遺産分割

 被相続人に遺言がない場合、もしくは遺言があっても相続人全員の合意がある場合は、(遺言の内容とは異なる)遺産分割を、相続人間の協議によりすることができます。
 被相続人の資産から負債を差し引いた正味財産を、相続分に応じて取得することを法定相続といいますが、たとえば被相続人の妻に、全財産を相続させることを内容とする合意を相続人全員ですることも可能です。

 

 戦前は家督相続といって長男が全てを相続する制度であったため、遺産をめぐる紛争があまり起きませんでした。
 しかしながら、それでは平等原則に反するということになり、遺産相続の制度が戦後、家族法で採用され、さらに近年、核家族化の影響もあり、兄弟姉妹間の関係が希薄になってきたため、相続財産をめぐる紛争は増加傾向にあるようです。
 当事務所では、非公開会社における株式評価の評価方法、宮崎という土地柄ゆえの農地の評価方法及び、被相続人財産の生前における使い込み等、評価や立証の難しい問題について積極的に取り組んでまいりました。
 また近時、遺留分(注:相続人の意思に関わらず、法定相続分の2分の1ないし3分の1に相当する財産を取得する制度です)に関する法改正が行われたため、もともと理論的な同分野について、各論点によっては、さらに従来の裁判例等の射程範囲を検討する必要もでてきました。
 弁護士ですら、調停等に際して誤った主張をすることもあるため、慎重に手続を進める必要があります。