元気スイッチ 2020 

<2020年 12月 元気スイッチ>

 

あっという間だったのか?長かったのか?

こんなにも緊張感の続く日々をおくる一年になろうとは

想像もしていませんでした。

今年最初の通信で、干支が子(鼠年)ですから、始まりの時

「変化転換を表す」とご案内したのですが、「変化転換」には

「償い」という意味合いもふくまれているのだそうで、

私たち一人ひとりが自分たちの生き方を問い償い

そこからの変化が試されているのでしょう。

 

12月21日は冬至、24節気の一つで、一年で最も夜が長く、昼が短い日です。

「一陽来復の日」とも呼ばれ、太陽の力が一番弱まった日であり、

またこれを境に再び力が蘇って来るという、冬至を境に運気が上昇するという

前向きな意味合いもあります。そして、この時期先人たちの知恵として食されたのが

当時カボチャです。夏野菜のカボチャですが、野菜不足しがちな冬まで保存が効く

ということで重宝されていたようです。厳しい冬を元気に乗り越えようとする人々の

想いが込められてるのですね。

そして、一番のおススメは「小豆カボチャ」です。小豆は昔、「鬼毒を殺し、

傷みを止める」とも言われ邪気払いや厄払いとして食されていました。

冬至に小豆粥を炊くところもあるそうです。

「小豆カボチャ」はマクロビオティックでは腎臓の弱い人や糖尿の人の食養メニューとして

毎日1/2カップほど食するように言われますが、

健康な方も時々召し上がって腎臓をいたわることをお勧めします。

冬至にこそ召し上がれ!

「表大なれば裏も大なり」あまりの急な展開で戸惑いは隠せませんが

ひとりひとりが自分のルーツに向き合い、変化は変化として受け止めて

始まりの予感を持ち柔軟に生き抜いていきましょう。

マスク、手洗い手洗い、邪気払い・・・先人たちの知恵を借りて

元気に過ごしましょう。

良いお年をお迎えください。

 

 

 

<2020年 11月 元気スィッチ>

 

11月は霜月、7日は立冬、日に日に冷え込んできました。

根菜類の力を借りて身体を温めていきましょう。

梅雨の湿度、夏の猛暑、秋の乾燥、冬の寒さ、

私たちはそれぞれの時期を快適に過ごそうと

いろいろな工夫をして暮らしてきました。

それぞれの時期に適応した植物に助けられて

暮らしを整えてきたということです。

秋の収穫、実りの秋、感謝の季節ですね。

 

先日、zoomでの講座で「SAT療法」という心理療法のお話を聞きました。

筑波大学名誉教授 宗像恒次先生によって開発された

日本人にあった心理技術ということです。

Structured (構造化された方法で)Association (右脳活動を促して)

Technique (本当の問題解決)

一般的な心理療法が脳内の海馬(三歳以降のエピソード記憶)に

働きかけているのに対し

SAT療法は脳内の偏桃体(興奮を鎮めるところ 胎内から三歳までの情動記憶)に

はたらきかえて「感じ方」を変えることによって勇気や努力に

関係なく自然な形で行動変容に繋がって行く方法なのだそうです。

「考え方ではなく感じ方を変える」という言葉が私には

とても響きました。「心と身体は別物ではない」というと

ストレスから体調不良に繋がると考えがちですが、

実は私たちの身体は実に精巧に危険を回避できるように

プログラミングされていて、いわゆる「ひらめきや直観力」で

自分の身を守る能力が備わっているのです。

過去の事実は変えられないにしても、脳科学によって

脳内の記憶イメージを変えられたら、苦手な人が気にならなくなったり

廻りの目が気にならなくなって、いままでよりもずっと自分を大切に

した生き方ができるでしょう。身体の細胞も心もポジティブになったら

環境も変わってくるでしょう。

私自身、昔の自分とは考え方もちがってきましたが、年の功だけではないと思います。

身体も心も環境も会う人たちも変わりました。

専業主婦だった私がミレットで素敵な方たちと出会えたこと

何より自分を好きになれたこと・・・

 

 

<2020年 10月 元気スイッチ>

 

朝の散歩で、澄み切った青い空を仰いでいると、ひんやりとした風が

頬を通り過ぎて行きました。今年も無事に季節が巡っていくのだと

幸せな気持ちになりました。

日常の中に小さな幸せを見つけたというよりは、

穏やかないつもの日常にこそ感謝なのだと気が付きます。

生き急ぐ現代人には、変わっていくことの方が大切に映るのかも

しれませんが、変わらないことの大切さを

もう少し感じて生きてみたいとも思います。

さて、今から24年ほど前の秋、季節の移ろいどころか、

日常の景色から色を失ってしまったかのような生活をしていた我が家に

「悔い改め」ではなく「食い改め」のチャンスがやってきました。

マクロビオティックの世界的指導者久司道夫先生の

「お母さん、食事を変えてください。息子さんは助かります」の声と

出会ったのです。

私の中で、食事=栄養だったのが、食事=命の元となった瞬間でした。

マクロビオティックの三原則は、身土不二、一物全体、陰陽バランスです。

実は、その出会いの一年前に、友人に紹介されて玄米酵素という会社の

創業者の講演を聞きにいっておりました。

日本特有の微生物「麹菌」を使った玄米と麹菌の発酵パワーで酵素が

手軽に摂れるようにと顆粒の栄養補助食品として展開していることを知り、

我が家でも取り入れることにしたのです。なんだかんだと長い付き合いになりました。

その会社は今年50周年ということで記念の冊子「真の健康への道、食事道のすすめ」

が発行されました。創業者の岩崎様は最初に「食事道とは?」として・・・

「自然の道から外れた食の在り方は日本の伝統食文化を喪失に、

ひいては心身の健康に異常を招き、日本の道・国・民族にも影響を及ぼします。

そんな今だからこそ、日本の食文化の原点に立ち戻る必要があるのではないでしょうか。

そこで導(導)となるのが食事道です」という言葉を残されています。

そして、日本に古くから伝わる自然の法則「食の三原則」として

1、適応食(日本に適した米や野菜中心の日本の伝統食を心がける)

2、身土不二(自分の住む土地で穫れた旬のものをいただきましょう)

3、一物全体(植物は全体で一つの命、それを丸ごといただきましょう)を揚げています。

まさにマクロビオティックと共通の考えを見ることができます。

我が家が惹きつけられ続けた理由、我が家の日常に色を付けてくれた

大きな出会いは「変わらずにいること」だったのかもしれません。

日本の伝統食文化を大切に・・・

♥ From the kitchen with love・・ 

 

<2020年 9月 元気スイッチ>

 

年ごとに残暑の厳しさが増しているような

気がするのは、年齢のせいばかりでは

ないはずです。幾分和らいで感じる陽射しに

「天高く馬肥ゆる秋」を探してしまいます。

陰陽五行節で奇数は陽の数字とされ、

九月九日は、一桁で最も大きい数字の

九が重なる「重陽の節句」と言って、

五節句最後を飾るめでたい日と考えられて

きました。ちょうど菊の花の咲くころでも

ありますので「菊の節句」とも言われています。

菊の香りは邪気を払い、長寿をもたらすということで

重陽の節句の前夜、菊の花に綿をかぶせ、翌朝、

菊の香りの移った綿で身体を清め邪気を払い、

菊を愛でながら菊の花を漬け込んだ菊花酒を

を酌み交わして不老長寿を願うという風習が

あったのだそうです。重陽の節句が日本に伝えられたのは

平安時代だそうですが、江戸時代になると、もともとあった

収穫祭の意味合いも含まれて、「栗ご飯」を食べる風習も一緒に

庶民に広がっていったようです。

重陽の節句の宴を想像するとき

古来中国の賢人たちが、人里離れた仙界の山の頂で

澄んだ青空を背景に優雅に酒を酌み交わしている姿を

思い浮かべてしまいます。南朝宋の田園詩人、

陶淵明が描いた理想郷とはこんな景色だったのかと

想像が膨らみます。

「桃花源記」という不思議な話は

漁師の男がいつもの谷川に沿って船を漕いでいると

突然目の前に美しく咲く桃の花の林が広がってきます。

導かれた山の向こうの別世界では理想郷の生活が脈々と

繰り広げられていました。

昼夜や季節の移り変わりを太陽の巡りで知り、

農耕で豆や栗を栽培して、幼子からお年寄りまで

純朴に心楽しく暮らす様子がありました。

口止めされたにも関わらず、目印をつけて帰った漁師は

後に役人を連れて探しますが、二度とその理想郷は

現れることはありませんでした。

探し求めなければ見つかるけれど

探し求めると見つからない。

どうやら欲望や業が多すぎると

見つからないようです。

現代の私たちが求める桃源郷

「NOWHERE=どこにもない」は見方を変えると

「NOW HERE=今ここにある」に見えてくる。

だれでもすぐに使える魔法だと教えていただいたことがあります。

日々の暮らしの中にこそ健康と幸せの原点があるものです。

💛 From the Kitchen with Love 💛

 

 

<2020年 8月 元気スイッチ>

 

今年は海開きを楽しみにしていた

子供たち野の歓声も

夏の夜空を彩る花火の感動も

お預けの夏となってしまいました。。

当たり前として続いてきた毎年のお楽しみは

奇跡の連続の営みであったのだと

少し思い知らされる日々です。

地球は太陽系で唯一「海」を持つ惑星と言われます。

40億年前、生まれたばかりの地球の海に

溶けた有機物から生命が誕生し、進化して

地上に上がり、体液や血液で体内のミネラルバランスを

保ち命をつないできたと考えられます。

母親の羊水は海と同じ成分を持つと言われます。

胎児は40億年分の生命進化の足跡を辿り命を育んでいきます。

「海」はまさしく「産み」なのです。

 さて、私たちの住む日本列島は四方を海に囲まれていて

生命エネルギー溢れる海産物の恩恵に与ってきました。

暖流と寒流という陰陽の潮流と、南北に長い地形は

世界有数の海藻の宝庫を作り上げ、

日本人はこの海藻類を貴重なミネラル原補給源として

最大限に活用してきたのです。

海藻は保存のために乾物で利用することが多く

お日様のエネルギーでさらに成分が凝縮して、

血管の強化や血液浄化に役立ちます。

カルシウム、鉄分、亜鉛、カロチンなど栄養豊富なうえ

重金属や放射能など有害物質の浄化力も

実感としてあったのではないでしょうか。

 英語で海藻は総称して「Sea weed」(海の雑草)と呼ばれています。

あまり歓迎されていないようですが、

実際ワカメは世界の侵略的外来種のワースト100に

ランクインされているそうです。もったいない残念な話です。

 日々の何気ないお味噌汁を思い浮かべてみてください。

生命の源から成育したワカメや昆布を天日干しで

エネルギーを凝縮させ、陸地で育った豆や穀物に

海水を天日で凝縮させた塩を使って発酵させた味噌として

一杯の器の中に解き放ち融合させる。

まるで悠久の歴史を再現しているようだと思うと

身体の奥を越えて心の中まで染みわたるような

深い味わいに感じることでしょう。

日本人の原点が見えてくるような気がします。

 「来ぬ人を 松帆の浦の夕凪に 焼くや藻塩の

身も焦がれつつ」百人一首でおなじみの藤原定家の歌です。

「藻塩」は潮水の漬けた海藻を燃やしてできた灰を

水に溶かし蒸留し、塩を生成したものです。

海藻と塩が合わさったミネラル分豊富な海塩です。

「海藻をジリジリと燃やしている感じが、恋焦がれ、

待っている私のもどかしい気持ちにピッタリ」という歌らしいです。

今年は静かな海を思い浮かべ「海」「産み」「塩」「海藻」

私たちが生きていくのに必要なことを再確認してみませんか?

身を焦がすほどの恋心も思い出して・・・

💛 From the Kitchen with Love 💛

 

 

<2020年 7月 元気スイッチ>

散歩道の片隅に揺れる笹の葉を見て

そろそろ七夕の季節なのだと思い出しました。

七夕伝説、7月7日の夜、織姫と彦星が年に一度だけ

二人を隔てている天の川を渡って逢瀬を許されるという大切な日です。

天上界の時間の流れがどれほどのものだったとしても

何とも切なく長い時間だったことでしょう。

もはやロマンティックを越えていますね。

七夕には、短冊に願い事を書いて笹竹に結びますが

元々は書道の上達を願って短冊に筆で書いたのが始まりだそうです。

習い事の上達や病気平癒の願いの短冊のほかに、

折り紙なども下げてありました。「五色の吹き流し」は陰陽五行説の

「木=青・火=赤・土=黄・金=白・水=黒」を表し、

魔除けの意味合いがあるのだそうです。

「網飾り」には豊年豊作大漁を願い、「折鶴」には長寿を、

「神衣」には災難除け、「巾着」には金運上昇、折り紙の「屑籠」

には物を粗末にしないよう始末の心などの願いも込められていました。

仙台の七夕祭りはこれを大がかりにした感じですが、

人々の願う、より安全に、より平和に暮らしたいという思いが

天に届きそうな賑やかさです。(今年は中止です)

願い事と言えば、新月に向けて2~10個の願い事を紙に書いて

満月の夜、願いが叶ったことに感謝するという月への願掛けを

ご存知ですか?やはり、自分の望みをはっきりと紙に書き表すことで思いも強く

なり、より願いおごとが叶うとされているようです。

スマホやパソコンに指一本で言葉を残しても

叶わない願いもあるかもしれませんね。

人は過去を振り返るとき「うつむき」、

未来に思いを馳せる時「空を仰ぐ」と言われます。

「うつむいた時」大地からひょっこり顔を出した双葉に

命の体現を見て過去の自分を許し、

「空を仰ぎ」暑い太陽の光や眩しい月の光、無数の星の光に

自分の未来を肯定し、願いを前向きに叶えて行きましょう。

さて、まずは七夕の夜は、天の川や織姫の織る糸に見立てたそうめんと

オクラの輪切りを星に見立てて食卓を飾り、

織姫と彦星の一年に一度の再会をお祝しましょう。

♥ From the kitchen with love・・ 

<2020年 6月 元気スイッチ>

梅仕事の季節がやってきました。

青葉の陰からひょっこり顔を出す丸いコロンとした

青梅はかわいいですね。

私と言えば、昨年仕込んだ梅酒がそろそろ飲みごろかと

思い出しました。(梅干しはまた今度・・・)

「梅雨」の語源は梅の実が熟す頃に降る雨ということのようです。

先日、「ありがとう農法」なる栽培法・・・というよりは

「生き方」を実践されている方のお話を聞いて、とても幸せな

気持になりました。現在、北海道でホーリーバジルを

育てている方なのですが、出身は三重、東京のオーガニックカフェで

働いていた時に東日本の震災にあいました。

原発事故のこともあり三重に帰ろうとした時、

「日本を救う!ホーリーバジル」の文字と出会い

人生の転機が訪れます。

ヨガの先生などはハーブティーとしてご存知のようですが、

インドの伝承医学アーユルヴェーダでは、「不老不死の霊薬」

として、長い間、その薬効で人々の心と体をいやしてきたのだそうです。

ヒンディー語ではトゥルシーと言います。

さて、「ありがとう農法」は地球を家に見立てて、

命のすべては家族だという考え方がベースになっています。

人間の数より多い植物も家族として共に生きる、言葉は持たないが

意識は繋がっていると考えます。スギナの無償の愛のお話をされていました。

広島に原爆が投下され、75年草木は育たないと言われていたのを

ご存知でしょうか?実際には数日後には赤いカンナが咲いて、

数か月後にはスギナが生まれ、土地の浄化作業が始まっているのです。

スギナはカルシウムの足りない土地に生えて、やがてその身を石灰化させ

土地の質を整えるのだそうです。今では厄介な雑草として知る方も多いようですが、

けなげに何度でも生えてくるスギナに無償の愛を感じてきます。

自分たちは植物の化身であって、植物の力無しでは生きられないのです。

「ありがとう農法の五つのものさし」を紹介してくれました。

1、生命力を認める。2、エネルギーを感じる。3、豊穣を信じる。

4、陰陽を知る。5、命の循環を確認する。

共感できるお話がたくさんありました。

30代の若い世代がこの大きな家族のために自分たちができることは何か?

と動き始めていることに感謝して、まだまだ奇跡の扉を開けて行ってほしいと

思いました。

季節は紫陽花を濡らす梅雨ですが、旬の味覚の為の恵みの雨と思うと

憂鬱でもないかもしれません。

今年の6月21日は夏至で大安で金環日食で新月、そして父の日です!

♥ From the kitchen with love・・ 

 

 

 

<2020年 5月 元気スイッチ>

♪♫菜の花畑に入り陽薄れ~見渡す山の端 霞深し~

「おぼろ月夜」といううたですがご存知でしょうか?

私が小学生の時に合唱団の入団テストの課題曲に選んだのが

この曲です。このいかにも古き良き日本の風景を描いた歌詞

ですが、当時の私はなんの違和感もなく歌っていたものでした。

♪♫ウサギ追いしかの山~小鮒釣りしかの川~夢は今も

巡りて~忘れがたきふるさと~「ふるさと」です。

さすがにここまでの経験はありませんが、三番の歌詞の

♪♫志を果たして~いつの日にか帰らん~山は青きふるさと

みずは清きふるさと~♪ 大した志はなかったにせよ

学生として上京した時の故郷の印象はまだ近いものがあったと

記憶します。

鴨長明の方丈記に「行く川の流れは絶えずして、しかも元の水にあらず

よどみに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて久しくとどまることなし」

とあります。めくるめく物質文明の変遷はとどまることなく

一瞬のうたかたのように絶えず溢れては消えていきます。

美しい日本の風景だけは記憶を越えてそれぞれの心に

伝わればいいと願いたくなります。

さて、♪♫夏も近づく八十八夜~♪「茶摘みの歌」です。

立春から88日目、今年は5月1日に当たります。

新茶の季節ですね・・・

お茶には中国茶、日本茶、紅茶など多くの種類がありますが、

もとをただせば同じ椿科の常緑低木の葉から作られていて、

発酵の製法の違いによるものだそうです。

摘んだ葉をすぐに蒸して酵素の働きを止める麩発の煎茶には

葉緑素の緑色が残ります。

蒸さずに直火で焙じると番茶になります。

茶葉を干して半発酵させた後、釜炒りするのがウーロン茶

葉を強く揉んで酵素と渋味がしっかり結びついた最終発酵が紅茶

マクロビオティックの基本として用いられる三年番茶は

成育三年以上の茶樹から茎ごと摘み取り、釜煎り製法の直火で焙じ

乾燥後、寝かせて熟成を待ち再び火入れをして仕上げたものです。

絶妙な陰陽バランスを整えた薬効の高い万能のお茶と言えるでしょう。

このような実用的なお茶の世界から「茶道」として歴史や文化に

関わって来たお茶の世界があるのですから興味深いものがあります。

「お茶でものんで一息入れましょう」「お茶でもいかが?」

私たちの生活に欠かせないお茶です。ほっと心安らぐ一杯のお茶が

それこそず~っと日常茶飯事でありますよ~に・・・

♥ From the kitchen with love・・ 

 

<2020年 4月 元気スイッチ>

熊本県阿蘇郡小国町に寺子屋TAO塾を展開されている

波多野毅先生はアメリカのKushi Instituteにて

スタッフとして働いていた経験をお持ちです。

帰国後、「生き方の根っこを育てる塾」として

TAO塾を創設し、農業や執筆活動に加え、教育、健康、

環境に関する様々なプロジェクトを推進なさりながら

国内外の研修生を多く受け入れ、青少年の育成に力を

注いでこられました。

波多野先生の著書に「マクロビオティックの創始者

桜沢如一の言葉に学ぶ 人生を変える70のヒント」

があります。東洋哲学、東洋医学の神髄を究めた師の

遺した言葉の宝箱を紐解き、私たちにもわかりやすく

解説してくれた、いわば手引書になっています。

26項、ことわざ、四字熟語の叡智として

「法則のことわざ化は古来民族独特の優越である・・

科学は万能ではない。宗教や倫理や芸術や

心理の世界には一歩もたちいることは化学には許されいない」

このインパクトのある桜沢先生の言葉は波多野先生の解説

になると、映画「かもめ食堂」で有名な荻上直子監督の

「めがね」という作品の中で、もたいまさこ扮する

謎の女が朝、自家製の梅干しを食べながら「梅はこの日の

難逃れ」と語るシーンから始まります。「ことわざ」は

簡素な言葉に古くからの生活の知恵を凝縮し、教訓と

ユーモアを交えた「言葉の技」である。科学の名のもとに

迷信だと一蹴してはならない。「馬鹿の三杯汁」は

主食副食のバランスの大切さを説き、

健康の基本は食にあることを「医食同源」

マクロビオティックの料理の原則は

「穀物菜食」「一物全体」「身土不二」「陰陽調和」で

表現できる。・・・・とにわかりやすくなるのです。

自給自足で晴耕雨読、粗衣粗食で無病息災、

悠々自適に遊戯三昧!温故知新、実践躬行の姿勢で学びたい。

と結んでいます。・・・梅はその日の難逃れ・・・

♥ From the kitchen with love・・ 

 

 

   

<2020年 3月 元気スイッチ>

マクロビオティックの創始者 桜沢先生が説かれた

宇宙の法則としての基本は

「万物は陰陽より成る」とあり、

その法則の中に「表大なれば、裏も大なり」とあります。

「表裏一体」「一利一害」「一長一短」といった

言葉が示すように、どんな素晴らしい物でも、人でも

見方を変えれば、良い面だけでなく反対の面も持っている

ということです。現代の私たちの生活に置き換えれば

科学の恩恵によって便利な生活をさせていただいている反面

多くの危険性も背負って生活をしているということを

認識しなければならないということです。

9年前の3月、私たちはその覚悟を試されたのかも

しれません。

「表大なれば、裏も大なり 戦争の悲惨さ、天災、病気

不幸などの苦しみを知る者だけが、平和や安泰の

ありがたさを知るのである」と先生は説かれております。

 

10年ほど前にもインフルエンザの大流行により

マスクが飛ぶように売れたときがありました。

世の中の過剰反応に、世界的免疫学者として知られる

阿保徹先生は「滅菌。殺菌という公衆衛生上の

過剰な防衛が、人の身体の免疫システムに影響を

きたしている」と警鐘を鳴らしておりました。

桜沢先生もまた「ひとつらなりの命」の中ではすべては

有機的につながりあった同胞である。短期スパンの考え方で

鳥、虫、動物、ばい菌に至るまで不都合な悪の存在として

外に原因をもとめて排除している限り、

結局は自分の首を絞めてしまうという愚かさに気が付くべきだと

説いておられました。

 

さて、弥生、三月 穏やかな春の陽気を感じます。

心待ちにしていた命の芽吹きの季節がやってきました。

身を縮めていた私たちのからだも寒さから解放され、

冬の間にため込んだ脂肪や老廃物を身体の外へ排出する準備に

入ります。旬のお野菜の力を借りて養生していきましょう。

香りの強い山菜、ヨモギ、春菊、セロリなどの香味野菜

柑橘類などもデトックスに向いています。

気候の変動、環境の変化が多い時期ですので

ストレスを感じやすくなるかもしれません。

調理の時間を短めに塩気を軽くして、味付けには酸味を摂り入れて

行きましょう。刻んだ紅ショウガをご飯に混ぜたり、

酢の物、酢味噌和えドレッシングに梅酢を使うのもお勧めです。

身体を緩めていく食事を心がけていると

心も緩んでくるでしょう、深呼吸や散歩をして、周りのお花の

咲き具合など穏やかな環境の変化に感謝できるようになれば

イライラや憂鬱を招かない自分でいられるでしょう♪

♥ From the kitchen with love・・ 

 

<2020年 2月 元気スイッチ>

「私たちの生んだ子供たちはよくありません。

いったいどうすればうまく国を産むことができるのでしょう?」

イザナギとイザナミのこの相談に対して高天原の神々は『ふとまに』で

占いをすることにいたしました。その結果

「女から先に声をかけたのが良くない」という答えがでたので

「改めてやり直すように」と伝えられました。

二人はおのころ嶋に帰ると、

前と同じように男のイザナギは左廻りに、女

のイザナミは右廻りに左右に分かれて『天の御柱』を廻り、

今度はイザナギから先にイザナミへと言霊を掛け合い、

りっぱな国が産まれ始めためたということです。

このように、イザナギ(男)が先に声をかけ、

イザナミ(女)をいざなう(誘う)という「天の理」

高天原の神々の占いによって決まり、

以来それに習って鳥や魚、動物などのいろいろな生き物たちは、

男性から一生懸命女性を誘うようになったのだそうです。

古事記を紐解くと、四季がめぐり、自然豊かな日本という国の

始まりが、決してイザナミの安産ばかりではなく、

苦しみや涙の中から誕生したものだと感慨深い気持ちになります。

イザナギが戦いから戻り、汚れたからだを海辺で

身を清めたのが禊(みそぎ)の始まりで、

最後に顔を洗い、

左の目を洗うと「すべてのものに光を平等に降り注ぐ

太陽の神アマテラス」

右の眼を洗うと「月の満ち欠け静けさと安らぎを与えるツクヨミ」

鼻を洗うと「後にヤマタノオロチを退治して英雄となるスサノオ」の

三柱の神様が誕生していきます。

 八百万の神(やおよろずの神)と言われるほど日本には神様がいっぱいいて

お祭りする神社もたくさんあるのが納得できます。

そこからさらに何代かを経て、紀元前660年

カムヤマトイワレヒコは「天下は平定した」として

初代天皇の「神武天皇」となります。現在「建国記念の日」

として祝日になっている2月11日は「紀元節」と言って

神武天皇が「即位した日ということです

さて、2月のイベントとしては、

立春前日の節分で豆をまいて邪気を払った後、

ちょっとときめくバレンタインデーがやってきます。

こちらは3世紀頃ローマ帝国時代のお話で、

結婚を禁じられていた当時の兵士たちの愛の成就の為に

尽くしていたローマのキリスト教司祭が殉教した日が、

元々あった家族と結婚の女神「ユーノの祝日」とされていた

2月14日だったということで、

司教の名から「聖バレンタインデー」として

世界各国に広まったようです。

日本では女性から男性にチョコレートを贈って告白

できる日となっていますが、

海外ではそのような特定はなく、

家族や友人に愛と感謝を伝える「愛の日」として

伝わっているようです。

こちらの方が素敵ですね。

個人的には、特に日本人でしたら古事記の「天の理」に則って、

イザナギやイザナミのように男性から

告白をしていただきたいなという気がしますけど・・・。 

 ♥ From the kitchen with love・・ 


<2020年 1月 元気スイッチ>

 

 

2020年、今年の干支は「庚子(かのえ・ね)」

 

「庚」は季節で言えば秋の始め、生命サイクルでは

 

結実や形成を表す変化転換を表すのだそうです。

 

「子」はネズミ、「子・丑・寅・卯・・・」十二支の最初の年ですね。

 

十二支は、月の巡りと、作物の成長過程を十二段階で

 

表したのが原型とされていて、発芽、成長、結実、収穫までの

 

生命の循環サイクルを示したものになります。

 

「子」はまさに陽気が動き出して万物が芽ばえること、

 

生命のスタートということになります。

 

「子」の字の中には「賢い・聡い」などの意味合いもあり、

 

古代中国では立派な男性に対する敬称にも使われ

 

ていたようです。「孔子・孟子・老子・・・」など

 

優れた哲学者として聞いたことがありますね。

 

多産のイメージのあるネズミは繁殖や発展の意味合いでも使われ、

 

子年の縁起物で俵の上に乗ったネズミが小槌を振って

いる姿が多いのは繁栄の意味合いに期待する気持ちが伺えます。

「庚子」の今年は凝縮のエネルギーが動き出すような

堅実で冷静な判断力により転身し、賢く新しいスタートがきれる年と

うことらしいです。

漠然とイメージしていた干支ですが、調べてみるとこんなにも

未来のことを知るための占いの要素があるとは思いませんでした。

時間が未来から過去へ流れているととらえる東洋思想、

大いなる意思によって定められた未来に対して、

真摯に向き合い、備え、乗り越えより良き方向へ進んでいくていくための

壮大な生きる知恵を見たような気がします。

 

どうぞ今年もよろしくお願いいたします。