2022-08-15 11:07:00

リニューアルやみかん狩りについてのお手紙への回答

日ごろから日本マンダリンセンターを応援して下さる方から今後のリニューアルについての質問やご提案を頂きました。またみかん狩りについての今後の在り方についてもご要望がありましたので以下のように回答させて頂きました。

 

 

日マンのファンA

平素より日本マンダリンセンターのファンとして見守って頂きありがとうございます。2022年4月1日より日本マンダリンセンターの指定管理者となりました山上農園です。私共は1961年から長島町で柑橘栽培をしている農園ですが、昨年の夏に長島町農政課が直営で管理する日本マンダリンセンターの指定管理の打診を貰い、検討のうえ、この4月から引き受けることに致しました。

 ※当農園ホームページは以下URLをご参照ください。

https://yamagamifarm.com/

 昨年の夏、農政課から指定管理の相談を受け観光農園を視察したところ、不知火ハウス内は雑木が生い茂りジャングル状態となり、観光農園も草木が背丈ほどに伸び、葛が樹に絡みつき放題で多くの樹が枯れていました。短期間での再生は難しいと感じましたが、柑橘農家として看過できる状態ではありませんでしたので引き受けることにしました。

 第1フェーズの5年で観光農園を再生(枯れた樹の伐採と造成、新しい苗木の新植等を行います)し、第2フェーズの5年で様々なイベントとの共催で賑やかな観光農園化を目指す計画です。10年がかりでの再生となりますが、少しずつ良い方向に変わっていくと思いますのでご期待ください。第1フェーズについては、地元の小中学生をリニューアルサポーターズとして登録してもらい、秋の収穫お手伝いや、来春の造成後の新品種定植作業のお手伝いなど、再生に係ることで、長島町が温州みかん発祥地であることを身近に感じてもらい、長島町に誇りを持ってもらう機会にしたいと考えています。町内の学校や教育委員会への働きかけを引き続き行い、社会科教育の一環としての授業に活用してほしいと思っています(※山上農園としては10年前から地元幼稚園や小学校、高校への校外授業への協力を行っています)。

さっそくですが、日マンA様のご指摘やご提案については以下のように考えております。

 みかん狩りは、今後もユルいイベントとして大切にしたいと考えています。あまり堅苦しい空気感にはしたくないという思いは同じですのでご安心ください。ユルい空気感を残しながらも、これまでになかった町内外の方が集う賑わいを創出したい(※収穫祭としてキッチンカーフェスを開催など)という思いもありますので、ご期待に違わぬよう日本マンダリンセンター再生に取り組んでいきたいと思っています。

 また、ご評価いただいた食味については、現段階で食味については正直なんとも言えないのが実情です(※長島町の農政課が直営管理していた2年間は施肥も行わず、防除作業も十分に行っていなかったこともありますので、急に今年栽培管理を行っても味が追いついているかは微妙です…)。日南1号とニュー則村という品種がありますが、日南1号は通常は9月中旬から食べることが出来る早生品種ですので、あと1か月程度でどこまで味が伸びるか楽しみです。余裕を持ってみかん狩りは10月初旬からを予定しています。ニュー則村については11月以降の中生品種ですので日南1号が終わった後にご案内することになります。

 みかん狩りの価格と予約制ですが、以前より若干の値上げは行いましたが、ご指摘の通り、昨今の国際情勢の変化もあり、肥料が1.5~2倍程度の値上がりとなっています。農業資材や農薬についても値上がり傾向にあり、管理コストの上昇に対応するための苦渋の決断となりました。その点は情勢をご理解の上、何卒ご容赦願います。

 また、予約制については新型コロナウィルス感染症対策として館内も観光農園も密集しないようにするための配慮となります。我々スタッフも限られた人数での対応とする予定ですので、来園者を分散するための予約制としてご理解いただけると幸いです。とは言え、直接来館者を拒むものではありません。ユルい空気感は持ち続け、まずは皆様に楽しんで頂けるようしたいと思っておりますのでご安心ください。ご来援の際には意見交換ができると嬉しく思いますので、ぜひお声がけをお願い致します。

 展示物のリニューアルについては、日マンAさんと同じお考えを持たれる方々も多くいらっしゃいますので、当然ながらその声を反映させてのリニューアルにするつもりです。4月以降に来館された方とはできるだけ会話して館内展示物についての感想を頂いております。期待外れという声もあれば、レトロ感が好きという声、数十年前に来たから懐かしいという声、様々な声を頂いております。その中でも、当初私が思っていた以上に「レトロ感が好」きという声があることには正直驚きました。大分県の昭和館など、その好例と思います。先日はマガジンハウス発行の「BRUTUS」という雑誌の通いたくなるミュージアムの鹿児島県代表として取り上げて頂いたことも価値ある博物館であるという評価の表れだと思います。我々が不要だと思っているものにも来館者それぞれの思い出が詰まっていることも多いのだと再認識して今後のリニューアルに着手していくつもりです。昔からある展示物については展示方法や展示場所を変えて残していく方向で検討しておりますのでご安心ください。

 但し、情報がアップロードされておらず、産地情報や栽培技術、加工品等が随分と変化している現状を踏まえたリニューアルは行っていきたいと思います。誤った情報を継続的に展示し続けることは問題がありますので変更したいと思います。また、館内の敷地面積が広く、空間を有効活用した展示ができているかと言えばそうではありません。この2点については今後のリニューアルの重点課題として取り組んでいきたいと思います。

 

 ■1階の展示物のリニューアル方向性(まとめ)

(1)現時点の最新情報にリニューアル。産地情報、栽培情報、柑橘品種情報、加工品情報等を展示する。町内外の子供たちの来館時に「学び」がある施設に変えていきます。

(2)空間を有効活用するためにレイアウト変更。常設展示スペースと年3~4回の企画展示スペースを設ける。旧来の展示物はレトロスペースを作り展示するよう検討中です。

(3)ワークショップスペースを新設。10月中旬に柑橘ソムリエ協会との共催で、「柑橘ソムリエ」取得講座を2日間開催する予定です。今後は様々な柑橘に関するワークショップを企画開催したいと考えています。

(4)照明が1993年当時のものですので、間接照明中心の暗い雰囲気です。照明は出来るだけ明るく、低コストのものに変え、展示物が見やすい空間にしたいと考えています。

 

■関連情報

5階、4階展望室は来春リニューアルします。5階はコワーキングスペースとして、4階はICTを活用した教育スペース(セミナー開催、各種勉強会、ワークショップ開催、オンラインイベント開催など)として生まれ変わります。現在は国や県の様々なまちづくり補助事業がありますので、マンダリンセンターが長島町のランドマークとして価値ある場所になれるように取り組んでいきます。

 ※関連情報は以下URLをご参照ください。

https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/digital_denen/chiiki/kagoshima.html

 最後になりますが、日マンのファンAさんのように応援して下さる方々に末永く楽しんで頂けるよう努めてまいりますので、引き続き応援よろしくお願い致します。

  

日本マンダリンセンター指定管理者

山上農園 代表 山上博樹

https://yamagamifarm.com/