拠とあまり論理という流れとはいいにくい、典拠があるので、この二つを明確にしました。

 

親鸞の論において、「真如法性」については《論理展開》で記述できます。

しかし、方便を論じる場合には、この16にも書いているような「構造」があります。

 

ですから、まずは論というよりも《典拠》を通して「構造化」される部分が多くなり、途中では「なんでそんな風な論が通じるのか？」という疑問が出て来そうになるので、いったん《典拠》と定義して、最後にはそれが《論拠》であったという読み分けで、構造理解をうながしたつもりです。

 

 

 

 

18、万徳の意味

 

わたしたち凡夫が俗に生きていると「いのちの本質」である「無我、無為法、空性、真如など」のさとりがわかりません。

これを「無明」といいます。

 

ですから、いろいろな出来事や過去のことや未来という今後のことに不安や苦を感じます。

 

しかし、無碍光にであって「いのちの本質」であるさとりを生きると、それまでの《苦の種が、さとりへの種》に変わります。

 

現実的にいえば、《ものごとに対する意味づけが180度転換する》のです。

 

ですから、万の苦のネタが、万の功徳のネタになって、過去から未来に至るまでの解釈が変わって万徳になるのです。

 

万徳というのは、そういう現実論です。

 

 

 

 

17、名号は南无阿弥陀仏か？

 

行文類に出てくる「名号や名字」は、そのまま《南无阿弥陀仏》に定義されません。

 

【67】の選択本願念仏集の引用までは、ほぼ不確定ですが、中心は「無碍光如来名」です。

 

そもそも、浄土論で法蔵菩薩の行を五念門とされているのは、「大経」に法蔵菩薩の「行」の内容が不確定だからと推察できます。

 

ですから、帰命尽十方無碍光如来に《五念門を内在》させている以外に、行が確定できません。

 

ですから、名号が即《南无阿弥陀仏》ではなく、究極の【単純方便化】である善導の念仏の一行において、

 

さとりに至るには念仏を称えればいいと定義して、それは「阿弥陀仏」の名号であると定義し「実はそれが仏教を学習させる方便」として適切であると確定しても、親鸞は《南无》と《阿弥陀仏》をなかなか連結させません。

 

【67】の法然までそれを連結させないのは、あくまでも名号名字は《帰命尽十方無碍光如来》が前提であると推論しなければ、筋が通らないということだといえます。

 

 

 

 

 

16、中国仏教から平安仏教そして鎌倉仏教の一行論

 

教行証文類講義［2–8］から【重要】と思うため抜粋します。

 

あらためて記述することもないほど、善導は、法然が絶対的に支持した高僧です。

親鸞はこの善導の解釈について、ここまでに論理的根拠を構築してきたのです。

 

教行証文類の引文の並びが、「経、論、釈」の順番になっていると言うのは、「重要度順」というだけではなく、「根拠の順番」という意味ももっているからであるといえます。

 

事実「経典」の内容を、インド仏教哲学では「論理化」されているため、「龍樹、天親」によって経典のなかにある「さとりへのシステム」が明確になります。

 

そして、中国において「そのシステム」が民衆化したので、より「方便」が【単純化】します。

 

そのため、民衆化した「システム」の論拠(論)と根拠(経典)を前提として論を進めるためには、「経、論、釈」の順番が適しているといえます。

 

こういった前提で、ここから引用される「法然が絶対化」した善導の内容を理解していきます。

 

まず、この【24】からは、それまで五念門に定義していた三昧を「称名」の《一行》に絞っていくなかで、まず《一行三昧》というポイントを引用されます。

これについては、脚注を参照してください。

 

つまり、真如のすべてが「称名」に内在するという論理です。

 

これは、真言の「三密」に大日如来(宇宙のすべて)がおさまるという論理によっていると推論できます。

 

この真言の「すべてがおさまる」というのは、ある意味「神秘」ですが、

これを論理に構築して、具体的で「現実的」にシステム構築したのが親鸞です。

 

親鸞は、中国仏教あたりからこういった前提で、その中身を自然と学ぶことになって、さとりに向かうというシステムが構築されて、

 

道元の「只管打坐」も「禅」はさとりへの方法ではなく、そのままが「仏作仏行」という「目的」つまり「着地点(結果)」であるというのも、

 

日蓮の「一念三千」という「唱題」にすべてがおさまるという論も、同じ根源であると推論できます。

法華経のすべてがその「題名」におさまっていて、「唱題」の一行でそのままが成仏状態であるという行を行じながら、実際には「法華経の中身」を学習していくようになって、さとりに至るという、【一行が学習のキッカケを作って、中身を知る】という構造は同じなのです。

 

もちろん時代は親鸞の方が先ですから、日蓮がこの構造をパクったといえなくもありませんが、いずれにしろ、平安仏教からこの構造が中国仏教から日本仏教に取り入れられているのです。

 

ですから、親鸞は信文類に「仏願の生起本末を聞いて疑いがなくなる」ことが重要とされています。

つまり、単なる「称名」の一行といいつつ、《仏願を学習して仏願に生きる》ことを、ここでは「称名の一行三昧」とされています。

 

ですから、164ページの問答に「観」から「称」への展開の理由を記述しています。

 

これは単純に「その方が衆生にとって簡単だから」という説明です。

 

同ページの中ほどの問答に「一仏を称せしむるに、なんがゆえぞ境現することすなわち多き」という問いに「境現」とあるように、称名の一行に「観察」が起こってくるという記述はポイントになっています。

 

 

 

 

 

15、論理学

 

概して教行証文類のような、「答えありき」で引文を加えて論じ、「ありきの答え」に誘導するパターンが大乗仏教には多いように思います。

 

こういう論述は「帰納法」と言われますが、「結論を間違える可能性が高い」「意図的に結論を捏造できる」ので、科学的には「演繹法」という「根拠や証拠をもとに推論し、結果を導き出す」という方を一般的に用います。

 

しかし、教行証文類を含めて、宗教的なものは、帰納法と思われる論述が多いものです。

とはいえ、それを学ぶわたしたちは、演繹法で推論し、論が通れば結論に至るという読み方が大切でしょう。

 

 

 

 

 

14、そもそも称名と名号は別物か。

じつに、このポイントが真宗理解を複雑にしている要因のひとつと思われます。

称名を「称えているひととその行為(業)」

名号は「称えられる仏号(法)」

といった分類があるように、実際には称名されない名号という存在は、

無いに等しく、称名のための名号であり、

 

わたしを「破我」するための「功徳」や「智慧」や「方便」が《名号徳》ですから、

むちゃくちゃ大雑把にいえば「破我する内容」いわゆる「名号のいわれ」の無いものは無意味であり、

それがあれば「帰命無量寿光仏」とか言ってもいいといえるでしょう。

 

では、念仏はまた別物なのでしょうか。

念仏には「称名」「憶念」の意味があるので、必ずしも「称える必要はない」ともいえます。

 

いずれにしろ「名」は「仏果」を得るための名号であり、称えられてこそ意味があるのです。

憶念でもいいのですが、利他の讃嘆にはなりません。

念仏はやはりイコール”称名”と定義すべきでしょう。

法然が専修念仏といったので、あえて「念仏」ということばを使っていると推論できます。

 

学者は、目的をもたず「無意味な議論」をしがちです。

そもそも「議論のための議論」には意味がなく、「これが名号か称名か」といった議論は、ほぼ無意味な戯論(お遊び)といえます。

 

みなさんもお気をつけくださいませ！

 

 

 

 

 

13、教行証文類と法然【重要度7】

教行証文類を読んでいると、ふつうにスッと「〇〇は南无阿弥陀仏である」と記述すればいいのに、なぜか、「嘉号、名号、名字、如来」などと、「どうとでも取れそうな表現」が多くあります。

 

それは「尽十方無碍光如来」なのか「南无阿弥陀仏」なのかと思わせるほど、なかなか「南无阿弥陀仏」に定義されず、「AはA’であり、A’はA’’であって、A’’は念仏であり南无阿弥陀仏である」という転がして転がして定義されます。

 

これは転がしているのではなく、いろんな意味があることをあらわしているともいえますが、必要以上に多いように思います。

 

また、正信偈の「南无不可思議光」はどこへ行ったのだろうか。

これ以降「不可思議光」は出てくるけれど、南无不可思議光の「言葉」がないのです。

 

つまり「帰命無量寿如来」の「無量寿如来」は大経にもある名号であるといえるけれど、

「南无不可思議光」は無量寿如来から出てきた「無碍光」そのものであるから、

「帰命尽十方無碍光如来」と同じであって、この「帰命尽十方無碍光如来」の時点で名号といえます。

 

とにかく、教行証文類を読んでいると「本音」は「帰命尽十方無碍光如来」なんだけど、仏の化身と仰ぐほど大切なひとである法然が「南无阿弥陀仏」といっているから、そこに落とし込まなきゃいけないっていう親鸞さんの「思い」をひしひしと感じます。

 

もっとも「南无阿弥陀仏」は「無量寿、無量光」なのですからどっちでもいいのですが、結局、親鸞は「真仏土文類」で光明であると定義し、智慧であると定義し、功徳であると定義します。

行文類にも「阿弥陀仏は万徳である」と定義されていますし。

 

また、「仏」という文言よりも「如来」という文言が意外に多く、「真如一如」「法性」という、およそ法然の念仏では語られなかったポイントを明らかにするなかで、より真実に近い表現を使っています。

 

教行証文類には、親鸞が「真実と法然の間」で【揺らぎ】つつ、南无阿弥陀仏を真如に定義する、

親鸞の「思いやり」が根底にあるために、真宗理解を複雑にしているようにも思います。

 

わたしが10に記述した、「名号は南无阿弥陀仏ではなかった」に問いをくださったので、

10にも加えましたが、学問上「称名破満」といわれる部分

146ページで、「称名は正業である。」「正業は念仏である。」

とひとつずつ切り離して、「念仏は南无阿弥陀仏である。」と定義した「念仏」が

「名号」に定義されず「称名」に定義される論理展開になっていて、

しかも南无阿弥陀仏は「正念」であると定義される

この部分を論拠に「南无阿弥陀仏は名号であると親鸞が定義している」とはいいがたいのです。

 

教行証文類の論述でいくと、155ページの「経の体としての名号」は「帰命尽十方無碍光如来」とするのが自然です。

 

 

 

 

 

 

  

12、十二部経 

ウィキペディアから抜粋

1. 修多羅(しゅたら、sūtra、契経(かいきょう)) ：教説を直接散文で述べたもの

2. 祇夜(ぎや、geya、重頌(じゅうじゅ))： 散文の教説の内容を韻文で重説したもの

3. 和伽羅(わがらな、vyākaraṇa、授記)： 仏弟子の未来について証言を述べたもの

4. 伽陀(かだ、gāthā、諷頌(ふじゅ)/偈)： 最初から独立して韻文で述べたもの

5. 優陀那(うだな、udāna、自説経)： 質問なしに仏がみずから進んで教説を述べたもの

6. 伊帝曰多伽(いていわったか、ityuktaka、itivr̥ttaka、本事(ほんじ)、如是語とも)： 仏弟子の過去世の行為を述べたもの

7. 闍多(じゃーたか、jātaka、本生(ほんじょう))： 仏の過去世の修行を述べたもの

8. 毘仏略(びぶつりゃく、vaipulya、パーリ語: vedalla、方広(ほうこう))： 広く深い意味を述べたもの

9. 阿浮陀達磨(あぶだだつま、adbhutadharma、未曾有法(みぞうほう))： 仏の神秘的なことや功徳を嘆じたもの

10. 尼陀那(にだな、nidāna、因縁)： 経や律の由来を述べたもの

11. 阿婆陀那(あばだな、avadāna、譬喩(ひゆ))： 教説を譬喩で述べたもの

12. 優婆提舎(うばだいしゃ、upadeśa、論議)： 教説を解説したもの

仏典によって、九部経を伝えるものと十二部経を伝えるものがある。十二部経では、大乗経典の元となった毘仏略が、10ないしは11に位置づけられる。

 

 

 

 

 

 

11、【重要度レベル10】plus

 

五念門の詳説【156ページから159ページについて】

 

天親菩薩も「礼拝門」の「帰命」によって「作願」されたとあります。

つまり、ほんとうの礼拝は「仏と私がひとつになる」「帰命礼」であり、「恭敬」ではないと明確にされて、そこには「作願」がすでに内在することを明らかにされています。

 

また、ここの「名義」は「南无阿弥陀仏」ではなく「無碍光如来」であるというポイント。

 

そして、「無生の生」という「仏教の論拠」が記述されて、

「浄土教」は間違いなく「仏教である」ということが、明確になる重要ポイントが抑えられている

教行証文類の中でも、更に重要な部分です。

 

それは、五念門の「前念後念」の「両方を因」として「因果同時」であり、

「往生が今なのか死後なのか」といったことではないということも示されています。

 

そういったポイントを論じて、159ページの6から7行目に「仏教と相応する」という「与仏教相応」と明らかにされています。

 

この部分は「浄土教」が「ファンタジックなもの」ではなく「仏教そのものである」と論拠をもって定義される【重要な部分】です。

 

『plus』

五念門五果門の【因果同時】は、親鸞が「讃嘆門」の果である《大会衆門》と「回向発願門」の果である《薗林遊戯地門》を代表的な内容として「入出二門」を明確に別時とせず、「前後念」ともに「因」とされていることから推論できるのです。

 

 

 

 

10、経の体である名号は「南无阿弥陀仏」ではなかった。。

 

行文類の146ページの【12】に「称名は南无阿弥陀仏なり」と親鸞は記述していますが、前後の流れから、この時点で「南无阿弥陀仏」を名号と規定できる内容はありません。

 

むしろ、名号は「帰命尽十方無碍光如来」であると規定定義しています。

 

行文類の154ページから曇鸞の論註を引用されて、155ページ後ろから5行目から156ページにおよんで、「名号を経の体とする」とされて、「無量寿経の無量寿(仏)」は「如来の別号」とされています。

 

そして、156ページのはじめから如来名号を「無碍光如来」と定義されて、156ページの後ろから3行目から「尽十方無碍光如来」という「讃嘆門」を「如実修行相応」と明確にされています。

 

では、なぜわたしたちは名号を「南无阿弥陀仏」と教えられてきたのでしょう。

 

じつは行文類のこのあとに善導の「礼讃」が引用され、その「礼讃」と礼讃の中に《阿弥陀経》が引用されるところに「阿弥陀仏」という文言が出てきます。

 

そして169ページの【30】に善導の六字釈があるのですが、その後【31】に「摂生増上縁」【32】に「証生増上縁」と定義されて、

 

【33】「般舟讃」の引文に「思慮巧方便」と定義したうえで、

170ページに親鸞の「六字釈(二字釈)」があります。

これは「南无」の二字に「帰命、発願回向、即是其行」のすべてをおさめていますが、これは「阿弥陀仏」が法性の方便化であると定義するためだと考えられます。

 

それは、その後の171ページの【35】に、「無生、一如」などとあって、法性が根源であることを明確にされて、「称讃浄土経」の引用に称名を「慈悲方便」とされて、あくまでも「法性」と「方便」をわけて論じられながら、

 

180ページの【50】「弥陀経義」の引文に「万徳すべて四字にあらわる」とあり、

ここで親鸞の六字釈を「法性の方便化」という定義づけにおさめて完了させているからなのです。

 

教行証文類では、方便とそこに内在する「さとり」を明確にしながら、念仏が「なぜわたしをさとりに至らすのか」というテーマとさとりへのシステムをあきらかにしています。

 

そこで、この観点で教行証文類を読んでいくと、「尽十方無碍光如来」を「光明=名号」と定義しながらも、あえて「南无阿弥陀仏」を名号に定義されていく理由と流れがよくわかります。

 

157ページの問答にもありますが、「本来法性(さとりの無分別智)」で「生まれる」という「虚妄分別は無い」のになぜ「往生」というのかといった論が、181ページにも後ろから3行目にあります。

 

このようにポイントに応じて、「方便を真実そのものだと間違えないよう」に「あくまでも真実(本質)は真如法性」であるという路線を外さないように配慮されています。

 

そしてその流れの一つの結論として、185ページ【67】に「選択本願念仏集」において、「往生の業を南无阿弥陀仏の念仏」であると定義されます。

 

ここから、五正行が出されて行きます。

 

これは「法然」から受け継ぐ「方便の阿弥陀仏」についての記述に転じて論じられていく流れになっているのですが、法然を「仏の化身」とまで崇められているのですから、この流れは当然です。

 

しかし、202ページの【101】に「誓願について真実の行信と方便の行信がある」と書かれて、「真実の行の願」は「諸仏称名の願」と行について定義し、

 

「行文類」の冒頭に戻って行文類の論を終えて、「正信偈」に移られるというようなところに、

 

法然を超えて「真実は真如法性」であり、「阿弥陀仏は方便である」と言いたげに「無碍光如来」という光明が「真実」だというところに戻られています。

 

結局のところ、真仏土文類には「真の仏土は光明である」と結論づけて、それは「仏の智慧」であると定義しています。

 

そういう観点で、行文類の論述全体を見ると、そういう様相が見えてきます。

 

それは、無量寿経の体を「尽十方無碍光如来」の名号とされ、五念門を詳しく論じたうえで、

親鸞の六字釈(二字釈)への展開以降を見れば、

 

「阿弥陀仏」の万徳に「方便のシステム」が内在しているから、「南无阿弥陀仏」の念仏の業によって「往生」するというそれまでの浄土教のストーリーにならって、この部分までを記述されていながら、

 

186ページの【69】の御自釈以降に「往生即成仏」という定義をするために、再度【70】に浄土論註を引用して、187ページに至るまで「往生=成仏」を論じられるのです。

 

そしてその後の行文類では、成仏の内容をさまざまな角度から論じられていき、202ページの「諸仏称名」に戻って行かれます。

 

実質的に親鸞は法然を超えているのです。

 

 

 

 

 

 

9、縁信心

最近は少ないと思いますが、お見合いの話があって、相手の履歴書や写真を見て「よさそうだなぁ」と思ったり、「いい人ですよ」って勧められて、お見合いをします。

 

そして何度か「おデート❤️」して、「結婚する前」までの状態を、「縁信心」と定義します。

 

勧める人がいて、写真などでも「相手の魅力を感じ取る」こういう状況が「増上縁」です。

 

この話が例えているのは、「諸仏の讃嘆や如来の智慧や慈悲に触れることが、さとりへ歩むプロセスのスタート」だということであり、仏縁に出会ったというご縁の段階をあらわしています。

 

そして結婚すると因信心(受け入れた)という状態になるのです。

 

例えとしたら、「お見合い」より「食べもの」の方がよかったかも知れません。

 

美味しいと勧められて、食べることで「身になる」ということです。

 

または「大経」にあるように、「親友」という関係でも同じです。

 

「友人から親友へ」の縁から因のプロセスが明確です。

 

いずれにせよ、仏縁から仏道を行じるようになることで「縁」が「因」に転じることになります。

 

皆さんも聞いたり見たりする段階から、「受け入れたから仏道に進もう」というように共に歩んで参りましょう。

 

 

 

 

 

8、なぜ聞名か？

十二縁起に「名色」というポイントがあります。

 

人間は「存在」に「名前」をつけて「認識」します。

 

パソコン、机などの物体や「ひとの名前」などおおよそのものに「名前」をつけて定義します。

 

ですから名前を知らないものには「これは何ですか？」と聞いたり、「あなたはどなたですか？」と名前を知ろうとします。

 

そして名前によって定義したものを「色(カラー)」で認識するのです。

 

こういう意外な人間の特性を利用して「阿弥陀如来」という名を、わたしの名に置き換えることで「破我」されるのが、聞名による「不退転」であり、「初地」になるというシステムが「念仏成仏」のシステムになるのです。

 

 

 

 

 

7、到ると致る。(Yahoo知恵袋から)

「到」は、「目的の場所まで行き着く。ぎりぎりまで届く」という意味で、到達・到着・到来／殺到・未到などや、
到底・到頭／懇到・周到・精到・味到などの熟語があります。

「致」は、「めざすところまで届ける。最後まで行き着く」という意味で、引致・招致・送致・誘致・拉致(らち・らっち）などや、
致死・致命傷、などの熟語で使われています。
転じて、「物事の行く着くところ。気持ちのおもむくところ」という意味で、一致・合致・極致、雅致・筆致・風致などの熟語で使われています。

..ちなみに、「至」は、「ぎりぎりのところまで行き着く。この上ない」という意味で、乃至(ないし)・必至などや、
至極(しごく)・至言・至上・至当・至難・至福・至便などの熟語があります。

ーーーーーー(以上「知恵袋」より)

このように、142ページの【6】に「かの国に到りて」と「不退転に致る」という使い分けが、

「場所」と「目的」に使い分けられていることがわかります。

 

 

 

 

6、往生は死後か？

 

わたしたちが往生するのは「今か死後か」ということを論じられることがよくあります。

 

しかし、これには根本的なミスがあります。

 

それはこの議論自体が、仏教の一如という原則に外れた議論になるからです。

仏教においては「分別する」ことが迷いのきっかけであるという原則があります。

 

真如法性は常に一如です。

無分別智です。

 

教行証文類は、真実と方便が明確に記述された著書です。

 

真実は真如です。

 

たとえ「浄土教」を方便として論じるとしても、論じる意味のない部分です。

 

親鸞は単純に、元々の浄土教で説かれていた「浄土往生後に正定聚になって、一生補処して成仏する」という、「往生から成仏への流れ」の時間軸を「将来から現在」に前倒しされて、「今正定聚になって、次生に成仏する」という流れに持ってこられたのです。

 

この流れが真如法性の「事実」だからです。

 

つまり、浄土往生してからスタートする「成仏の行」を現在にもってこられたのですから、今「成仏への道」がスタートしたということになります。

 

この転換によって「完全方便」だった浄土教が「真実教」になったのです。

 

これは「自明」ですからあえて親鸞は、「往生が今からなのか死後なのか」論じておられないと考えられます。

 

あえていえば「心命終と身命終」ということです。

 

緻密な親鸞にとって「自明」なことが、ややこしい問題になると思われたとするなら、このことに「言及」されていてもおかしくはありません。

 

 

 

 

1、往相と還相の同時について

 

仏教や親鸞が「生死出づべき道」を明かしているのは、

「分別」が迷界を生む「無明」のもとである。

さとりは「真智無分別智」であり「生死一如」ですから、

 

「往生は今か死後か」を論じること自体が「戯論」になります。

つまりは「過去、未来、現在」の現在法にすべてがおさまるので、

「往相、還相」を「生死」の異時とするかどうかの「議論そのもの」が無意味なのです。

 

また、念仏を行じながら「往相」の「観察門」のなかで、「還相を観じる」ことができるということでもあります。

 

 

 

 

2、教文類から

教文類にある「去、来、現、仏仏相念」の部分が、現代語訳に「過去、現在、未来」に置き換えられていて、仏教の時間論を曲げてしまっています。

 

仏教時間論では過去法と未来法の”はざま”にある「現在法」ということと、「如去したものが、如来して、現在する」という意味合いも明確になっていないので、こちらに書いておきます。

 

また、教文類のはじめの「御自釈」で「この経の大意」として「法蔵菩薩の誓いを、選んだ功徳の宝」とされて凡小にこの「真実の利」を施すことを「如来の本願を宗として、仏の名号を体とする」とされています。

 

ここに「弥陀誓いを超発して、広く法蔵を開きて。。」とある「法蔵」の部分が一切経を意味するなら、

「広く一切経を開いて」でも「広く大蔵経を開いて」でもいいのです。

 

しかしこれがなぜ「法蔵」なのかを、親鸞さんの緻密さや全体構造などから「論理学」の「演繹的推論」から読むと、これは「法蔵菩薩」に「法のすべてが蔵されていること」を意味しているといえます。

 

そして、その法蔵と誓いを「功徳の宝」といわれていると読むのが、より的確な読み方だといえるでしょう。

 

続いて、この直後の「大経の引文」から読み込めるのは、この「本願と名号」は、如去した仏と、それらが如来して現在する”すべての如来”の出世の「本願と名号」であり、結果それが「智慧と慈悲」をあらわしているとよめます。

 

さらっと流されている「如去、如来、現在」を仏教の時間論から読み込むと、このように読めるので、阿弥陀は「すべての如来」を意味すると結論づけられます。

 

ですから教文類の結びの「御自釈」が、いわゆる頌讃の「如来興世。。。」と「如来」に結論づけらたといえます。

言いかえれば「阿弥陀興世。。」でも「釈迦興世。。」でもないということが、親鸞さんの重要なポイントの一つです。

 

 

 

3、教文類がなぜ如来で語られるか。

📛じつはご存知でしょうか？

 

「大経」には「阿弥陀仏、阿弥陀」という文言は全くありません。

「如来、光明、無量寿」などの不特定な代名詞のみで、

阿弥陀仏という固有名詞はないのです。

 

阿弥陀仏を特定する固有名詞は「法蔵菩薩」「無量寿仏」のみです。

あとは十二光の讃嘆名です。

 

しかし第二十願や成就文とされている部分には「名号を聞きて云々」と出てきます。

この名号がなにを指しているのか？

「大経」においては如来や法蔵菩薩などの「如来したすべて」であるといわざるを得ません。

 

ですから、教文類の出世大事(本懐)は、「如来すべて」だといわれているのでしょう。

 

🔵三部経や教行証文類をよく読むと「阿弥陀如来」はすべての如来や真如の代名詞とも読み取れるのです。

「阿弥陀経」でも一切の諸仏が称讃しているのは「不可思議功徳」です。

 

125ページの【6】に「われいま阿弥陀仏の不可思議の功徳を讃嘆するがごとく」とはじまっています。

阿弥陀仏そのものではなく「不可思議功徳」であるところを「真如法性」「如来」と親鸞は読み込んだのではないかと推察されます。

 

ですから、親鸞はこの教文類の時点において「名号」を「南无阿弥陀仏」に特定することをされていないという理由がそういう点にあるのかも知れません。

 

そして、行文類の「帰命尽十方無碍光如来」という「み名」へと繋がっていきます。

 

🔴重要

先取りしますが、行文類170ページ【34】に親鸞の「六字釈」とされる部分がありますが、

ここには「南无」の解釈のみで、「阿弥陀仏」の解釈がありません。

南无に「帰命、発願回向、即是其行」のすべてがおさめられています。

 

では「阿弥陀仏」については、180ページの【50】の「弥陀経義」の最後に「万徳すべて四字に彰る」とあって、その後の引文に「万徳」について記述されます。

 

また180ページの【53】最後から3行目に「すなわち無生を得んと欲はば、まさにこの法等を学すべし」とさらっと記述されていますが、このあたりの引文は、念仏三昧が「さとり」の「空性」を得るものとして、「万徳」が語られています。

 

つまり親鸞の論理展開では、人間の「無明」を破る「阿弥陀如来(無碍光)」という「諸仏や現象のすべての根源である真如の形(言語化)」を「得るため」には、

「南无」で「無碍光」を受け入れ(帰命)、人生の方向転換をし(回向発願)、法蔵菩薩の五念門を(行)じる。

 

という展開になっているようです。

 

結果、無碍光の名字を「南无阿弥陀仏」に定義されるのは、185ページの【67】の「選択本願念仏集(法然)」の引文であり、それまでは定義されません。

 

 

4、アミターバとアミターユス

じつはもともとサンスクリット語の「アミター」には「アミターバとアミターユス」とあって、

後者は「アミターバ(光明)の寿命が無量である」という意味を持ちます。

 

「帰命無量寿如来」はここからきています。

 

「大経」が「無量寿経」とされているのも、この点でしょう。

しかし、親鸞は「無量寿」より「不可思議光」を重視されていますから、

「無量寿如来」という観点について、わたしも記述を控えています。

 

このポイントでいえば、「大経」は不可思議光の「無量寿」の側面を明かしているともいえます。

つまり、経題が「不可思議光の無量寿」の側面をあらわしているので、あえて経文に「阿弥陀仏」の名前を出す必要がなかったともいえます。

 

 

5、大行について

大行は「称名なのか名号なのか」という議論が、西本願寺には古くからあり、

多数派の学派の主張する「名号」そのものであるという定義が一応の「定説」となっています。

 

これは、蓮如の教義とのすり合わせや「私たち凡夫の計らいの混じらない全くの他力」

が阿弥陀如来の救い(法のはたらき)であると定義して「私のすべきことはなにもなく、

行よりも信心が重要である」と主張するためです。

 

しかし、講義にも書いたポイントや大乗仏教において「無仏性」はありえないという点、

「名号が勝手に浄土往生させるから、私はあるがままで何の変化もない」というオートマチック

往生という無意味な教えなんてありえない。

 

そしてこれだけグローバルな時代に、認識するものがいなくても「宇宙を名号が勝手に動き回る」

などという、およそありえないことを「そうですね」なんて、まともに思える方がおかしく、

「マインドコントロール」されるというようなことがなければ受け入れがたい理屈であるといえます。

 

 

◉以降は上に付け加えます。